カミング・アウト

「カミング・アウト」
(1989/東ドイツ/COMING OUT)


comingout01.jpg

【東京ではひそかにこんな映画もやってたのね】 シリーズ その3

「DEFA70周年 知られざる東ドイツ映画」
@東京国立近代美術館フィルムセンター

旧東ドイツ唯一の公式映画製作機関として、1946年から1990年までの間に7000本以上の劇映画、アニメーション、ドキュメンタリーやニュース映画を製作したDEFA(Deutsche Film Aktiengesellschaft)。フィルムセンターでは、DEFA創設70周年にあたる今年、日本で初めての本格的なDEFA回顧上映を開催(2016年11月29日-12月25日)。

DEFAが唯一同性愛を正面から描いた劇映画ということで見てみました。
監督: ハイナー・カーロウ


若い教師フィリップは同僚教師ターニャとつき合っていたが、ある日”たまたま”入ったゲイバーでマティアスと出会う――

当時の東ドイツでのゲイを取り巻く状況がどんなもんだかはわからない。
とはいえ、こんな映画を作っちゃうんだから、たいしたたまげた!エラい!
この企画がよく通ったね。

フィリップは自分の心に封印して来たんだけど、マティアスに出会い本当の愛を知る。
マティアスも同じ気持ちで、二人は愛し合う。

フィリップはターニャに「しばらく一人になりたい」と手紙を残す。
しかし、ターニャが妊娠しているのでは?ということになり、フィリップは父親になろうと決意する。

→父親になる=家庭を持つのが大切なことだった時代なのかもなあ。
それはいいけどさ、マティアスを放置しておいたのはひどい!

マティアスは幸福の絶頂にいたつもりが、フィリップと連絡が取れない。
探し回ってやっと会えたところで、ターニャを「僕の妻」と紹介される。

ショックを受けるマティアス。

一方ターニャの方も、二人のただならぬ空気を感じフィリップに問いただす。
フィリップは真実を語る。

怒るターニャ! (コワい・・・)

今度はフィリップがマティアスを探し回るがみつからない。
二人が出会ったゲイが集まる店に行くと、
「この店では誰も互いの本当の名前も住所も知らない」
と言われる。
失って初めて、マティアスの存在の大きさを悟ったフィリップなのだった。

さて、映画の冒頭、救急病院に一人の男が担ぎ込まれる。
薬を飲んで自殺を図ったようで、スクリーンでは延々と胃洗浄のシーンを映す。
ええ~ マジ?
おえーっ!てやってるとこさんざん見させられてもチロルこまっちゃう!
ここまでやる必要あるわけ?ってかんじだった。
これが東ドイツ的演出なのか?

この冒頭のシーンは、どうやらこの部分にはまるシーンとやっとわかった。
このおえーってやってた男こそマティアスだった。

フィリップはやっとマティアスを見つけ出すが、マティアスに拒絶される。
そりゃ、已む無しだな。

マティアスを探している時、フィリップは店の常連のじーさんに打ち明ける。
――僕は教師なんだ。
ゲイの教師・・・この先どうなるんだろう。怖いんだ


この言葉が当時の多くのゲイの本音なのだろう。

セルロイド・クローゼット」 の中で、「この時代のゲイは映画の最後にみな死ぬ」と言われた。
覚悟して見ていたけどこの映画では、誰も死にまっしぇん!(by武田鉄矢)
ハリウッドではそうだけど、東ドイツではその伝ではないってことね。

ところで・・・

事前に読んだフィルムセンターの作品解説:
――若い教師が美少年と運命的な出会いをする・・・

美少年、美少年、美少年・・・ 

いやいや、期待は禁物。
と思いながら、心の隅にちらっと期待もありぃの。

・・・
・・・

美少年の基準は様々です。

comingout02.jpg


それを考えるとやはり、美少年の代名詞 「ベニスに死す」 のタジオは奇跡のような存在とまた実感。
いや、タジオのおかげで美少年のハードルがぐーんと上がったことはたしか。

マティアス捜索中にフィリップは、ふらふらと初めてハッテン場(公園)に行き、行きずりの男と寝る。
ちょい役のこのメンズの方がよっぽど美形だった!

===
Imdbにこの映画のトリビアがあった。
この作品は、ベルリンの壁崩壊の1989年11月9日に公開された。
途中で上映が中断し、観客は劇場側から今外で起きていることについて知らされた。
しかし、大多数の観客は外の騒ぎに加わる前に、続きを早く見せてくれと要求した。

VIVAPageTopThe Actor and The Model

Comment

まったくだ~

>当時の東ドイツでのゲイを取り巻く状況がどんなもんだかはわからない。
とはいえ、こんな映画を作っちゃうんだから、たいしたたまげた!エラい!
この企画がよく通ったね。

ほんと!!
今回の上映作品をみても、これがかなりのチャレンジだったと思う~。

>美少年の基準は様々です。

女の人が強く、マティアスが美少年とは、
やっぱ、基準が違う。
ドイツではダークヘア、ブルーアイの美少年が人気なんだったかな?
ダークヘアではあったけど……

■アンソニーさん


> 今回の上映作品をみても、これがかなりのチャレンジだったと思う~。
DEFAって映画なら何でもありみたいなバラエティがあるよね。
東ドイツなのに多様性を感じるよ。

> 女の人が強く、マティアスが美少年とは、
> やっぱ、基準が違う。
そうそう、”鉄の女”みたいだったよね(笑)

> ドイツではダークヘア、ブルーアイの美少年が人気なんだったかな?
> ダークヘアではあったけど……
自分たちがブロンド系だからかな?気持ちはわかるナ
彼は年取ってからの方がいいかんじだね。
TBありがとう!

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【1989年】  東ドイツ 東京国立近代美術館フィルムセンターで上映中の DEFA70周年 知られざる東ドイツ映画『coming out』を見てきました。

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Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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