4ヶ月、3週と2日

「4ヶ月、3週と2日」
(2007/ルーマニア/4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE/
4 MONTHS, 3 WEEKS AND 2 DAYS/
4 MOIS, 3 SEMAINES, 2 JOURS)


4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]
(2008/09/10)
アナマリア・マリンカローラ・ヴァシリウ

商品詳細を見る



チャウシェスク独裁政権によって個人の自由が制限されていた80年代のルーマニア。大学生のオティリアは、ルームメイトのガビツァの違法中絶を手助けするべく準備を進めていた。ところが、手術当日に思わぬ問題が発生する。ルーマニアの新鋭クリスティアン・ムンジウ監督が、ヒロインたちの長い1日をリアリズムに徹底した映像で描き切り、2007年カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得した社会派ドラマ。


2007年カンヌ パルムドール受賞作品ということで、前から気になっていた。(権威に弱いもので)
このタイトルも気になるよね。


この作品、おもしろいと思うのは、違法中絶手術を受ける女子大生の話ではなく、その ”友人” の長い一日を描いたところにある。
この場合、手術自体はまあどうでも良いのだ。

4months01.jpg
しっかり者


オティリアとガビツアは、大学寮のルームメイト。望まない妊娠をしてしまったガビツアは、伝を頼って手術をすることにしたのだが――

とにかく共産主義の国の内情にオドロキの連続。
手術をふつーのホテルでこっそりやっちゃうというのもオドロキだけど、その前にそのホテルのフロントの態度の悪さにオドロキ(そこかい!?)

さて手術当日、オティリアは金を借りる為ボーイフレンド(なかなかいい男)の大学に出向く。金はすんなり借りられたが、彼がこう言いだす。
――ママの誕生バーテイ、遅れずに来てくれよ
――え、今日だった? 私、行けないかもしれない・・・
――どうして?ママは楽しみにしているのに
――ごめん、理由は言えないの・・・


そしてこの後、思いもよらぬアクシデントが次々と起こり、オティリアは奔走することになる。

<4ヶ月、3週と2日> というタイトルは、カビツアの妊娠期間のことである。
つまり、もう4ヶ月、中絶するには一刻の猶予もない、ということだ。
ホテルも医者も、この日を逃すと手術は不可能。2度目はない。
切羽詰った緊迫感をドキュメンタリ・タッチのカメラがさらに煽る。

果たして手術はできるのか? 万が一の事態になったら?
彼氏のママのパーティはどうなるのか? 彼氏とオティリアの関係は?

ガビツアつう女、これがほんとにバカ女なのだ。
この女のアホぶりに、見ているこちらは呆れるばかり。それでしっかり者のオティリアは苦労させられることになる。
このアホ女の為に、なぜそこまでやるのだ、オティリアよ、と思う。


4months03.jpg
ただ座っているだけ。顔はかわいいカヴィッツア


ヨーロッパ映画らしい作品だった。
地味ながら、いや地味だからこそ、いろいろ考えさせられました。
女が生きる上で選択の道がない、というのはつらいものだ。
アメリカ映画 <ジュノ> のように、産む自由・産まない自由がない社会は不幸である。という表層的な問題。(おそらくこの監督が言いたいのはそれではないだろう)

その一方、オティリアの置かれた状況は、普遍的な問題と捉えることもできる。
救いようのないアホで厄介事を持ってくるのは、なにも友人だけでなく身近な親兄弟、恋人かも知れない。
又、立場の弱い女の弱味につけ込むスケベおやじの医者、思い返すと身勝手さが見えて来るボーイフレンド、女と男の対比が鮮やかだ。
理不尽な要求に流され、受け入れるしかない状況というのは、どの時代、どの国のどこにでも転がっている。

4months02.jpg
後半の舞台となるホテルのバスルーム タイルがなかなかアート


しかしこの作品、けっこーナマ臭いシーンがあったな。R指定も已む無し。
こういうディープな作品にパルムドールを与えるというところがカンヌらしい。
もっぱらハリウッド映画ばかり見ています、という人にはおススメしません。



4months04.jpg
クリスティアン・ムンジウ監督と主演女優(別人だな!) in カンヌ


この年のカンヌは、
『殯(もがり)の森 (The Mourning Forest)』 河瀬直美監督  が審査員特別グランプリを受賞した年でありました。

殯の森 [DVD]殯の森 [DVD]
(2008/04/25)
ますだかなこ斎藤陽一郎

商品詳細を見る


ああ、あの顔で、あの声で~~@GANDYPageTopレスラー

Comment

予告見て

行きたかった映画なのよぉ~~~♪

よし、DVDで見よう!

ちょうど、独裁者の妻たちって本、読んでるし。
タイムリーです。

チャウシェスク夫人は中国訪問後に権力への暴走が止まらなくなったとか。江青には共感するところなくとも、影響はあったらしい。

今年上半期の課題・・・ってあと10日もないじゃんか(w

■白みるくさん

>予告見て
行きたかった映画なのよぉ~~~♪

お、さすが、白みるくさん、押さえてるねっ
でもこれ、ちょっと前だよね。

>ちょうど、独裁者の妻たちって本、読んでるし。
タイムリーです。

この映画を見て、やっぱり社会主義国家はよくねーよ、とつくづく思いました。

>チャウシェスク夫人は中国訪問後に権力への暴走が止まらなくなったとか。

国家うんぬんより、誰かが肥えるというのが許せんな。(特におんな)

>今年上半期の課題・・・ってあと10日もないじゃんか(w
少年老い易く学成り難し。Life is very short.
花の命は短くて、ああ、なんだか きみまろになってきたよ。 善は急げ、ばるこよ!

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

プロフィール

ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
尚、宣伝目的や記事に関連のないリンク・コメント・トラックバックなどはこちらで削除させて頂きますので、ご了承下さい。

追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

リンク
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ(タブ)

最近のトラックバック
カテゴリ
カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブログ内検索

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
QRコード

QRコード

RSSフィード