スラムドッグ$ミリオネア その1

「スラムドッグ$ミリオネア」
(2008)/イギリス/アメリカ/SLUMDOG MILLIONAIRE)


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テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、残り一問まで来たジャマールだったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。
ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。
警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。
アカデミー賞 8部門 (作品賞、監督賞、歌曲賞、作曲賞、編集賞、録音賞、撮影賞、脚色賞) 受賞


すごい!!!!!

予想をはるかに超えた傑作!

アカデミー賞8部門受賞も大いに納得!


16:15 @新宿バルト9 → GWの為か、早々に満席!


アカデミー賞前に、賞レースの下馬評をチェックしていたら、各映画評論家、各誌が一様に言っていた。
「<スラムドッグ> でキマリ!」
「<スラムドッグ> 文句無し!」

イギリス人監督 ダニー・ボイルが撮ったオールインド人キャストの映画・・・
何それ? 予想もつかない・・・。

アカデミー賞の前哨戦とも言うべきゴールデングローブ賞も最多4部門を受賞。
そしてアカデミー賞では、ご存じのように ”スラムドッグ・ナイト” (スリードッグ・ナイトというグループもいましたね。「old fashioned love song」 ふるっ) となった。いったいどんな映画なのか?


世界最大のクイズショウ「クイズ$ミリオネア」で残り一問までたどり着いたスラムの少年。
間違えれば一文無し。正解すれば番組史上最高額の賞金を手に入れる。
しかし、ジャマールは学校に行ったこともないスラムの孤児。不正を疑われ逮捕される。
尋問の中で彼が語った 「望まなくとも答えを知ることになる」 少年の過酷な人生と運命がクイズの答えとつながっていく――


クイズ番組を見ていて、世間的には超難問だが、”たまたま” かつて住んでいた土地に関することであったり、”たまたま” 最近読んだ本のことだったりすることがありませんか?

早い話がそういうことなのです。
クイズの問題は、”たまたま” 彼の半生で経験してきたことだったのです。
しかもその多くはできれば思い出したくない記憶とつながっていた・・・。

ストーリーは、警察で尋問を受けている 「現在」、<クイズ$ミリオネア>のスタジオの 「前夜」、そして、彼がここまで生きて来た 「過去」 の三つの時間軸からなる。
たえずこの三つの時間軸を行き来して物語は進んで行く。

”たまたま ”と言ったって、彼の人生の経験値はハンパない。
その辺の大人の何倍もの人生を生きて来たわけですから。

クイズの問題とその答えとなる半生の一コマ、そのどれもがドラマチックなのだが、一番印象に残るのはやはり
「米国100ドル札に描かれている肖像画は誰?」

答えは、ベンジャミン・フランクリン なのだが、この答えとなる過去のエピソードは涙なしでは見られない・・・。

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しかし、ジャマールがクイズに参加した本当の目的は別にあった――
初恋の人 ラティカにもう一度会いたい。テレビに出ればきっとどこかで見てくれる・・・そう、この映画は壮大なラブストーリーでもある。

ここまでの短い人生の中で、ジャマールとラティカは人生の荒波に翻弄され、再開と別れを繰り返す。
二人のラブはどうなるのか!? クイズの正解は!?
さまざまな要素がてんこ盛りで、もう目が離せません。

この映画を見て思ったのは、「人はみな誰かに生かされている」 ということ。
一人でたくましく生きて来たジャマールだけど、実は「ひとり」ではなかったのだ。

幼いころは兄がいつも守ってくれた。兄サリムがいなかったら生き延びていなかったろう。
街角に立ち、歌を歌い物乞いをする盲目の少年。かつての仲間だった。
もしかしてそれがジャマールだったかもしれない。彼によっても、ジャマールは生かされている。
(ここでは書けない恐ろしくも悲しいことが・・・(泣)
そしてラティカ、どこにいるのかもわからないけど、ラティカを思うだけで生きて行ける。
一瞬たりとも忘れたことはない。ラティカへの愛ゆえに生かされてきたジャマール。

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さて、クイズである。
すべての問題が ”たまたま” 知っているわけではない。まったくわからない時もある。
その時は、ライフラインとカンで切り抜けるのだが、ここのミソは、「無欲」ということではないか?

もっともカネのありがたみを知っているジャマールだが、彼は賞金などどうでもいいと思っている。
クイズに答えながらも思うのはラティカのことだけだ。
人間目先の欲に目がくらむと、カンも鈍り、運にも見放されるもんです。
また、彼の過酷な人生において、その動物的カンは研ぎ澄まされただろうなあと思う。
で、また頭もいいのよ、ジャマールは。記憶力もよくないと生き残れないからね。
とことほどさように、”たまたま”とか ”偶然”では片づけられない説得力もあるのよね。
なんだかよくできてるのよ、すべてがさ。


ジャマールがおちびだった時の子役のコが ギザ☆カワユス メロメロです。
→ アーユシュ・マヘーシュ・ケーデーカル (おぼえらんねーよ)

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ジャマールが ”命がけで”愛する(この映画の場合、比喩ではない)ラティカがまたカワユス。
おちび時代、ティーンエイジャー、そして大人になったラティカが美しいです。

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ティーンエイジャーの ラティカ (カメラがいい!)



アカデミー賞を受賞した、ノリノリのダンスナンバー 「ジャイ・ホー」
いったいどこに出て来るんだろうとわくわくしていたら、最後の最後、エンドロールに全員勢ぞろいして踊ります。
これが楽しい! おちび二人も踊ってます。
この演出もスバラシイ! (だけどこの辺は、物語の感動の余韻で、胃のあたりをひくひくさせながら号泣してました・・・)

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「ジャイ・ホー」 リハ中の ダニー・ボイル


ムンバイの町を駆け抜けるスピード感、底知れぬパワー、エネルギーと生命力に圧倒される120分。
<ボストン・グローブ誌> の この言葉を私も言いたい。

――今晩どんな予定があっても中止して、
  この映画を観に行くべき!





スラムドッグ$ミリオネア その2PageTopLGFF 日程決定!!

Comment

見事なキャッチコピー♪

チロっち、さすが!と思ったら、ぬあんだ
向こうのか(w

>――今晩どんな予定があっても中止して、
  この映画を観に行くべき!
通勤文庫として、今「名コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」を読んでる。

今晩の予定、うむ、スラムダンクの英語版第二巻を買ったら見に行くよ。まずはレッドクリフ。

■白みるくさん

そうなんすよ。ボストングローブのコピーよん。
これ、うまいよね。
あと、見た人のコピーで
――他人とは思えない、リアルな登場人物たち
  まるでドキュメンタリを観ているようだった
  (名倉潤・ネプチューン)
つうのもウケた!
>「名コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」
またおもろそうなのを読んでるなあ。
mixiにでも感想書いてよ。
>スラムダンクの英語版第二巻
え、そんなのもあるの?
三井君、あきらめたらそこで試合終了ですよ。
左手は添えるだけ。
意味なし。
ゴリの奥さんになりたいチロより

TBお願いします!

ホントに内容濃かったです。

>100ドル札のエピソード
これは辛かった…。


みんなに観てもらいたいと思うよね。

見てきた~!
なんか予想していたより(途中は悲惨なところもあるんだけど)、きっちりハッピーエンドなロマンスなんですね。
見てよかったー!という気持ちにさせるエンディングがお見事。
兄の描き方がよかったです。意地悪もされるけど結局最後は守ってくれるんだよね。

スラムの現実は悲惨だけど、親がなくても家がなくてもなんとしてでも生き延びようとする子供たちのたくましさに力づけられた気がします。

■アンソニーちん
TBありがと☆
はい、みんなにみて、みて~~!! と言いたい。

■ゆっきー
どう、チロのプッシュはおーげさじゃなかったでしょ、ふふん(えらそー)
>見てよかったー!という気持ちにさせるエンディングがお見事。
さわやかなカタルシスだよね。ラブ&カタルシスキー☆
>兄の描き方がよかったです。
結局アニキが汚れ役に回ったおかげで、弟よ内藤やすこは汚れないですんだんだよね。その辺の対比の関係もよく出来ていたのら。

めっちゃ亀レスで申し訳ないです~!!

ホント、すごい!!!!の一言に尽きます。
汚れ役のアニキと幼い頃からの愛を求め続けた弟、酷い貧困とクイズの莫大な賞金、スラム街の汚さとタージマハールの美しさ、両極端の対比でインドの凄まじいパワーが伝わってきました。おちびのジャマールたちの暮らしが凄くて、私もひくひく号泣しました。

>今晩どんな予定があっても中止して、 この映画を観に行くべき!
うんうん、上手いよ!ボストン・グローブ誌に座布団10枚!

>「名コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」
そ、それ、私も読みたい(笑)

■あんさん

コメントありがとうございます。
>両極端の対比でインドの凄まじいパワーが伝わってきました。
いや全くおっしゃる通り。あんさん、うまい!
そっか、みごとな対比になっていましたね。
この作品文句なく傑作ですな。

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
尚、宣伝目的や記事に関連のないリンク・コメント・トラックバックなどはこちらで削除させて頂きますので、ご了承下さい。

追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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