AMY エイミー

「AMY エイミー」
(2015/UK+USA/AMY)


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2011年に27歳の若さで亡くなった歌手エイミー・ワインハウスの知られざる素顔と波乱の人生を追ったドキュメンタリー。
監督は、アシフ・カパディア(『アイルトン・セナ ~音速の彼方へ』)。
第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作品。

7月16日公開。やっと行ってキタ!
公開から1ケ月経ってもなお、なかなかの入り。
シニアの方々も多く、意外な観客層。

@角川シネマ有楽町


2003年にデビューアルバムをリリースしたエイミー・ワインハウスは、他を圧倒する歌唱力と歌声で一躍トップスターの仲間入りをする。第50回グラミー賞では年間最優秀レコードをはじめ5部門で受賞するなど大成功を収めるが、2011年に27歳の若さでこの世を去る。華々しいキャリアの一方、スキャンダラスな私生活にもフォーカスされる機会の多かった彼女の知られざる真実を、これまでに公開されたことのない映像などで振り返る。

お盆休みのこの日はもんげー暑さで、オリンピック疲れもありけっこへろへろで有楽町へ。
角川シネマを目指す途中、マリオンで「ターザン」を見ちゃおうかな~と一瞬心が揺らぐ。
いやいや、「ターザン」はいつでも見られる!
初志貫徹!「AMY エイミー」へ!!

しかし、角川シネマへ歩きながら、
チロル、アルバムを一枚買ったくらいでそんなに強い思い入れがあるわけでなく、そんなんでも見て楽しいかな??
と思ったとです。

映画が始まって、それは全くの杞憂だとわかった。
なぜなら、エイミーを知らない人でも、映画の中で彼女の歌を聞けば彼女が素晴らしいシンガーだとわかるから。
見ている観客は、類まれな才能を持った彼女に魅了されるから。

物語は、エイミーの生い立ちを描く。
幼い時にパパはよその女のところに行ってしまった。
パパに捨てられた、愛されなかったことが、生涯彼女の心に影を落とす。
複雑な家庭環境の中、早く家を出たかったエイミーは、十代でレコード会社と契約を結ぶ。

――彼女の歌は、十代なのに、老成したそれだった。

この時レコード会社の社長が彼女をこう表した。

言い得て妙で、まるでブラックのベテラン歌手、ブラックのおばさんのような迫力を感じた。
それでもこの時はまだぽやぽやとした顔立ちで、彼女にもこんな時があったんだ・・・としみじみ。

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20歳のデビューアルバム「FRANK」に続き、セカンドアルバム「BACK TO BLACK」が世界1200万枚のセールスを記録。

Frank
Amy Winehouse
Universal Import
2003-12-23



Back to Black
Amy Winehouse
Republic
2007-03-13



この時エイミーの友人、モス・デフがエイミーと会った時のことを語る言葉が興味深い。

――突然ビッグスターになっちまって、どんだけ天狗になってるかと思ったら・・・。
彼女はおびえてた。どうしたらいいか途方に暮れているかんじだった。


弱冠23歳で ビッグスターに!
イコール いろんなものを背負うということだよね。
すでにビッグビジネスが動き出し、もはや抜き差しならない状態になっていく。

「わたしは、ただ歌いたいだけ」


そして、ブレイク・フィルダーとの結婚。
ブレイクとエイミーは自傷癖のある似たもの同士。
それがエイミーには居心地がよかったのね。
このクソ男のせいでエイミーはすっかりドラッグの底なし沼にはまって行く。

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さらにもう一人のクソ男の登場だ。
エイミーが大好きなパパ、ミッチ・ワインハウスがしゃしゃり出て来て銭ゲバ合戦。
しかしエイミーはパパには逆らえない。
幼い時与えられなかった愛を今取り返していると思っているのか。

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エイミーは、ブレイクにもパパにもある種の依存症になってると思った。
自分に害を及ぼすだけなのに、刹那的な愛が欲しかったエイミー。

身内二人のクソ男のせいで、エイミーの心身はボロボロに。
リハブの入退院を繰り返す。
その間にもパパラッチが常にエイミーを狙っている。

現代のスターというのはつらいわよね。
常に大衆の目にさらされ、面白おかしくニュースに取り上げられる。
エイミーはさらに疲弊していく。

かつてゴシップニュースで何度も見た、エイミーのカムデンのアパート。
黒い鉄格子の門に、奇妙ななつかしささえ覚えた。
私もエイミーの死に手を貸した一人かも知れないという苦い思いがこみ上げた。
あの時エイミーの反対側にいたのに、この映画を見るとエイミーと同じ岸にいる自分がいる。

彼女をデビュー前から支えた元マネージャー、ニック・シマンスキーは、誠実ないい友人だった。
すでに早い段階で彼女がヤバい状態にあった時、彼はリハブに入れようとした。
ところが、パパミッチが入所させる必要ない、自分たちがケアすると主張。
あの時何とかしていれば・・・とニックは悔やむ。

そうだよね・・・と見ていて思ったけれど、結局どうにもならなかったよ、ニック。

エイミーは、過食症とドラッグ中毒とアルコール依存症の三重苦だったんだもの。
あのままショービジネスを続けていくには、エイミーは繊細すぎたのよ。
ゴシップニュースの中のエイミーはとんでもないヤツだったけど、実際の彼女は、なんだかほっておけないような存在なんだよね。

グラミー賞の授賞式にプレゼンターとして、ナタリー・コールとトニー・ベネットが出て来た時のエイミーの顔が忘れられない。
あんなすばらしい瞬間があったのに。

とても美しくかけがいのないものが壊れてしまった。

むなしく、悲しく、せつない。

もうエイミーの歌を聴くことは出来ないのだから。

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アカデミー賞受賞も納得。傑作ドキュメンタリ。

===
今、Imdbでモス・デフが、「16ブロック」  「キャデラック・レコード」の、”あの”モスデフとわかってビックリした!
俳優の時の役がまぬけっぽかったから全然結びつかなかった。
リアルのモスデフ、Common みたいで、超かっちょぶ~だったぞ~(Common は言い過ぎでした、はい)

海月姫PageTopミステリアス・スキン

Comment

subjectつけられない

彼女の強烈な歌唱力に魅了されたけど、ヒット曲をダウンロードしただけの、わい
特ダネでデーブが、彼女を絶賛し、そしてアルコールとコカインの中毒者であり、路上で倒れている写真掲載等して残念がる
その後死亡と伝える、、、そんな程度の認知しかしてなっかたのね

もう衝撃過ぎて震えるばかりですよ
歌と愛に生きたと誰もが同じコメントをしてるのよ
終盤アルコールと薬による、痩せこけた人間とは思えぬ般若の様な顔でほほ笑むAMYの数枚のショットには涙が出たわ

クソ男二名(ジャズ的要素満載)がいたからこその、名曲、悲しすぎるわね
幼き頃は可愛くて、未来に希望を馳せていたのに
でも全てが不幸だったとは言い切れない

AMYの死に対して何が悪いということほどむなしい事はなく、それが彼女の悲しい運命だったとしか言いようが無いのです

■けんちゃん

> 彼女の強烈な歌唱力に魅了されたけど、ヒット曲をダウンロードしただけの、わい
>そんな程度の認知しかしてなっかたのね

チロルも含めて、おそらく多くの人はそんなかんじだったと思うよ。

> もう衝撃過ぎて震えるばかりですよ
> 終盤アルコールと薬による、痩せこけた人間とは思えぬ般若の様な顔でほほ笑むAMYの数枚のショットには涙が出たわ

ほんと、見ながら涙出るよね。

> でも全てが不幸だったとは言い切れない
> それが彼女の悲しい運命だったとしか言いようが無いのです

それこそが彼女への慰めになると思う。
これからの世代の人も、かつて偉大だシンガーがいたことをこの映画で知ることもありましょう。
この映画自体が、彼女への大きな慰めとなりました。合掌

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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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