メイプルソープとコレクター

「メイプルソープとコレクター」
(2007/アメリカ・スイス/
Black White + Gray A Portrait of Sam Wagstaff + Robert Mapplethorpe)


sam01.jpg


HIVにより42歳で他界した天才フォトグラファーのロバート・メイプルソープと、稀代のアートコレクターのサム・ワグスタッフの人生から、 1970~80年代のニューヨーク・アートシーンとそのビジネスの裏側に迫るドキュメンタリー。
ゲイであることを公言し、性のボーダーを越えた芸術表現で人々を魅了したメイプルソープは、名家出身のアートコレクターのサムと運命的な出会いを果たす。
メイプルソープが唯一愛した女性であるパンクロックの女王パティ・スミスも登場。


こういう作品はすぐ終わっちゃうから早く行かなくちゃと思いながら・・・。
やっと見て来た。

15:50 @渋谷ライズX

ここ渋谷ライズXは、コアな作品ばかり上映するアグレッシヴなコヤ。
他のとこだったらレイトでかけるような作品を日中からやっている。
その為、以前来た時は私を含めて二人、この日は四人。
席数 38.でも人件費はかかるし大丈夫なのか!? と老婆心ながら心配しちゃう。

ここの内部って、昔、麻布十番にあった寺山修司の天井桟敷を思い出させる。
スクリーンも小さくて、アンダーグラウンドな雰囲気(実際アンダーグラウンド=地階にあるんですけどね)、秘密上映を見ているような不思議な空気が感じられて好きなコヤ。
シートはゴージャスだし、個人試写室みたいでなんだかぜいたく。

あら、前の記事から エイズつながりだわね。


メイプルソープの名は、その作品と共に人々の記憶に刻まれるが、
サム・ワグスタッフの名を憶えている人はどれだけいるだろうか


映画の冒頭に語られる言葉。
そうだわね、その通りだわ。
私もその名前に、「ああそういえばそんな人がいたっけ・・・」 と遠い目になった。
この作品は二人を通して、当時=’70~'80年代のNYアートシーンとアートビジネスの裏側を描いているが、私には、「サム・ワグスタッフという人間が生きた軌跡」 を記録にとどめておきたいという作り手の情熱を感じた。

sam02.jpg


サム・ワグスタッフは類い稀な才能をもったキュレーター(=芸術家を発掘して展覧会を企画する仕掛け人) であった。
その審美眼・鑑識眼、時代の先を読むセンス。
そんな彼がメイプルソープと出会う。
サム 51歳、メイプルソープ 26歳。
25歳の年齢差を越えて、二人は ”パートナー”   となる。
奇しくも、11月4日 同じ誕生日って、運命感じるわあ。
大体サムは 「ハンサムな若者」 が好みだったそうな。

sam03.jpg


クイーンズの下層階級出身、無学無教養のメイプルソープを、サムは一流の写真家に育て上げる。
サム・ワグスタッフなくして、写真家 メイプルソープは存在し得なかったというのがよくわかった。

一方、NYの上流階級出身、ハンサムで知的で社交界の花形であったサム。
(今メトロポリタン美術館が建っているところは、サムの祖父の農場があったそうな)
早くからゲイであることを自覚し、悩み苦しんだ。その反動か、晩年は徹底した ”快楽主義” を追求した。
映画ではあからさまに描かれなかったけど、かなりヤバい道を究めていたもよう。
その結果がエイズというのは、已む無しか。


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’87年死亡。莫大な遺産はメイプルソープに残され、その2年後、’89年 メイプルソープもエイズで死亡。
今年は没後20年にあたる。合掌。





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Comment

ビコーズザナイト

教えてくれてありがとう>チロりん。
6月5日までやってるから見れると思う。
こういう映画はこの先見る機会があるかどうかわからないもん。
私にとってのメイプルソープは、Patti Smithの「腋毛ジャケット」を撮った人。
ゲイのメールソープがPattiとどういう関係だったのか非常に興味アリ(ミーハーですいません)。




■ゆっきー

Patti Smith は、インタビュー場面の登場が一番多いのです。けっこーな歳なのに、なんだかかわいらしかった。
この映画、途中で大学の講義でも受けているような気になった。いい意味でアカデミックでした。
映像も音楽も洗練されてた。
(人によっては退屈しちゃうかも・・・)

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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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