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麗しのサブリナ

「麗しのサブリナ」
(1954/SABRINA)


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お盆休みの中、例によって何のプランもなく。
普段行けない朝十でも行ってみっかと見て来ました。
あらあら、朝十は年に一度ペースだべ。
前回は昨年見た「アパートの鍵貸します」。
「アパート~」に続いて、ビリー・ワイルダー監督作品。

@TOHOシネマズ日本橋

ビリー・ワイルダー作品はひと通り見てるしぃ~、今更だよなあ。
といささかマイナス思考で出かけて行きましたら、
とっても良かった・・・。

チロルちゃん、クラシック作品は、むか~し見たのは見た内にカウントしないって、これまで朝十を見て来て学習したはずじゃないの⁉
おねえさま(え、だれ?) そうでしたわ。チロル、全く忘れておりましたわ。ごめんあそばせ。

内容も忘れているし、大きいスクリーンで見ると印象が違う。今の時代の目線で見るとまた違う見方が出来る。
名画は一粒で二度も三度もおいしいのでしたわ。

富豪のララビー家のお抱え運転手の娘サブリナは、ララビー家の次男デヴィッドにずーっと憧れていた。
娘の身分違いの恋の行く末を心配した父は、娘をパリに送り出す。
2年後、サブリナはすっかりソフィスティケートされたレディになって帰国する。
今までスルーしていたのにデヴィッドは彼女にすっかり夢中になる。

冒頭で、デヴィッドがほんとーーにどうしようもない男というのが観客にすっかりわかる。
”小娘”のサブリナは、まあこういう男を「ステキ!」とか思っちゃうんだろうなあ、とおばはん目線。

デヴィッドを忘れるためのバリ行きだったのに、デヴィッドへの思いは相変わらず。
外見だけはレディになったけれど、中身は何も変わってないってことざますね。
もっと男を見る目を養ってきたかと思っていたのに。

コングロマリット、ララビー家を動かしているのは、長男のライナス。
結婚もせず仕事が生きがいのカタブツ。
今回新しい事業を始めるため、デヴィッドと取引先の令嬢との結婚を勝手に決めてしまった。
ライナスはよく言えばやり手、悪く言えば、ビジネスの為に手段を択ばない男。
ところがデヴィッドは、フィアンセそっちのけでサブリナにうつつを抜かしている始末。
危機感を抱いたライナスは、弟から彼女を遠ざけるため、弟の代わりに彼女をデートに連れ回す。
ララビー家にとって、彼女は”悪い種子”。
だけどライナスは自分が彼女を愛し始めているのに気づき・・・。

例によって、ビリー・ワイルダーの脚本の妙を楽しむとするか。
ふふん、こんなディテイルにこだわっとるな・・・というのが随所にあり一人ほくそ笑む。

今回見ておもしろいと思ったのが、サブリナがパリで入学したコルドンブルー。
生徒たちは実に多様性がある。
女性だけでなく男性も何人かいるし、ヒスパニック系もアジア系もいる。
この時代こんなに多様性のあるメンバーって珍しいのでは?
パリはコスモポリタンの街ってことを言いたいのかしら。
高齢の男爵もいるのだ!

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ライナスはサブリナをデートで観劇に連れて行く。
「二人で【七年目の浮気】を見たんだ」
というセリフあり。
「七年目の浮気」は、ジョージ・アクセルロッドのブロードウェイ劇。
もちろん、ビリー・ワイルダーの次の作品→’55年

七年目の浮気(特別編) [DVD]
マリリン・モンロー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)
2012-08-03



印象に残るセリフあり。
終盤サブリナの父親は身分違いの恋をしている娘に言う。
――万が一、おまえがララビーと結婚したとする。
世間は身分違いの結婚をしたララビー家を”民主的”ともてはやすだろう。
でも称賛されるのはララビー家だけ。
運転手の娘のことは誰も気にかけない。



チロル、オードリー・ヘプバーンに特別思い入れがあるわけではないのだけれど、ほんとに魅力的だったわ。
今回の衣装は、チロルが大好きなイデス・ヘッド女史が担当。
帰国してからのドレス(3着)をジバンシーが提供しているのね。

帰国して駅に降り立った時の「ジャジースーツ」

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ララビー家のパーティでのホワイトストラップレス・ボール・ガウン「サブリナドレス」

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ライナスとのデート 「リトル・ブラック・ドレス」

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この映画のキモはサブリナがいかに変身したかにある。
パリに行く前のサブリナはカワイイけどあか抜けない。
この部分があってこそ、この後のジバンシーのドレスが活きて来る。
また、ポニーテールをしていたサブリナは、コルドンブルーで親しくなった男爵のアドバイスでショートヘアにイメチェン。
この流れは、前年の「ローマの休日」と共通するものあり。
細部にわたって映画全体を見通したイデス・ヘッド女史のコンセプトが利いている。


撮影中にやって来たウィリアム・ワイラー監督(右)とビリー・ワイルダー(左)に囲まれたオードリー

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↑ このオードリーの衣装は、ライナスとクルージングに出かけた時のもの。
チェックシャツと白いショートパンツは、すごくヘッド女史らしいコーディネート(スキ!)
このシャツとか今の frank&eileen みたい☆

ライナスのオフィスを訪れる時の黒のコートもすごくステキ!
これもヘッド女史らしい。

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ヘッド女史はクレジットにジバンシーの名前が連なるのを拒否した。
クレジットにジバンシーの名前が全くなかったのはそういうことか。
たしかに女史にしたら、ジバンシーはドレスを提供しただけ、という思いがあったでしょうね。
→ 女史はアカデミー賞衣装賞受賞!!

久しぶりに「ワイルダーならどうする」を引っ張り出してみた。
キャメロン・クロウは、「サブリナ」の衣装についてワイルダーに聞いている(グッジョブ!)

――ジバンシーにオードリーの衣装を任せたんだが、彼は最高峰の一人といっていい。
オードリーは彼に惚れ込んでいたし、二人は大親友だった。
オードリーの趣味は一級品だった。スターとしての品格があった。

――リメイクのサブリナの衣装と見比べてみるがいい。
リメイクの方はまるでなっちゃない。


→ ワイルダーは、シドニー・ポラックによるリメイク版「サブリナ」('95)がお気に召さず、事あるごとにけちょんけちょんに言うのだったw
キャスティングは、ジュリア・オーモンド、ハリソン・フォード、グレッグ・キニア
むか~し見たけれど、完璧な完成品を何のためにリメイクしたのか理解に苦しみました。
唯一グレッグ・キニアのキャスティングはぴったし!と思うけろ。

↓このジャケひど~~い!いくらジュリア・オーモンドがクソ!だからって、
タイトルロールの女優の顔が全然写ってない(笑)

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パラマウント ジャパン
2005-03-25




ついでに他のエピソードも:
――「麗しのサブリナ」に取りかかる時、私の求めていたのはケイリー・グラントだった。
「よし、ケイリー・グラントでいこう」は私の口癖だった。
(グラントに断られ)「じゃあ、ウィリアム・ホールデンより年かさでハンサムじゃない俳優で行こう」


ってことで、ハンフリー・ボガートに決まったのだった(笑)
ライナス=ケイリー・グラントはちょっと違うと思うし、彼だとホールデンとキャラがかぶるというか、コントラストが出ないよね。

この映画でのハンフリー・ボガートに対するワイルダーの話は、いつものワイルダーの毒舌&皮肉をさらに上回るもので、ボギーファンは知らない方がいいです。チロルもここでは割愛。
毒舌のワイルダーでも、オードリーに関しては愛情いっぱい。
彼がオードリーを大好きだったことも、オードリーがいかに素晴らしい女性だったこともよくわかるのでした。

ワイルダーが脚本に行き詰って、1ページ半しか撮影するところがない時、オードリーのところに行き、
「セリフをとちって欲しい。間違えてほしい。頼む。なんとか助けてくれ」
「やってみるわ」
その日彼女は「頭ががんがんする。少し休ませて」と横になり、時間稼ぎをしてくれたというエピソードは、読んでいて泣けちゃう。ええ話や。




===
昔見た時は何も思わなかったけれど、今見るととツッコミどころあり。
運転手の娘であるサブリナが、パリのコルドンブルーに入学する資金はどこから出ているのか?
昔はコルドンブルーなんて無縁の世界だったけれど、現代ではそうではなくなった。
木嶋佳苗がコルドンブルー日本校に通っていた時、学費を援助してくれる男性があまりの金額にビビるということがあった。
その時野次馬根性で調べたことがある。たしかにけっこうな額だった。
しか~し、木嶋佳苗が通ったのは日本校であり、たしかお菓子単独コースだった。
今回サブリナが通ったのは、パリの総合コース(料理もお菓子も習得)。
これも調べてみると、コルドンブルーに通うには、学費と住居費その他を含めて年間500~600万円必要とわかった。(もちろん今の時代で換算してだけど)
これが2年間。さらに渡航費もかかる
しかもサブリナはパリにいる時、ゴージャスなドレスを何着も購入している。
ま、いいや。野暮なことはなしよ。

===
Imdbのトリビアによると:
この映画の撮影中、オードリーとウィリアム・ホールデンは恋に落ちた。
しかしオードリーは彼との子供は持てないと後に別れた。
ってどいう意味?と思ったら、この時ホールデンは妻子があったんですね。

【 追 記 : 2017/09/16  】


ホールデンが病気のため精管切除していた、というフィジカルな問題でした。

===
”鉄の男”ライナスが恋に落ちて行く様が萌え萌え~☆
ララビー兄弟とサブリナの三角関係は、BLでよく見る展開だよなあと見ながら思った(笑)
BLの場合、兄のライナスは絶対メガネキャラなんだけどね。

ディーン、君がいた瞬間(とき)PageTopゾンビスクール!

Comment

来年は近くでやって欲しい

こんにちは。
午前十時の映画祭、観たい物はいっぱいあるんですけど、我が家からはどこもアクセスが良くないんですよ。
以前「七人の侍」を電車で観に行ったら、途中乗車率200%超えの区間がありまして。
ドアにへばりつきながら、映画観に行くのにこんな思いするなんて絶対ヤダ!と思った次第です。
もうちょっと近くでやってくれないかな〜。

「サブリナ」は旧作はサブリナが主人公ですけど、新作はライナスが主人公になっているように感じて私は新作の方が好きです。
ハリソン・フォードってこんなにセクシーだったのかぁと思いましたもの。

■ケフコタカハシ さん

コメントありがとうございます。

> 午前十時の映画祭、観たい物はいっぱいあるんですけど、我が家からはどこもアクセスが良くないんですよ。
わかりますよ~ 私も六本木の時、けっこめげてました。
朝10時つうところもつらいですよね。すごく焦る。
それはさておき、「七人の侍」を大スクリーンで観たら、さぞ大迫力だったでしょうね。

> 「サブリナ」は旧作はサブリナが主人公ですけど、新作はライナスが主人公になっているように感じて私は新作の方が好きです。
> ハリソン・フォードってこんなにセクシーだったのかぁと思いましたもの。
え、そんな展開だった?全然記憶にないっす(汗)
とにかくジュリア・オーモンドがイモって印象しかない(そうでもなかった?)

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