僕は小さく恋をする

「僕は小さく恋をする」
(2005/HONG KONG/Innocent)


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香港で暮らすエリックは、旅行だと言われてカナダへとやって来るが、両親から実はここに移住するつもりで、しばらく帰るつもりはないと言われてしまう。
エリックは、新生活に不満を感じながらも新たな出会いを繰り返し、やがて同じクラスのジムに恋心を抱くが…。


【第2回 アジアン・クイア映画祭(2009)上映作品】

2007年に開催された アジアンクイア映画祭 が2年ぶりに復活。
(「2007」 の記事は、カテゴリ 「アジアンクイア映画祭」 ご参照)

2009年9月19~23日 @原宿キネアティック

初日に観たのはこの作品 20:50


今作は、今年のL&G映画祭上映作品 <この愛の果てに> 鐘徳勝 (サイモン・チュン)監督の初長編作品であります。
<この愛の~> は救いのない話だったけど、この監督の他の作品も観てみたい、というものがあり。

香港で暮らすエリック(17)は、旅行だと言われ家族でカナダにやって来たが、両親から実は移住するつもりだと明かされ、そのまま現地の高校に転入する。

親にだまされてカナダに来た、というのもちょっとすごい話だと思うが、のっけからこちらもあれよあれよとのせられて見てしまった。
つかみはOK!

冒頭、出発前夜、香港でのエリック、友人宅でゲームをしているのだが、その友人も「ただのトモダチ」ではないもよう。
カナダにやって来てしばらくは叔父の家に世話になることに。
エリックはそこんちの大学生のいとこに憧れを抱く。
またある日、本屋でナンパして来た白人のオヤジ。
その時は断ったものの、後日エリックの方から連絡し、ベッドへ誘う。
そして同級生のジムに恋するのだが――

ことほどさようにエリックは、カナダでの生活にぶーたれながらも、新しい出会いを繰り返す。
まこと前向きでかろやか、そしてしたたかなのである。

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アニキ! マッチョないとこ


<この愛の果てに> とは全く趣きが異なる。
今作は舞台がカナダということもあり明るいムードがあり、<この愛の果てに>に見られるようなドロ臭さは感じられない。
いくつかのエピソードが積み重ねられていく手法は見ていて飽きないし、ユーモアのセンスもいい。

また、17歳のエリックを通じて、その周辺のことも描いている。
家族、移民、ホモフォビア・・・。

ほえ~~ 移住するってこんなかんじなのね。
単純に感心してしまった。
カナダは中国からの移民が多いところだけど、知らない土地に移住するのってすごいチャレンジだと思うのよね。
ひとつのモデルケースを見たかんじ。
エリック一家の場合、アグレッシヴな母は現地にすぐ馴染み商売に前向き、やる気!元気!イ○キ! 父は取り残され香港に帰ってしまう。
妹は当初メソメソしていたが自立して行く。
そして、エリックは・・・。

監督のゲイ視点が随所にあり。
マッチョなスポーツマンのいとことアイスホッケーをしたエリック。
ロッカールームでシャワーを浴びるいとこの裸体に目が釘付けになったり、本屋でチラチラっとエリックを見るオヤジの視線とか。

inno03.jpg オヤジ ナンパ中


ところでこのオヤジ:ラリー、当初あぶないスケベおやじだと思っていたら、実はすごくいい人だった!
両親は不仲、学校ではゲイであることがバレていじめに会う、居場所のないエリックの拠りどころはラリーのところだけ。
しかし、ラリーの昔のカレシが戻って来て又も居場所がなくなってしまう。
このカレシがフィリピン人で、ああ、ラリーって典型的「ライスクイーン」なのね(笑)

Imdbによると、ラリーを演じた Larry Peloso はこの作品が唯一の出演作。
けっこきわどいシーンもあり大熱演。
もともとは制作サイドの人のようで、監督作品がいくつかあり。(どれもゲイ映画)

inno05.jpeg
ね、やさしそうでしょ


――ねえ、大人になったら、いろんなことがもっと楽になる?

お風呂でラリーに背中を洗ってもらいながらエリックはたずねる。
17歳の心のゆらぎがちょっとせつない。

カナダの事情などがみょーにリアルなので、きっと監督の体験談なのねと思ったら・・・。
少年時代に一家で移住、8年後香港に帰国。トロント・ヨーク大学映画学科卒。
アジアンクイア映画祭公式サイト プロフィールご参照。

これが長編第一作とは! 若さと勢いがあり、才能を感じさせる。
とにかくあと味が爽やかな一作。

この作品は、トロント・リールアジアン国際映画祭でベスト・インディペンデント賞を受賞している。

ところで、この邦題 うまいな。
「僕は小さく恋をする」
まさにその通りだもの。
デカい恋はもっと大人になってからね☆


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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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