FAKE

「FAKE」
(2016)


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森達也監督が、”あの”佐村河内氏を撮ったドキュメンタリ。

@ユーロスペース

6月4日公開で7月1日に行ったところ大盛況で、下のホールも使っての2スクリーン上映だった。


2014年、聴覚障害を抱えながら「鬼武者」などのゲーム音楽や「交響曲第1番“HIROSHIMA”」といった作品により「現代のベートーベン」と呼ばれた佐村河内守が、実は耳は聞こえており、作品はゴーストライターの作曲だったと報道される。騒然とする状況で、自宅での撮影に応じた佐村河内は……。


おもしろかった~~!

この映画、見終わって必ず何か語りたくなるというが、まさにそれ!
なんだかいろんなものが胸に渦巻くのだ。

――あなた、私を信じてくれますか?

映画の冒頭、佐村河内氏は森達也にこう言う。
信じていいのかどうなのか?見ている観客も戸惑う。

――信じますよ。そうでなければ映画撮れませんから

映画はほぼ、佐村河内氏が妻・香さんと住む神奈川のマンションの中で進む。
部屋は厚いカーテンが閉められ、暗室の様。
佐村河内氏は目に光が反応するとダメってことらしい。
外出もせず妻と猫との生活。

森達也は香さんの手話を通して佐村河内氏と対話して行く。
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佐村河内氏の耳は本当に聞こえないのか?
作曲は出来るのか?

ことの本質に迫るシリアスな展開なのに、この映画はちょいちょい笑いを挟んで来る。

ある日の夕食のシーン。
佐村河内氏は夕食に全く手を付けず豆乳を何杯も飲んでいる。
むむ?
何か深刻な事情でもあるのかしら?
たまらず森達也が、

――食事食べないんですか?

――僕、豆乳大好きなんで、必ずごはんの前に1リットル飲んじゃうんです。

(場内爆笑)

カメラはファッション誌でおされなスタイリングで変身した新垣さんを映す(場内爆笑)
バラエティ番組で大久保さんに壁ドンする新垣さん(場内爆笑)
新刊のサイン会に突撃取材、森達也との2ショットににっこりの新垣さん(爆笑)

しかし、後日取材を申し込むも事務所が拒否。

一方文春で記事を書いた神山典士(こうやまのりお)氏はこの記事で、第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞。
なんと!森達也がプレゼンターとして登壇。
ところが神山氏は授賞式を欠席。
彼にも後日取材を申し込むも拒否。

佐村河内サイドの弁護士事務所を訪ねる。(とってもリッパなとこ)
弁護士の話では、権利問題は非常にクリアで、楽曲の権利は新垣さんにある。
しかしその他の詳細部分を詰めようとすると、新垣さんは全く話に応じてくれない。
先に進まず我々も困っていると言う。

一連の事件では、告発、謝罪をした新垣さんが「善」で、世間を欺いていた佐村河内氏が「悪」という図式になった。
ところが映画を見ると、今度は新垣さんも甲山氏も「悪」に見える。
森達也は、「今の日本のメディアは(善か悪か)二分法に回収してしまう」と言う。

佐村河内宅にアメリカのジャーナリストが訪ねて来る。
「我々は興味本位ではなく、真実を知りたい」

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このジャーナリストの繰り出す質問が実にシンプルで、かつ本質を突いているのだ。
そうそう!そうなんだよ!
私たちはそういうことが訊きたかったんだよ~!!
という質問ばかり。

――この18年、あなたは譜を書けるように勉強しようとしましたか?
(佐村河内氏は譜が書けない。書ければ自分で作曲出来るのに)

――勉強しませんでした。

”壮大なコンセプト”の「指示書」を見せる佐村河内氏。

――この指示書が実際の楽曲にどうやって変換するのか?
変換するところを見たい。
今ここでモチーフとなるようなものを実際に弾いてもらえませんか?

――この家には楽器がないから無理です。
3年前に楽器は捨ててしまった。

――なぜ?

――家が狭いから置けなかったんです


なんじゃそりゃあ?!? (場内どよめく)

――難聴のあなたが出来上がって来た楽曲をどうやって確認していたんですか?

――手話通訳なしであなたと新垣さんは二人きりでどうやって打ち合わせしていたんですか?



最後に森達也は佐村河内氏に言う。

――守さん
(途中から互いに、守さん、達也さんと呼び方が変わってくるのだ)
音楽やりませんか?
あなたの頭の中には大好きな音楽が渦巻いているはず。
それは外に出たがっている。

音楽から離れてしまった佐村河内氏はどう応えるのか?――


この映画で、クリアになった部分もあるけれど、結局もやもやとする部分は残る。
つるし上げの会見以降の釈明の場として映画のオファーを受けたはずなのに・・・。
もっと本当のところをさらけ出せなかったのかなあ。

香さんはゴーストライターの件は知らなかったというスタンスを取っているが、それはどこまで「知らなかった」ことになっているのかももやもやとする。
妻・香さんが来客の度に、さっき買って来ましたよ~感のゴージャスなケーキを出すのが気になってしょうがない。

ネコちゃんは、出過ぎずほどよいアクセントになっていた。
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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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