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セックス・チェック 第二の性

「セックス・チェック 第二の性」
(1968/大映/The Sex Check)


セックス・チェック 第二の性 [DVD]
安田道代
角川エンタテインメント
2006-08-25


この作品は、尊敬する増村保造先生の監督作品で、ずーっと気になってました。
12月 渋谷ユーロスペースで 「映画祭 スポーツの光と影」 日大芸術学部映画学科 が開催されます。
「日大生、映画でスポーツを考える」 として国内外のスポーツ映画を上映。
その中の一本がこれ。映画祭の前に辛抱たまらず観てしまいました。
原作は寺内大吉の短編小説「すぷりんたあ」(「オール読物」所載)
↑なつかすぃ~名前
劇場公開日 1968年6月1日

戦争により、オリンピックの夢をあきらめたスプリンター宮路は、南雲ひろ子の陸上の才能に目を付け、自身がコーチを務める陸上部にスカウトする。
「勝つためには男になれ」と南雲を男に近づけ猛特訓を強いる。
しかし、大会前のセックスチェックで南雲は半陰陽と診断されてしまう――

なんだかエロスなタイトルに腰が引けてたけど、なんとなんと 女性アスリートのIS(インターセックス)問題を扱っていたのよね。50年前にこの問題を取り上げるとわ!ゴイス!と思ったものの・・・

今見ると、むちゃくちゃでござりまするがな なことの連続。
もっともこの時代の認識としては致し方ないのかも。

「女を捨てて男になれば運動能力が上がる!毎日ヒゲを剃れ。その内ヒゲが生えてくる」――めちゃくちゃでござりまするがな。なんにせよ、ひろ子の記録はどんどん伸びた。
二人は社宅の一室で生活も共にする→今なら完全アウト!

安田道代の体当たり演技にあっぱれ!
緒形拳 なにもかもが濃ゆい・・・(ちょっと苦手かもだ
check01.jpg



そんな中、協会関係者に一度セックスチェックを受けとけよ、と言われ受診すると・・・

check03.jpg


協会の嘱託医峰重(滝田裕介)は宮路の旧友だった(二人の間にはいろいろワケアリ)。 
ひろ子は男女両方の性器がありいずれも未発達、半陰陽と診断を下す。ひろ子の競技生活は絶たれた。
ひろ子は生理が一度も来たことがないという。ひろ子自身も自分は何者かずっと知りたかったのだ。



失意のひろ子に宮路は「俺がひろ子を女にしてやる」と言い、二人は激しくまぐわうのだった。
連日のまぐわいの後、ひろ子に生理が来る。
喜んだ宮路は峰重の元を訪れ「ひろ子は女になった」と言い、峰重の前でまぐわうのだった→ ありえねえ~
今一度診察すると、ひろ子には内部に卵巣があり疑半陰陽で、前のは誤診だったと峰重は「女性証明書」を書く。

check04.jpg


晴れて「女性」として大会に出場したひろ子。
しかし、「女」となったひろ子は凡庸な記録しか出せなかった。
宮路は言う。「女にしすぎたんだよ、女に」 <完>


さて、峰重先生はどんな診断をしたのかしら。
アスリートのセックスチェックについてさくっと調べてみた。
最初(1930年代)は身体的特徴、’60年代には染色体検査、今はホルモン=テストステロン検査となっている。
峰重先生は身体的特徴、一度目は外性器、二度目は内性器で判断したということか。

「IS」については、ドキュメンタリー映画「インターセクション」(2013年東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)、そして橋本秀雄の著書[男でも女でもない性・完全版―インターセックス(半陰陽)を生きる]で、「IS」が奥深い問題とよくわかった。(ISに関しては「男でも女でもない性」に詳しいのでおすすめでっす)

ISはその人それぞれに多様性があり、時間とともに変わって行くこともある。なので、ひろ子にホルモンバランスの変化が起きてもおかしくない。とにかく人間の体というのは実に複雑に出来ているのでした。

ISは2000人に一人いるとされるが、アスリートはさらに高い確率で存在するという。
最近では南アのアスリート、セメンヤ選手が話題になった。
女性として競技に出るためにはホルモン治療でテストステロンの数値を一定以下に下げないといけない。
健康体なのになぜ不要な治療を受けなければならないのか。ありのままの自分でいてはいけないのか。
一方、同じ競技に出場する他の選手にとっては、フェアじゃない感を持つのも已む無しと思うのだった。
考えさせられる。悩ましい。
===
寺内大吉は作家、スポーツ記者、僧侶といろんな顔があった。
チロルが毎週見ていたキックボクシング(沢村忠司が出てたヤツ)の解説でもあった。こんな話も書いていたのね。

LORO 欲望のイタリアPageTop

Comment

問題作すぎる問題作

出た!
私がこの映画を見たのは、恐らく30年以上前だと思います。
大楠道代が安田道代だった時代に出たトンデモ映画という知識を持って観たと思います。
ヅィゴイネルワイゼンがヒットした頃かなあ。

ひたすら安田道代の女優根性に圧倒された記憶がありますが、ISという言葉もない時代、これはポルノ映画なのか?いったい何なんだと困惑したと思います。
今でもアスリートの性別の話題になると、この映画を思い出します。
いやー問題作でしたね。

■ゆっきー

おお、ゆっきー見ていたんですね~さすがです。

> ひたすら安田道代の女優根性に圧倒された記憶がありますが、
同意 増村先生の指導はさぞや過酷だったと思われ。 
単純にアスリートとしての撮影シーンだけでもキツイッス。

>ISという言葉もない時代、これはポルノ映画なのか?いったい何なんだと困惑したと思います。
そうなんだよねえ タイトルだけでも混乱させるのに
宮路の獣性を表現するために峰重夫人を犯したり安田道代の診察シーンもしかり。
さすがエロスの増村保造先生であります。
でも「IS」をエロス目線で描くというのは、現代ではありえねえ~
ISの方にはごめんなさいという気持ち。

なんにせよ、この50年で時代は進化したと実感。

> いやー問題作でしたね。
それに尽きます(笑)

ところで「ヅィゴイネルワイゼン」といえばマイメモリー
この年の日本アカデミー賞主演女優賞のプレゼンターが小川真由美で、封筒を開けた時、顔がばあ~っとなったあと沈黙が続き、「・・・みちよちゃん」
小川真由美は「大楠」というのが読めなかったんだと思います。
結婚後名前を変えたなんて気にしてなかったと思う。あの小川真由美なら。
この映画を観て、ああ、この時共演していたんだとメモリーよみがえりました。

70代の大楠道代の使い道はあるか?

ツィゴイネルワイゼンの頃は、大楠道代は既にビギのマダムでクールな女優というイメージを確立していたと思います。少なくとも私はその前の大映女優時代をほとんど知らないので、「この人にもこんな下積み時代があったんだー」と思いましたけど、あらためてこの人の来歴を見ると、エログロ女優時代も結構長かったのね。
現在73歳、やすらぎの郷に出るにはまだ早い。
女優としてまだ見たい気がします。

■ゆっきー

> ツィゴイネルワイゼンの頃は、大楠道代は既にビギのマダムでクールな女優というイメージを確立していたと思います。

私は全く知らなかったよ~
「ツィゴイネルワイゼン」の時も、これ、安田道代のことでいいんだよねえ?
ってかんじ。
その後、夫がビギの社長と知り、どっひゃあ~でした。
若山富三郎といいさすが大物食い!と思った覚えが。
(若山富三郎とはずーっと結婚していたと思い込んでた。結婚してなかったことさっき知りました)

>少なくとも私はその前の大映女優時代をほとんど知らないので、「この人にもこんな下積み時代があったんだー」と思いましたけど、あらためてこの人の来歴を見ると、エログロ女優時代も結構長かったのね。

映画界がそういう時代だったよね。


> 現在73歳、やすらぎの郷に出るにはまだ早い。
> 女優としてまだ見たい気がします。

いい作品がないかしら。
やすらぎ いしだあゆみの方が年下だったよ!(71歳)
いしだあゆみはもはや年齢を超越してる感。

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