パトリックは1.5歳

[パトリックは1.5歳]
(2008/Sweeden/Patrik 1,5/ Patrik, age 1.5)


PATRIK01.jpg


一軒家を購入し郊外の住宅地に引っ越してきたゴランとスヴェン。そんな二人の願いは、養子を迎え家族仲良く暮らす事。ある日、彼らにも1歳半の赤ちゃんがやってくるとの突然の連絡が。待ちに待った二人の前に現れたのは、同性愛者嫌いで犯罪歴がある15歳の不良少年、パトリックだった。
パトリックの登場は、落胆した二人に多大なストレスをもたらし、やがて二人の関係にも影響を与え始める…。
のどかなスウェーデンの住宅街を舞台に、同性愛カップルの養子問題というデリケートな題材を扱った今作は、海外映画祭でも大評判に。



【第18回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2009)上映作品】


今年も東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が始まった!

今年のワタシの一発目はこれ!


初日(10日)21;15 @新宿バルト9 シアター8


スウェーデン映画です。 スウェーデンといえば、イングマル・ベルイマンだけど、それ以外はなかなか見る機会がないです。なので、とっても興味深かったです。


養子を求めるゴランとスヴェンの元に、役所のミスで紹介されたこどもは、なんと同性愛者嫌いの15歳の不良少年パトリック!
彼の登場は二人の関係に次第に大きく影響を与え始めて――

スウェーデンでは同性婚が認められているらしく、晴れて夫婦となったゴランとスヴェンは、郊外に一軒家を買い、さて次は子供が欲しい。
しかし、ゲイのカップルにはそれがなかなか難しい。
”妻” のゴランが、こどもが欲しくてたまらない様が描かれてせつない。
街を歩くと、こどもにばかり目が行ってしまう。養子センターに断られ、ゴランは嗚咽して泣く。慰めるスヴェン。
二人がラブラブな様子がよく伝わって来る前半はいいです 

PATRIK03.jpg
(左)妻・ゴラン & (右)夫・スヴェン


そしてセンターの手違いで、1・5歳のあかんぼの代わりに、15歳のパトリックがやって来る。彼は犯罪歴のあるワルガキでモーホ嫌い。
パトリックは荒んだ少年で、全身ジャックナイフのようなオーラを出している。そんな彼にスヴェンは過剰反応する。
こんなワルガキを家に泊めるわけにいかないと、警察に連れて行く。
犯罪を犯すキケンがあるから拘置してくれとまくし立て、反対に公務執行妨害で自分が拘置されてしまう(笑)

たしかにアブないワルガキだけど、そりゃむちゃくちゃでござりまするがな。
後からこれは 「同族嫌悪」 だったのだなとわかる。
スヴェンは今でこそ分別あるおされなビジネスマンだが、その昔、自分自身がかなりのワルだったのだ。
このモチーフは、昨年の上映作品 <スコットと朝食を> にも共通するものがあった。
こちらもこどもと反発し合うのは 「同族嫌悪」? という展開であった。

ゴランはドクターで良識の人である。スヴェンの態度はいきすぎだ。
とにかくパトリックを家に泊めることにする。
パトリックをめぐって二人の関係は険悪に。
そしてゴランは言う。

――ここを出て行くのは、パトリックじゃなくて、君だよ、スヴェン

このセリフにヤラれちまいました。
ゴランはやさしい良きドクターだけど、内面はとても強いのだ。 かっこいい!ゴラン。
苦渋の選択、ラブより、「人の道」を選んだゴラン。スヴェンは黙って家を出る。

ここからの後半が、全くラブが見えなくなっちゃってちょっとクラいんだけど、パトリックがだんだん明るい子になってくるからいっか。
彼はガーデニングの才能を活かすことにより、自分のアイデンティティをみつけていく。
役者ってすごいなと思うのは、前半のパトリックは見るからに荒んだ顔だったのに、後半は別人のように晴れやかでいい顔になる。

しかし、離れていてもまだスヴェンを愛しているゴラン。二人のラブは修復不能なのか?
そんな時、パトリックに良い養子先がみつかったと連絡が。
パトリックがいなければスヴェンは戻って来てくれるのか?
パトリックは新しい養子先に行ってしまうのか?――

「夫婦」の価値観の相違というのは、普遍的な問題である。
実はスヴェンは、”家庭的”な家族など望んでいなかったのだ。
(しかし、「問題はパトリックのことだけだったの?」 というやりとりもある)
こういったことは、ヘテロの夫婦にもあることだろう。その違った価値観を認め合ってやって行くのが「夫婦」だと思うのだが。

それは別にして、ゴランというのは、優しいだけでなく、人間として素晴らしいのだ。こんないい男を捨てるなんて、スヴェンは大バカ者だべ!

ゴランとパトリックが外で食事をした時、お店の人がゴランを「パパ」と間違える。
その時のゴランのちょっと照れてうれしそうな顔。
この人はほんとにパパになりたいんだなとわかる。
1・5歳の赤ちゃんが家に来ることを夢見ていて、15歳のワルガキが来たらそりゃショックだけど、仲良くなっていく二人を見ていると、それもまたいいな、と思えて来る。

スヴェンは実は結婚歴があり、大きい娘が一人いる。元妻とゴランも仲良しだ。
この作品を見ていると、「家族とは?」 ということを考えさせられる。血がつながってなくても、家族は家族だよね。
見終わって、ああ、見て良かったなあ、と思えるいい作品だった。

PATRIK05.jpg


スウェーデンって、みなあの北欧風の部屋:白い壁・白木の家具 に住んでいるのかと思ったら、特に趣味がいいってわけじゃないふつーの家だった(笑)
同性婚は認められていても、人々の偏見がないわけじゃないこともわかった。

夫役 Torkel Petersson が、クマゴロー(byゆっきー命名)で、とってもステキ  ワイルドで myタイプ!
彼ってやっぱりゲイ受けするタイプなのかしら?
ちなみに彼は、69年生まれの40歳、ゴランの方は30歳だった。

PATRIK04.jpg
ぎゃあ~~! ワイルド~~~!

PATRIK07.jpg
この人は、映画の中でも着こなし上手だった


PATRIK06.jpg
スウェーデンでの授賞式。 サービスショット!

** ゴラン役 グスタフ・スカルスゲールド、あら、この名前? と思ったら、やっぱし、
ステラン・スカルスゲールド (<マンマ・ミーア><奇跡の海>)の息子だったよ!!
ビックラ!!! パパと全然似てないよね。
 


奇跡の海 [DVD]奇跡の海 [DVD]
(2002/03/01)
エミリー・ワトソンステラン・スカルスゲールド

商品詳細を見る


関連記事 :

[パトリックは1.5歳 @フィルムセンター]


シェフズ・スペシャルPageTop多重人格 シビルの記憶

Comment

楽しい映画でした♪

スパニッシュのいささかオーバーなむちゃくちゃぶりより、現実的? いや、1.5歳を15歳とは間違えないと思うけどね。

スヴェンを見て、同じくスウェーデンのユングベリを思い浮かべました。彼もゲイには人気っすよね★

■白みるくさん

いい映画だったよね~~♪
けっこー脚本が良く出来ていたよね。
ゴランの人柄は、クリニックでの仕事ぶりからもわかるし、パトリックのモーホ嫌いは、施設でイヤな思いをしたからかも、とか推測されて、奥行きのあるホンでした。

二人のラブも、最後の最後までじらじらさせられて、チロ大満足ッス! (じらじら萌えなもんで)

>スヴェンを見て、同じくスウェーデンのユングベリ
おう!おう! ユングベリ!
そか、スウェーデンだったよね。
そうだよ、ユングベリ、ゲイ人気ランキング1位だったもんな。もう引退しちゃったのかな。
最近ああいうゲイアイコンのようなジョカトーレがいなくてさびしい限りです。
くりすちあーの じゃあなあ・・・。

早いレビューありがとうございます

ゴランの役者さん、私も好み~~vvvと思ってたら、

>ゴラン役 グスタフ・スカルスゲールド、あら、この名前? と思ったら、やっぱし、
>ステラン・スカルスゲールド (<マンマ・ミーア><奇跡の海>)の息子だったよ!!

でしたか!!
素敵な情報ありがとうございます!

大人の映画

今年もお世話になりました!

素敵な家と庭があっても、二人の価値観がすれ違っては「家族」になれない・・・とてもいい作品でした。
いまさらですが、去年の「スコットと朝食を」見ておけばよかった。
こういう良作がマイナーな映画として公開されないのは非常に残念です。

最初はホモを嫌っていたパトリックが、ケンカ別れしちゃった2人を修復しようとして、知恵?を貸すところがかわいかった。(あの一緒に荷物を取りにきた男はなんだったの?あて馬?)

最初クマゴローだと思ったスヴェンですが、なかなかかっこよかった。 チロりんのタイプなのね。ふむふむ。(このサービスショットはゴランとのキスですか?!)

■かなかさん

>ゴランの役者さん、私も好み~~vvvと思ってたら、
え、かなかさんは、ゴランがタイプだった?
画像を検索すると、ずいぶん違う顔をいろいろ持っているようです。

>ステラン・スカルスゲールド の息子だったよ!!
最初は、この名前って、スウェーデンにはよくある名前なのかなあ?くらいに思ってたら、思わぬ発見にちょっとコーフンしてしまった。
他の兄弟も俳優やってるようですね。
つーか、ステラン、こどもが6人もいるのか!?
さすが福祉の国、スウェーデン!

■ゆっきー

あと一本あるけど、ひとまず今日で一段落。おつかれです。
>素敵な家と庭があっても、二人の価値観がすれ違っては「家族」になれない・・・
お、さすがゆっきー、いいこと言うな!

>「スコットと朝食を」見ておけばよかった。
こういう良作がマイナーな映画として公開されないのは非常に残念です。
ほんとだよ~ せめてDVDで出てもいいと思うよ。

>パトリックが、ケンカ別れしちゃった2人を修復しようとして、知恵?を貸すところがかわいかった。
んだ、んだ。ゴランに「髪を短めに刈った方がいいよ」とアドバイスするところが笑えたね。(オレもその意見に賛成)

>(あの一緒に荷物を取りにきた男はなんだったの?あて馬?)
あれ、結局新しい彼氏だったんだよね?
車に乗った数分のうちに別れ話をしちゃったんかい?!と思ったけど。
己れに忠実に生きてる男なんだな、スヴェン。

>最初クマゴローだと思ったスヴェンですが、なかなかかっこよかった。
超かっこよかったよ~~
>(このサービスショットはゴランとのキスですか?!)
スウェーデン国内でこの作品が何かの賞を取ったんでしょうね。なにせスウェーデン語だったんで、記事の方は何がなんだかわからなかった。
このゴランは、映画とは全然違う雰囲気だよね。(この人は191cmもあるんだって。デカいカプルだったね)
スヴェンはやっぱりスタイリッシュだべ☆ ステキ!

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

プロフィール

ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
尚、宣伝目的や記事に関連のないリンク・コメント・トラックバックなどはこちらで削除させて頂きますので、ご了承下さい。

追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

リンク
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ(タブ)

最近のトラックバック
カテゴリ
カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブログ内検索

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
QRコード

QRコード

RSSフィード