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分断の街で

「分断の街で」
(2009/USA/City of Borders)


city02.jpg


エルサレムにある「シュシャン」という名のゲイバー。エルサレム初のゲイの市協議会議員サアル・ナタネルが開いたこの店に、人々は宗教、民族、差別の壁を越えて、自分が自分らしくあることを求めて、集い合う。
宗教や文化が複雑に絡み合う街を舞台に、人間の尊厳とは何か、人々を分断する壁とは何かを問う傑作ドキュメンタリー。韓国出身のユン・スー監督作品。


【第18回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2009)上映作品】


なにやら骨太なドキュメンタリの予感。

こわごわと見てみた。




エルサレム――地理的な問題以上に、なんと遠い国か。
そして、この国で起きていることについて何も知らない・・・。

申し訳ないが、ひとことで言って、日本人にはどーもピンとこない問題である。
が、この作品を見て、少し 「垣間見る」 ことが出来たような。

宗教の対立、民族の対立、政治的対立。

街にある壁によって隔てられる人々。

見ていておもしろいなあ、と思ったのは、「ベルリンの壁」 のように、強固な壁があるのではない。エルサレムでは、壁は絶えず作られていて、そのおかげで毎日どこかの道路が突然封鎖される、という話。
その「壁」というのも、金網みたいなヤツで、いくらでもすり抜けられるという・・・。
(TOP画像がそれです。立っているのはイスラエル人 アダム)

エルサレム唯一のゲイバー 「シュシャン」 を舞台に、5人の若者を追う。
ユダヤ人とアラブ人のレズビアン・カップル サミラとラヴィト。ドクターとナース。
アダムたちイスラエル人のゲイカップル。
アダムはかつてゲイパレードで、同胞のユダヤ人に刺され大けがを負う。
そして、ドラァグ・クイーンの大学生 パレスチナ人 ブーティ。

パレスチナ人 ブーテイ にとって、ゲイとして生きるのは命がけの問題。
家族も友人も捨て、アメリカに渡るのだった。


city01.jpg

ラヴィトはこどもが欲しい。だけどサミラはいらないという。
ここでも、二人の意見が一致しない。なぜなんだろう。


「シュシャン」 の中では、まさに宗教・民族・政治、何の対立もない。
小さなコミュニテイでは出来る事が、外の世界に出ると出来なくなる。かなしい。


――サアル・ネタネル氏が開いたそのバーは、異なる人々が集い、わかり合い、
そして認め合うという彼のビジョンを体現していたし、そもそも私が映画を作る目的にも通じていたの。


ユン・スー監督の言葉です。
「異なる人々が集い、わかり合い、そして認め合う」 
とっても大事なことですね。

映画の最後に 「シュシャン」 は、閉店してしまう。圧力に屈した形だ。
店は爆弾で破壊され、ネタネル氏のもとには脅迫状が届き、氏は絶えず身の危険にさらされている。正直、よくこの店をやっているなあ、と思っていた。 (氏はエルサレム初のゲイの市協議会議員でもある)

上映後、緊急来日した ユン・スー監督とのQ&Aセッションがあった。
韓国出身の彼女が、なぜこういった作品を撮ったか、というのは誰しも疑問に思うところ。
(興味のある方は、映画祭公式サイト を見てね)
時に身の危険にさらされながら、2年・3年という月日をかけて映画を製作して行ったユン・スー監督。
小柄な女性ながら、実にパッションあふれる人だった。そしてとってもチャーミング。

上映前に会場の模様を撮影する為、カメラをセットしていたブロンドの女性に耳打ちしていたユン・スー監督。
その様子がとっても ”親密” だなあ、と思っていたら、上映後のあいさつで、彼女を
――She's my wife.
と紹介してました。



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