パリ 05:59

「パリ 05:59」
(2015/フランス/Paris 05:59/Théo et Hugo dans le même bateau)


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【レインボー・リール東京 第25回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2016)上映作品


今年のクロージング作品は、一貫してクイア映画を撮って来た公私にわたるパートナー、オリヴィエとジャックの「パリ 05:59」です。
今年のベルリン国際映画祭でテディ賞観客賞受賞のニュースに、映画祭でやってくれないかしら。
見たいわあ~と思っていた。
神様、ありがと!



眠らない街パリのある夜、セックスクラブでテオとユーゴーは目と目が合った瞬間に惹かれ合い、その場で情熱的に愛を交わす。
その後、夜のパリをさまようテオとユーゴーであったが――



この作品、冒頭の18分間のセックスシーンが話題になっておりました。
先に見た人たち(@新宿シネマート)から、「す、すごい・・・」と聞いていたので、ビビるところもありぃの、覚悟も出来てたかも。

いわゆるハッテン場のミックスルームで、いろんな男とくんずほぐれつしながら、テオとユーゴは惹かれ合う。
トランスミュージックがずんどこずんどこ鳴り、妖しい照明の中、エレクトした×××に blow job、さらにゴールデンボールまでまるっと。
ここまでの描写って今までの映画祭でもなかったわよね。

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たしかに長い!
ここまで引っ張らなくてもいいんじゃないかしら、とさえ思う。

  冒頭に出てきたステキ☆おやじが気になった ↓
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すっかり意気投合した二人は、クラブを出て夜のパリをさまよう。

――キミの×××はとってもビューチホーだよ。またキスしたい

――ボクもすごくよかった


と、ロマンチックに盛り上がる二人。

ところが・・・

――やっぱりナマは違うよね。サイコー!

というテオの言葉に、ユーゴの態度が変わる。

――なに!? ゴムをつけなかったのか? 
おまえはバカか?!

さっきまでのラブラブな空気は一変。
ユーゴはすぐに、HIVホットラインに電話する。

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状況について行けないテオはボーゼン。

ユーゴはHIV+で治療中だったのだ。
ホットラインはすぐに近くの病院に手配してくれ、「ASE」と言えば話は通じるようになっていると言う。

「ASE」というのは、なんらかのアクシデントで感染した危険性がある状態をいう。
今はすぐに治療を始めれば有効なプログラムがあるらしい。
テオはとりあえず数日分の薬をもらった。

病院からの帰り道
――怒ってる?

テオに尋ねるユーゴ

――いつか社会貢献のために海外に行きたいと思っていたけれど、もし自分がHIV+になったら無理だよね。

今は薬の開発が進んで、HIVは不治の病ではなくなった。
それでも人生のいくつかの選択肢はなくなる。

話し合いながら、キスしながら、ケンカしながら、ケバブ食べながら、二人は夜のパリを歩く。
ここのカメラが美しい。

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そして、テオのアパートにたどり着く――

このとき パリ 05:59

ここから二人のラブは新しく始まるのだった。

===

「愉快なフェリックス」(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2003)上映作品)でも、オリヴィエとジャックは、HIV+のことを描いた。
前述したように、HIVは死に至る病ではなくなったけれど、彼ら二人は切実な問題として捉えているんだよね。

そして、「ヒストリー・オブ・ゲイシネマ」(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2008)上映作品)の中で二人が言っているように、
「私たちの映画を観たゲイの人たちが、ゲイであることに誇りを持って欲しいから」
(彼らの映画では)ゲイは死なない。そして、いろんなことがあっても最後はポジティブ!

常に進化しながらも、彼らの哲学通りの作品だった。

今思うと、見事な「起承転結」だよね。
導入部のハッテン場、クラブを出てからのラブラブシーン、ゴムなしFXXKが発覚し奈落の底へ、新たなラブ☆

しかし、俳優さんってすごいよね。
あんなことやこんなことまでやっちゃって。
あそこまで演じられるものなのか?
彼らはゲイなの?

Imdbを見ると、テオ役 Geoffrey Couëtは、それほど映画出演作がないみたいだけど。
彼の公式サイトに行ったら、演劇畑の人みたい。
ユーゴ役 François Nambot も同様で、「美術」部門の仕事もしてる。 

Geoffrey Couët はとってもチャーミング。ゲイ受けしそう。

↓左から Geoffrey Couët、オリヴィエ・デュカステル監督、一人おいて
 ジャック・マルティノー監督、François Nambot

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上映前のクロージングイベントのゲスト、コミュニティセンターaktaのセンター長マダム ボンジュール・ジャンジさんが、ASEのことについて言ってた。
日本でもこのプログラムを受けることが出来るけれど、保険適用外なので20数万円くらいかかるとのこと。
この後、発症→治療のことを考えたら、国としたら予防にお金をかけた方が有用だと思うけど。
保険適用だめですかね。

関連記事:
オリヴィエとジャック監督作品
[愉快なフェリックス]
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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