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欲望のあいまいな対象

「欲望のあいまいな対象」
(1977/フランス+スペイン/CET OBSCUR OBJET DU DESIR)


欲望のあいまいな対象 [DVD]
フェルナンド・レイ
東北新社
2001-01-30



げに恐ろしきは女なり。

というルイス・ブニュエルの2作品を観ました。
まずはこちらから。
ブニュエルじーさんの遺作です。

いつも、あれ?これ観たんだったっけか?となるチロルですが、これに関しては、観たことをはっきり覚えている。
なぜなら、
オヤジを振り回す魔性の女の役を二人の女優がやっているという奇妙なものだったから。
一人二役というのはよくある。今回は二人一役。

それってのは、その役の二面性を表しているってことかしら?と考える。
たしかにキャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナは正反対の女優。
片や白い薔薇、片や赤い薔薇といった風情。
ところが見始めると、そんな意図は全く感じられず、単にブニュエルがやりたいことをやっただけってかんじ(笑)
観る者を困惑させたいというブニュエルのギミック。

役のギミックだけでなく、お話も奇妙なものだった。

セビリアの駅。発車を待っている列車。
ホームに駆けつけた女の目には青あざ、額には絆創膏。女が列車に乗り込もうとすると、乗っていた男がバケツの水を女にぶちまける。

objet06.jpg


コンパートメントの乗客たちに男は、「あの女は悪魔なんです」と言う。
バケツの水をかけられるほどひどいこと・・・女は一体何をやったのか? 
男は話し始める――

objet03.jpg


満点の導入部!!他の乗客たちと同様、すっかり引きずり込まれた。

ある日マチューが邸に帰ると、新しい小間使いコンチータがいた。
その夜マチューは下心ありありで、彼女に寝酒を運ばせる。
マチューが迫ると、彼女は微笑みながら、「もう帰らないといけないわ」と言い帰って行った。

↓キャロル・ブーケが美しい
objet01.jpg


昨夜はまんざらでもない感触だったと、マチューが翌朝目覚めると、コンチータは邸を辞めていた。
その後、旅先のスイスで偶然コンチータと再会する。彼女はパリのアパートの住所を教えてくれた。
帰国してソッコーアパートを訪ねると、彼女は母親と二人暮らし、生活に困窮していた。
マチューは親子を援助し、食料なども差し入れた。
マチューは彼女に夢中で、毎日のようにアパートに通った。
二人きりの時彼女に迫ると、
「私はそういう女じゃないの。私は“モヒータ”よ」
「“モヒータ”って?」
「“処女”よ」
マチューはいわゆるひとつの 鼻血ブー状態!(死語)

つーか、「モヒート」ってそいう意味だったの⁉
→ モヒートの語源は、スペイン語のmojar (濡らす)に由来するとされる

どうしても彼女を手に入れたいマチューは母親に金を渡し、彼女を邸に連れてきて欲しいと頼む。
指定した日時に彼女は現れず、手紙が届けられた。
「私を金で買うなんて!愛していたのに。許せない」
翌日アパートを訪ねると、親子はすでに引っ越した後だった。

という、ブニュエル得意の「反復」ともいえる「またかよ!」なエピソードが続く。
この後も、あるカフェで再会→デート→郊外の別荘に誘う→「私、そこであなたの愛人になるわ」→キタ~~!→ところがその夜、彼女は貞操帯を着けていた!
さすがのマチューもこの仕打ちにさめざめと涙を流す。
コンチータ 「愛しているなら、私を尊重してほしいの」

果たして彼女が“モヒータ”なのは本当なのか!?
一方、物語の冒頭から正体不明のテロ事件が連続して起きる。
パリの街は不穏な空気で包まれている。

そんな中、親子は国外退去になり、故郷セルビアに。
彼女を忘れられないマチューはセルビアへ。
再会を喜ぶコンチータ。
彼女はフラメンコダンサーとして働いていた。

objet05.jpg


ところが裏で観光客相手に裸でフラメンコを踊るところをマチューは目撃。
怒ったマチューは仕事を辞めさせ、家を買ってやる。

彼女名義の権利書を渡したところで、彼女は豹変。
「あんたなんて大嫌い!いい年して気持ち悪い。ずーっと我慢してたけど、やっと家が手に入ったわ」
と彼を罵倒。
そして、彼の目の前で、若いボーイフレンドとおっぱじめるのだった。

次の日、マチューの部屋に現れたコンチータは、
「あなたの愛がわかった。あなたを試したの。あれはうそ。私はまだ“モヒータ”」
マチューは彼女を殴り倒し、パリに帰るべくセビリア発の列車に乗ったのだった。

これは水をぶっかけられてもやむなし。
そして衝撃のエンディング。
究極の「焦らしSMプレイ」の映画なのだった。
やっぱりブニュエルはゴイス!!!

↓二人のコンチータと
objet04.jpg

この後、6年後の1983年、メキシコで亡くなった。享年83歳。

===
メークアップ協力はディオール。衣装提供はクロエ。
キャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナは、同じ衣装を着ているけれど、それぞれに少し違う着こなしなのもおもしろい。

哀しみのトリスターナPageTopサイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド

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Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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