「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
(2016/MANCHESTER BY THE SEA)
「美女と野獣」祭りも終わったところで・・・。
マット・デイモン製作、ケネス・ロナーガン監督がアカデミー賞脚本賞、ケイシー・アフレックが主演男優賞受賞。
5月13日公開。やっと見た。
@シネスイッチ銀座
↑ここの金曜レディースデイは950円!他にないよね!
ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リーは、兄ジョーの急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリックの後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。以前ある映画評論家が言っていた。
「俳優がアカデミー賞を獲るには?」という問いに、
「必ずしも演技がうまい人が獲るわけじゃない。それなら毎回メリル・ストリープが獲っちゃう。
(受賞は)役と俳優がぴったりはまった時」この作品を見ながら、その言葉がずーーと頭の中をぐるぐるしていた。
リーはダメ男よ。
無愛想で酔っぱらうと人を殴っちゃう。
リーがそうなってしまったのは過去のある事件によるもの、というのはおいおいわかって来るんだけど・・・。
にしたって、言い訳にならないでしょ。
ダメダメなリーとケイシー・アフレックがシンクロしちゃって、これって演技なのか、ただこいつの”素”じゃねえのか?
現在と過去を行きつ戻りつ、シーンが交錯する。
その見せ方がいいんだよね。
過去のシーンがあって、パトリックはリーおじさんになついていたのがよくわかるし、リーもパトリックを可愛がっていたのね。
今のすさんだ日々とかつて幸福だった日々の対比よ。

そして元妻との再会。
こういう役はミシェル・ウィリアムズの持ち味だよねえ。
泣きながら、ごめんなさい、という元妻に、何も言えないリー。
このシーン良かったなあ。

チロルも ごめんなさい、見る前は退屈な映画と勝手に思っていたけれど、全くそんなことなかったの。
パトリック役ルーカス・ヘッジスくんは、3年後にはリッパなイケメンになってることに期待☆

さて、今年のアカデミー賞授賞式、主演男優賞のプレゼンターはブリー・ラーソン。
受賞者の名前を見て顔が曇った。
ブリーがケイシーを祝福しなかったことがニュースになった。
というのは、ケイシーは2010年、セクハラで二人の女性から訴えられた件があるから(後に示談)。
ブリーは
「ルーム」(2015) で性的虐待の被害者を演じたことで、同じような被害者を支援する活動をしているのね。
で、授賞式での反応になったわけ。
演技は演技として認めるべきなのか?
セクハラ野郎として断罪すべきなのか?
悩ましいところです。

この作品、もともとはマット・デイモンが、製作、主演を兼ね監督デビウ作として構想していたが、スケジュールの関係で脚本を担当していたロナーガンが監督することになったというエピソードあり。
いやいや、これ、マット・デイモンの役じゃないでしょ。
マット・イモ・デイモンじゃ、ダメダメ感出すの無理な話よ。
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さて、マット・デイモン&アフレック兄弟といえば、ボストンのマブダチであります。
今回は、リーはレッドソックスではなく、NHL ボストン・ブルーインズファン設定。
でも回想シーンで、兄やパトリックと釣りに行き帰宅した時かぶっていたキャップはレッドソックスのだったと思うのね。
ちらっとしか見えなかったけど。
レッツゴー レッドソックス!!