氾濫

「氾濫」
(1959/大映/THE CAST-OFF)


氾濫 [DVD]
若尾文子
KADOKAWA / 角川書店
2014-06-27



伊藤整の原作小説を増村保造が映画化。
文子サマは主人公・佐分利信の一人娘を演じます。

画期的な接着剤を開発した科学技師の真田佐平は学術大賞を受賞、一躍ヒラから会社の重役の座に就いた。
”成り上がった”真田の周りには、寄付や金の無心に来る人々が後を絶たなかった。
真田の妻は連日マダムの会に。果ては娘のピアノの先生と不倫。
女子大生の娘たか子は、野心家の大学助手・種村の誘惑に溺れて行く。
やがて他社が追随し接着剤は売れなくなり、社内での真田の立場は悪くなって行く――

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ほんの数年前は貧乏生活だった

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さすが伊藤整原作、巨匠増村保造監督作品だけあって、辛辣な社会派ドラマであった。
出て来るのは皆悪いヤツばかり。

キャストも渋い。
真田:佐分利信 その妻:沢村貞子(この時代の沢村っていい人の役をあまりやらないネ)
その不倫相手:船越英二 生け花の師匠:伊藤雄之助
種村:川崎敬三 その幼なじみ:叶順子
真田の友人(教授):中村伸郎

タイトルの「氾濫」とは、あらゆる”欲望”が”氾濫”する様を指す。
出世欲、名誉欲、肉欲、金銭欲・・・。

時代は高度経済成長の黎明期くらいなのかな。
皆欲望でギラギラしている。


ある日、真田の元にかつての恋人が訪ねて来る。
夫に先立たれた西山幸子は、一人息子は真田のこどもだという。
病弱な息子の入院費を工面してもらえないかという幸子と真田は密会を重ねるようになる。
→ 息子の入院はウソで、大体血もつながっていない他人だった。

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この時代の左幸子は美しいね。李香蘭の蓮っ葉な妹みたい。
戦時中、防空壕の中で男と女の関係になる時の左幸子の目の演技がゴイス!
今こういう演技をする女優ってまず見ないな。


野心家の種村は出世のために平気で女を捨て権力にすり寄る。
いつもならちょっと頼りない川崎敬三が演じる。
田宮二郎的な役ドコロだけど、じろちゃんだといい男すぎるからナ。
にしても、川崎敬三っていつの間にか消えてしまったんだろか。
アクが強くない分使い勝手の良い役者に思えるけれど。

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文子サマは真田の一人娘。種村はたか子を通じて真田にすり寄り自分の研究を世の中に出したいと思っている。
たか子はもう少し賢いお嬢さんかと思ったのに・・・。

この時代、すし屋の二階の座敷がちょっとした連れ込みスペースになってるのね。
真田と幸子が逢引をする部屋も、表向きは「sukiyaki」の看板が出ている料理屋風。

「重役」というのはリッパなステータス、重みのある言葉だった。
「重役夫人」とか「重役令嬢」とか。
今となっては死語感あり。

ラストのショットはクールであるよ。
駆け上がっているのは種村と(たらし込んだ)社長令嬢

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あなたと私の合言葉 さようなら、今日はPageTop氷点

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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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