路上のソリスト

「路上のソリスト」
(2009/THE SOLOIST)


バイオリンを演奏する路上生活者のナサニエル(ジェイミー・フォックス)に出会ったロサンゼルス・タイムズの記者ロペス(ロバート・ダウニー・Jr)。かつてジュリアード音楽院に在籍し、チェロを演奏していたというナサニエルに興味を抱いたロペスは、ナサニエルの人生について調べ始め、連載コラムの題材にしようとする。監督は、「プライドと偏見」「つぐない」のジョー・ライト。

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なんか久しぶりに、まともな役のロバート・ダウニーを見たなあ・・・つうキモチ。

18:15 @TOHOシネマズ シャンテ

弦が2本しかないオンボロのヴァイオリンを奏でるホームレス ナサニエル・エアーズは、かつて名門ジュリアード音楽院で将来を嘱望された天才チェリストだったが、「統合失調症」の為退学。
彼に興味を持ったロペスは、彼を援助しようとするが――


<ロスアンゼルス・タイムス> のコラムニストの実話を基にした。

前半のナサニエルとロペスの交流が微笑ましくていいんだよね。
ナサニエルのことをコラムに取り上げたところ、老婦人の読者から 「もう関節炎で弾けないから」 とチェロが送られてくる。
チェロをナサニエルに届けるロペスは、高価な楽器を持つことで彼の身に危険が及ぶと、支援センターに行くよう言う。

そうか、ただチェロをあげっぱなしにするのではなく、そこまで考えているのか・・・。
単純に感心してしまった。

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そして後半は、この支援センターを中心としたロペスの援助とその影響。

ナサニエルの才能に感銘を受け、彼をなんとか ”現場復帰” させたいと思うロペス。
しかし、彼の思惑は空回りする。
ロペスはナサニエルにアパートを用意し、医者に見せ入院させ、薬物治療をと考える。
が、ナサニエルはアパートはいらない、外がいいという。
空と、世界とつながっていたいから。

支援センターのスタッフ デイヴィッドは言う。
――治療を本人が望んでいるのか? 本人が望んでなければ意味がない。

前のめりなロペスに、デイヴィッドの言うことがいちいち正論なんだよね。

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デヴィッド役 ネルサン・エリス 
イカしてた。 ちょっとカメジロウさん 入ってた



この作品はいろんな問題を提起している。

ロペスとナサニエルの距離 :
ロペスがよかれと思いやっていることは押し付けであり、驕りではないのか?
ロペスの考える ”幸福”と、ナサニエルの ”幸福”ははたして同じなのか?

記者と取材対象者の距離 : 
ナサニエルに関連した記事で、ロペスはジャーナリスト賞を受賞する。
ロペスはナサニエルを利用しているだけではないのか?
又、深入りしすぎたロペスは、ナサニエルの存在が重荷になる。
人ひとりをケアする、責任を負うというのは簡単なことではない。

それらのことに、ロペス自身が気づく。それがこの作品のいいところだ。

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スキッド・ロウ でのロペスとナサニエル


この作品を見た人は、支援センター周辺の ”スキッド・ロウ” のありさまにあ然とするだろう。
道路にあふれるホームレスの人々。恐ろしいエリアだべ。略奪・暴行・はては殺人・・・無法地帯。
LAには9万人のホームレスがいるという事実。(びっくりしただよ、9万人!)
実際ここでロケし、500人のホームレスがエキストラで出演しているそうな。

イギリス人 ジョー・ライト(<プライドと偏見><つぐない>)が捉えたLAの街は、また違った顔を見せる。
俯瞰を多用したカメラも美しい。

観終わった時に、なんとなくもやもや感が残ったんだよね。
この作品には、ハリウッド的ハッピーエンドや ”結論” はない。
これも監督がジョー・ライト=UKの人 とわかり納得しちゃった。
この物語は実話である。ゆえに ”用意された答え” などないのだ。



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ロペスの元ヨメ&同僚 キャスリン・キーナー 
すかしてなくて、この人けっこスキ☆


===

アメリカの新聞の ”コラム” というのは特別な存在で、読者と密接に関わり、時に世論を動かす。
こういう文化が日本にはないよね。うらやましい。
しかし、そのアメリカの名門紙も経営難。映画の中でもリストラが描かれている。

先日新聞にもそのニュース記事が載っていた。
全米で新聞が生き残りの為、「紙」 をあきらめ 「ネット」 に移行しつつある。
連邦議会は新聞産業を 「絶滅危惧種」 と呼び、支援策の検討を始めた。

新聞がこの世からなくなるなんて!?
考えるだにおそろしい。



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Comment

れっべーれ???

>この作品を見た人は、支援センター周辺の ”スキッド・ロウ” のありさまにあ然とするだろう。

スキッドロウってバンド名はそこから取ったのか・・・

リストラされた前の会社の社長令嬢二人。小学生と中学生がチェロを習ってました。それも5,6人の先生についてるんだとか。

何もしない奥方に代わり(料理も掃除もな~~~にもらしい。家で野菜が出てこないってぼやいてた)土日はでっかいチェロ二台の運び屋と化していたことを思い出しました。

れっべーれっ ←やめろって!!!

もうっ!!

やめてよ、白みるくさん!
ヘンな人がが白みるくをかたってキタのかと思ったじゃん。
しかし、この言語感覚ってどっからきとるのか!?
ほんとにこんなことを口走る人がいるのか?

>スキッドロウってバンド名はそこから取ったのか・・・
オレもバンドのスキッドロウを思い出した。
だけどどんな曲を歌ってたか記憶にない・・・。

>小学生と中学生がチェロを習ってました。それも5,6人の先生についてるんだとか。
大体チェロって楽器自体が高いよね。それを2台も買ったってこと? その上先生つけて、一体いくらつぎ込んでるんだ!

>何もしない奥方に代わり・・・土日はでっかいチェロ二台の運び屋と化していた

その人何じん? 日本人? 人生楽しいのか? それが生き甲斐なんだろうな。
その二人、どうなったんだろ? (才能はあるのか?)気になる。

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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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