無口な情熱 -SIKIL-

「無口な情熱 -SIKIL-」
(2007/Philippines/SIKIL)


sikil03.jpg


マニラ南方の小さな町で育った幼なじみのアドンとエンゾ。二人はいつも一緒に遊び、助け合い、お互いのことを一番良く理解している親友同士だった。やがてアドンにはメライという名の恋人ができ、マニラへ駆け落ちすることを決意する。それから5年。マニラで運命の再会を果たしたアドンとエンゾ。それは二人の青年が絡み合う、エロティックショーの相手役としての再会だった…。

【第2回 アジアン・クイア映画祭(2009)上映作品】

フィリピン映画です。
フィリピン映画というのは、まず観る機会がないわね。
こういう作品を観られるというのは、この映画祭ならでは。
ありがたいこってす。

いやあ~ ちょっと珍味でした。

アジアンクイア映画祭のサイトで、なにを観ようかなあとプログラムページを見ていて、肌色率がダントツに高いのがこの作品だった。
そのページご参照。 (ちょっと問題多い画像なのでサイトで見てネ☆)

冒頭、若くたくましい男が、ドブ川のようなところで暮らしている。
その男 アドンの家族が入院していて金が必要に。
てっとり早く稼ぐ為、映画館に ”商売” しに行く・・・。

いきなりこの展開にあ然としましたよー。
「いきなりゲイビデオ」な展開なんだもん。

そこで客だった男 (本業はポン引きだった) に ”リッパな持ち物” を見込まれ、メンズ専用秘密クラブで働くことに。
この後ここでアドンは、幼なじみ エンゾと再会することになるのだが、こんなにいい体した若者が仕事がなく、セックス産業しか働き場がないのかなあ、とちょっとクラくなりました。
エンゾ (って、ロレンゾの略なのね) はこのギョーカイに長く経験豊富なので、彼のリードでアドンにとっての初舞台は成功の内に終わる。

物語は、故郷でのこども時代、テイーンエイジャー時代、そして現在と三つの時間軸を絶えず行き来するのだが、これが整理されてなくてわかりづらい。

さてエンゾは幼い時からずーーーっとアドンに恋してた。だけど親友だから自分の気持は封印したまま。
大人になってからも、ポルノビデオの撮影中、クライマックスシーンで何度も 「アドン!」 と叫んでしまい、監督に怒られたりする(笑)
それぐらい会えない日々でも、心はアドンでいっぱいだったのね。男の純情。

だからショーの中とはいえ、アドンとあんなことやこんなことが出来てエンゾは幸せ 
エンゾは高給取りのようで、いい家に住んでいる。そこにアドンとその娘(昔かけおちしてできた子、その後離婚している)を呼び、三人の疑似家族としての生活が始まる。
しかしこの平和な日々が永遠に続くわけもなく――

この後、アドンがSM好きの客に殺されかけたり、元女房がヨリを戻したいとやって来たり、昼メロのような展開が続く。
全体としてはベタなんだけど、独特のテイスト感があるのよね。
これはやっぱり日本映画とも香港映画とも違う。粗い画面がみょーに味わい深い。

「ノンケに恋したゲイの悲哀」

とひとことでくくることも可能だが、そうとも言い切れないような。
ゲイの人にはその辺りの機微が理解できるかも知れない。

映画祭公式サイト ロナルド・バートゥビン監督プロフィールにもこうある。

――(この作品は)本質的に、彼が映画業界からのみならず、
私生活を通しても得た長年の経験の産物である。


アドン役の人がどーも小島よ○おに見えて楽しめなかった・・・。。
エンゾはバタ臭い(死語か?!)キュートな顔だった。


明るい希望が見えるラストシーンで良かったッス。


Sikil02.jpg  ← よしお



===

以上で今年のアジアンクイア映画祭レポートは終了です。
2007年の下北沢から今年は原宿キネアテックに場所を移しての開催でした。
今見ると下北沢の会場は席数41、キネアテックは座席30+補助席8。 
席数としては同じくらいですが、今年の方が断然入場者数が多かったと思います。

先に言いましたように <蓬の花>は立ち見も出る大入りで、おそらく入場できずに帰った人もいるのでは。
このフィリピン映画も満席でした。(2007年は満席はなかったんじゃないかな)
当初はどれくらいの人が集まるのかと思っていましたが、予想以上の盛況でした。
この時しか見られない作品が見られるということで 「映画祭マニア」 というのも今やかなりいるのでは?
いや、実は最近この属性に目覚めている自覚があるかも。
また、こういうゲイ映画を観る機会は本当に少ない! ぷんぷん! と飢えている人も多いと思う。
L&G映画祭が実績を作っているというのもたしかにありましょう。
次回はもう少し大きいコヤでやっても大丈夫じゃないの?
関係者の方々、ありがとうございました&次回もよろしく☆

シーズン終了・・・PageTopメジャーリーグのセクシー・タイムって?

Comment

上の写真の右のおにーちゃん、若っい小澤征悦って感じに見えます。
フィリピン人にも、こういうカッコいいにーちゃんがいるんですね。
ずんぐりむっくりの小デブ(…ナンカ、ジブンノコトミタイデ、カナシイ。。)のくせに、タンクトップ着てたりする若者がうようよいる感じがあったのですが…。
(…偏見だろうか?でも、昔セブ島で見た人たちはこうだった)

小島よしおと小澤征悦の×××。。
馴染めるのか? ある意味、馴染めないのか??
(サイト、行ってきました。確かにここには乗せづらいかも…)

■どじちゃん

> 上の写真の右のおにーちゃん、若っい小澤征悦って感じに見えます。
> フィリピン人にも、こういうカッコいいにーちゃんがいるんですね。
うん、似てるね。オザワに。
この子はハーフとかじゃないかなと思いました。かわいいよね。

> (サイト、行ってきました。確かにここには乗せづらいかも…)
そうでしょお!? 一体どんな映画か?と思うよね。
使える画像がなくて苦労しちゃったよー

男の映画

「蓬」は女性客が多かったのに、この映画のときは客席が男性ばっかりになって、焦っちゃったよ。
小児割礼のシーンで、男性客が一斉に「ううっ!!」と声を上げたときは、「わからなくてゴメンナサイ」という気持ちになりました。

同じアジア映画でも、日本と似た生活レベルの台湾と、フィリピンでは全く違いましたね。
でも、日本でもこのまま経済格差が広がると、フィリピンのように貧困層の若者が性産業で働くのが普通になってしまうかも・・・と危惧してしまいます。

帰り道でのため息を吐くような感想…。
「息子ってそんなに可愛いんかい?」

息子がいるのは私だけだったので、なんとか返事をひねりだそうとしたのですが、あんな大きな愛はありません。はい。
子供は未来からの預かりものだという意識が強いです。
日本の場合、子供が独り立ちするまでは、全力でサポートする。
その後はまた夫婦で向き合う、と考えるカップルが多いんじゃないでしょうか。

”良い息子を持つことが、一番の年金”はアジアのどこの国の格言?


今見てもエンゾって加勢大周に似ていると思う。

■ゆっきー

> 「蓬」は女性客が多かったのに、この映画のときは客席が男性ばっかりになって、焦っちゃったよ。
え、そうだった!? たしかに言われたら・・・。

> 同じアジア映画でも、日本と似た生活レベルの台湾と、フィリピンでは全く違いましたね。
これは誇張したものなのか、よくある話さ、なのか・・・?? ちょっと考えちゃいました。

> でも、日本でもこのまま経済格差が広がると、フィリピンのように貧困層の若者が性産業で働くのが普通になってしまうかも・・・と危惧してしまいます。

ううう・・・そこまで考えつかなかった!(笑)

■herちゃん


> 息子がいるのは私だけだったので、なんとか返事をひねりだそうとしたのですが、あんな大きな愛はありません。はい。
→<よもぎ>の話ですね。
herちゃんの答えが明解だったので、「あっそ」と大いに納得しました(笑)

> ”良い息子を持つことが、一番の年金”はアジアのどこの国の格言?
どこのか知らないけど、アジア的発想には違いないな。
現代は、あてにならない息子より娘、という話になってるかも。

> 今見てもエンゾって加勢大周に似ていると思う。
どじちゃんは世界のオザワJr派、herちゃんはカセ派です☆
まだ他にもそっくりさん意見が出そうなエンゾ。

> 帰り道でのため息を吐くような感想…。
こういう映画祭ってああいう人知れずひっそりなとこでやってるつうのもキモチ盛り上がるな。
あの原宿の夜道・・・味わい深かったね。

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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