サンセット大通り

「サンセット大通り」
(1950/Sunset Boulevard )


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「マルホランド・ドライブ」 は、「サンセット大通り」を下敷きにしている、ということで、リピート鑑賞。
監督はもちろん、偉大なる ビリー・ワイルダー。

はあああああ こわかった・・・。
ホラー! ホラー! 


冒頭、プールに浮かんだ死体が事の顛末を語り出すという斬新な展開。
なぜこうなってしまったのか?
半年前に遡る。

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売れない脚本家ジョー・ギデスは生活に行き詰り、車のローンの取り立て屋に追われる。
たまたま逃げ込んだところは、サンセット大通りの荒れた屋敷だった。
そこで執事マックスはジョーに、「マダムがお待ちかねだ」と言い、女主人の部屋に通される。

なんなの? なんてミステリアス!巧みな導入部!
観客はすっかり引き込まれる。

部屋の中央には何かの遺体が横たえられている。不吉・・・。
悲しむ女主人は、かつての大スター ノーマ・デズモンドだった。
(遺体はペットのサルで、ジョーは葬儀屋と間違えられていたのね)

誤解が解けジョーが脚本家だとわかると、ノーマは今執筆中の「サロメ」の台本を見て欲しいと言う。
取り立て屋のせいでアパートには戻れない。ノーマをたぶらかしてしばらくこの屋敷にいるのも悪くない。
この時点では、ジョーは優位に立っていたのだが、次第にノーマに絡め捕られて行く。
やがてジョーはノーマのツバメになるのだった。
→ DVD特典のコメンタリは、ワイルダーの自伝を書いたエド・サイコウ。
彼が言うには、「サルのシーンは、”ジョーは死んだサルの代り。次のペット”ってこと」
なるほど~~(笑)

↓ウィリアム・ホールデンの”ビーフケーキ”っぷりにびっくりぽん!
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ノーマはサイレント映画の大スターだったが、映画がトーキーに移行するとスクリーンから消えて行った。
しかし自分はいまだに大スターだと思っていて、自分が書いた「サロメ」で映画界復帰を狙っていた。

今風に言えば「イタい」話よね。
現実を受け入れられない、最初はちょっとピントがズレてるおばはん、くらいだった。

↓ライトが当たると「スイッチ」が入るノーマ
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ある日ジョーはこの屋敷のドアのカギが全て取り外されていることに気づく。
マックスから、ノーマは何度か自殺騒動を起こしたことがあり、以来カギは全て外されたと聞かされる。
ゾゾゾーッ!
ヤベーッ!
こりゃかなりヤバい物件だべ。

ジョーは脚本家志望のベティと脚本を共同執筆することに。
若く野心溢れるベティはノーマと別世界の住人だった。

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ベティという役名が「マルホランド~」で使われたのか(ナンシー・オルソンが演じた)

夜な夜な屋敷を抜け出すジョーにノーマは激しく嫉妬し手首を切る。
ジョーはもはや自分が抜き差しならないところに来ていることを知る。
そして、悲劇は起こる――

ブラック! ワイルダー一流のブラック!
この映画くらい出演者の、役と実生活がシンクロしているのってない。
要するに「かつて大スターだったけど、今は忘れられている人」がいっぱい出て来る。
主演のグロリア・スワンソンはよく出演を受けたよなあ。
グロリア自身かつてのサイレントの大スターで、映画から遠ざかってた。
もっとも実際のスワンソンは映画を離れても活動的で、会社を経営したりラジオ局も持っていた。
このオファーを受けると5度目の夫と離婚してハリウッドに移住したというからやる気まんまんだったのね(笑)

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エド・サイコウによると、
ジョーはプールを手に入れ、
ノーマはスクリーン(ニュース映画だけど)にカムバック、
マックスは監督に戻る
めでたしめでたしな物語なのだという。
(うまいこと言うな)

昔見た時、ノーマ・デズモンドがすごいおばはんに見えたけど、今見たら全然若々しいではないか。
まだ50歳だったか。ショック・・・。

イデス・ヘッド女史の衣装がまたステキ☆
「ノーマの衣装は古臭いのにスタイリッシュ」という難しいコンセプト
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ハリウッドの内幕もののこの映画、ホンモノのカメオ出演もおもしろい。
「十戒」のセシル・B・デミル御大が himself で登場。
ハリウッドのゴシップコラムニスト ヘッダ・ホッパーも出演。
ワイルダー自身は、ゴシップ両巨頭の片割れ、ルエラ・パーソンズの方と親しかったけれど、女優出身のヘッダの方が見栄えがするというので起用したとか。

十戒 [Blu-ray]
チャールトン・ヘストン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2012-08-10



↓ノーマのブリッジ仲間(ジョーが「ろう人形たち」と呼んでいたw)に、サイレントの喜劇王バスター・キートン!
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ブラックでしゃれにならない映画なので、アカデミー会員に嫌われたらしく、この年のオスカー受賞は、美術(ノーマ邸が素晴らしい)・脚本・作曲(フランツ・ワックスマン)の三部門。
多くの票は「イブの総て」に流れた。
こちらはブロードウェイの内幕ものなので、アカデミーにとってはなまぐささが薄れたのが良かったのかも。

これが 「マルホランド~」に登場した自動車。
1932年 イソタ・フラスキーニ
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プールの死体のくだりは、ブルース・ラ・ブルースが「ハスラーホワイト」でパロディにしてたっけ。

ハスラー・ホワイト [DVD]
トニー・ウォード.ブルース・ラ・ブルース.カヴィン・P・スコット.イヴァー・ジョンソン
(有)エス・アイ・ジー
2003-07-25



007 スペクターPageTopマルホランド・ドライブ

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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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