ミルク その3

「ミルク」 その3

<ミルク>を見て、後日プログラムを買いました。

そこにいくつかいいエピソードがありましたので紹介したいと思います。


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脚本家 ダスティン・ランス・ブラックがミルクのことを知ったのは、'90年代はじめのこと、数年後にドキュメンタリ映画<ハーヴェイ・ミルク>(’84)を観ることになり衝撃を受けた。
それはミルクのこんな言葉だった。


――デモインやサンアントニオのようなアメリカのどこかで、
一人の同性愛者がサンフランシスコ市の公職に選出されたことを
新聞で知った同性愛者の若者が、
より良い世界、より良い明日に希望があることに気づくはずだ


――僕がまさにそんな若者だった
とブラックは言う。
「ミルクのメッセージは今でも命を救うことが出来る」 と考えたブラックは、資金もないまま独自にリサーチを始めた。

最初に会ったのが、クリーヴ・ジョーンズだった。
ジョーンズはすぐに協力してくれて、彼の紹介で他の側近にも会い協力を得られた。

ブラックが脚本を書き上げるのに4年がかかった。
多忙な彼はテレビドラマの制作と<ミルク>の執筆を並行させており、「何度も諦めかけた」。

クリーヴ・ジョーンズにガス・ヴァン・サントを紹介された彼は、脚本を送った。
10日ほどしてヴァン・サントから、「映画を作ろう」と連絡をもらった。


クリーヴ・ジョーンズがヴァン・サントを紹介したのか!?
人と人のつながりってすごいな。ミルクが繋いだ人の輪だわね。

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クリーヴ・ジョーンズと彼を演じたエミール・ハーシュ


ブラックが最初に仕上げていた脚本は、ミルク個人の日常を描くことより政治活動に重点を置く簡潔なものだった。
ミルクにはさまざまな側面があり、カストロカメラでの”興味深い生活”を伝えるのは難しかった。
ショーン・ペンは脚本を読んで快諾したが、ひとつだけこだわりがあった。
それは、ミルクの政治活動と同様に、彼のプライベートもありのまま描くことだった。


つまりはっきり言えば、男グセの悪いミルクのプライベート部分をどうするか?という攻防だったのかも。
これはある意味、なまぐさい部分ですからね。排除した方が製作者側はやり易いかも知れない。
だけど、演じるショーン・ペンにしたら、そういう部分があった方が遣り甲斐はあったろう。 あった方が、キャラが立つ。
その部分でオスカーがショーンに微笑んだと言えるかも。


[実在人物と俳優の交錯]

これを読んで、実在の人物が実際に映画に多く登場していたというのをはじめて知った。
ミルクの伝説の裏付けや、制作への協力の為、ミルクの古い友人たちは多くの時間を撮影現場で過ごした。
その内に、行進や集会に参加したりする自分の役を演じてもらうというアイデアが出た。
全米トラック協会のアラン・ベアードは、自分の役を演じた。


本人だったのか。ずいぶんおじいちゃんだなと思った。

アン・クローネンバーグのコメント:
――自分が撮影に臨めるかわからなかった。とてもつらいことかも知れないと思ってた。
でも、正反対だった。私は、友人でもあり父親代わりでもあったミルクを失って、30年間も殻に閉じこもっていたの・・・。
ショーン・ペンを見て息をのんだわ。撮影中の彼はミルクにそっくりだった。


そしてアンは、’77年二度目の選挙のパーテイーに出演しているという。

こうして当時を知る人々が、俳優やスタッフに、当時どんなものを身につけていたか、カストロ・カメラでどの辺に立っていたか教えてくれた。
1978年のゲイ・フリーダムデイ・パレード、アン・クローネンバーグはミルクを古いボルボに乗せ、マーケット・ストリートを走った時の様子を思い出したという。
万が一襲撃された時のことを考えて、病院への緊急の抜け道もあらかじめ想定していた。

ミルクのための豪華な誕生パーテイーも再現されたが、その日がミルクの最後の誕生日となった。


ダニー・ニコレッタのコメント:
――ミルクはあの夜、パイを5つも顔にぶつけられてた。僕もパイを投げた一人だけどね。
セットの隅で泣いたよ。あのパーティーをまた見られるのはすごいことだけど、ひどく胸が痛めつけられた。


クリーヴ・ジョーンズのコメント:
――僕も(撮影)最初の週は、毎日泣いてた。


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ダニー・ニコレッタと彼を演じたルーカス・グラビール


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ミルクと出会った時、ダニー・ニコレッタは19歳だった。カワイイ


トム・アミアーノも出演していたのを知る。
ゲイであり教師である彼は、「プロポジション6」(提案6号)=同性愛者やそれを支持する人たちを教職から解雇する の象徴的な存在。
(ミルクは <NO ON 6> (提案6号に反対) というムーヴメントを起こし、一躍全米に知られることになった)

彼は現在サンフランシスコの市政執行委員と知り驚いた! ミルクの後を継いでいるではないか! すごい!
現在の彼の画像を見て、びっくらたまげた!
ドキュメンタリ版のインタビューの時はおネエっぽかったのに、リッパな紳士になっているではないか!?

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でもやっぱり、笑顔がキュート☆

これじゃあ、映画に出てきてもわからないよなあ。
今回彼らの画像を探していたら、なんだか同窓会に来たみたいな気がして、一人思わず目頭してしまった。

「過去」を追体験することによって、「トラウマ」を克服できることがある、という心理学者の話を聞いたことがある。
彼らにとって、今回まさにその機会となったのではないか。


===

数多くの人々によってこの映画が完成したのがよくわかった。
ガス・ヴァン・サント、ダスティン・ランス・ブラックをはじめミルクの為に集まった人々。
ミルクは、本当に本当の ”人たらし” だった。合掌。


***

そうだ、ふにゃさんからの情報:

ショーン・ペン、フランコ君とのキスシーン撮った後、
マドンナに 「おまえのこと思い出した」 ってメールしたらしい

ぎゃあ~ たまんないわあああ
なにがどうたまんないのかわかんないけどぉ。

あ、そういえば・・・、ダスティン・ランス・ブラック が映画にちょこっと出ていたのわかりました?
ミルクが2度目くらいの落選で、カストロ・カメラで一人ぐったりしていると、外を歩いていた二人連れに、
「次はがんばれよ」 と声をかけられるシーン。
声をかける子はブラック(アフリカ系アメリカンの意)で、いっしょに歩いてにっこりしている男のコがダスティン(ランス・ブラック 為念)だった。
(両方ブラックってこれいかに)

ボストンのキュートボーイPageTopケレル

Comment

待ってました!

その3書いてもらえると、楽しみにしてました。

>でもやっぱり、笑顔がキュート☆

チロさんの感想、レビュー、解説、共に好きだー!!
いつもありがとうございますv

>ショーン・ペン、フランコ君とのキスシーン撮った後、
>マドンナに 「おまえのこと思い出した」 ってメールしたらしい

たまんないですねえええええええ。しばらく幸せな気分になりました。
ありがとう、ショーン・ペン。

ふにゃさんもありがとうございますv

■かなかさん

>その3書いてもらえると、楽しみにしてました。
えええ・・・思いつきで言ったことが・・・言ったことには責任を持とうと反省。

>たまんないですねえええええええ。
そうだよねっ、ねっ、たまんないよねえ。
マドンナとショーン・ペンって、今はメールをやりとりする仲なのかしらね。いいわね。
でも残念ながら、ショーン・ペンはロビン・ライト・ペンと再び別居してますね。離婚は時間の問題か?
やっぱりショーンって、やんちゃ坊主で奥さんは大変なんだろうな。

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追記・その他

  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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