高英男ワンマンショウ ― 人生漂泊の途すがら

「高英男ワンマンショウ―人生漂泊の途すがら」

高英男ワンマンショウ―人生漂泊の途すがら高英男ワンマンショウ―人生漂泊の途すがら
(2005/06)
高 英男鈴木 剛彦

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以前読んだ <「薔薇族」の人々> の中での 伊藤文学のひとことから始まった、中原淳一先生を巡る旅。

<父 中原淳一> <夫 中原淳一> と来て、この 高 英男 (こう ひでお) の自伝が終着駅となるのでしょうか。


その昔、たしかにシャンソンブームというのがあったよなあ。
だから当時は、高英男をテレビで見る機会が何度もあった。

こどもゴコロに、なんかけったいな人だな、と思った。
それは多分に 「男性で初めて化粧してステージに登場した歌手」(P.51)
だった部分が大きいが、とにかく異様なオーラを放っていた。
(このメーキャップは中原淳一がアドバイスしたというのも今回わかった)

===
生い立ちから始まり、歌手としてのキャリアを追って行く。
恥ずかしながら、高英男がこんなに多くの仕事をしていたとは知らなかった。
(→ その長年の功績により、1989年紫綬褒章、1992年フランス国家よりフランス文化勲章シュバリエ章、1995年勲四等旭日小綬章受章)

高英男は、天性の表現者であり、アーティストであった。
常に走り続けていた。
その点で中原淳一と通じるものがあり、二人は互いに尊敬し合い、刺激し合っていたのだろうな。

この本では高英男の口から、中原淳一について多くは語られず、ところどころに出て来る時は、
「中原先生はすごい人」
ということであった。


この自伝は、インタビュー形式をとっている。
ライター 鈴木剛彦が聞き、高英男が答えていく。
これが・・・非常に読みづらい。

この形式自体はよくあるものだけど、この読みづらさはなんだろう?と考えたら、高英男が話した言葉をそのまま文字にしている点にある。
インタビュー形式をとるなら、簡潔に要約すべきだ。
根本問題として、自伝を全編インタビューで綴るのは無理がある。
大筋は文でまとめ、インタビューは部分的に挿入するなりして、メリハリとくふうが欲しかった。

鈴木剛彦は、高英男の話した言葉をそのまま残しておきたい、という気持ちもあったかと思う。
彼に対しての思い入れは強く感じました。

また、本書には 「自分史CDアルバム 1・2巻」が付いている。
ステージやプライベート画像でありますが、この編集もいかがなものかと。
せっかくの貴重な画像なのにもったいないです。
出来るものなら、中原淳一先生が天国から降りて来て、その優れたアートディレクションで作っていただきたかったです。


中原淳一が晩年を過ごした館山の高英男の家のことが出て来て、なんだかうれしくなった。
葦原邦子亡き後、中原の子や孫たちとも仲良くやっているようでした。

仲良きことは美しき哉


最晩年だいぶ体を悪くして、鈴木剛彦とは電話でのやりとり。

――ただこれだけは言っておきたいのは、
僕は 「枯れた」 とか 「わび」 「さび」 って好きじゃない。
やっぱり最後まで色気がありたいと思う。もう絶対に。


これぞ、高英男! という言葉だった。


2009年5月4日 満90歳没 合掌


なんにせよ、高英男の生涯が一冊の本にまとめられたということは意義のあること。
私自身本書を読まなければ、高英男のことをよく知らぬままでした。
この機会を与えてくれた アラスカさんに感謝申し上げます。多謝。




へぇ~、こんなCDもあるのねえ~
高英男や美輪明宏が歌ってて楽しそう

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Comment

チロさん、これ読んでくれたの!?。どうもありがとう。情けない事に、私は途中は飛ばし飛ばしでした。やっぱり読みづらかったし、あのCDの編集も酷かったよねえ。高さんが可哀想でした。

高さんの偉いところは、最後まで中原先生や家族のことに関しては、褒め言葉だけで終わらせて他の事情は全部胸の中に納めたところです。
彼を憎んでいた中原さんの息子さんでさえ認めるほど、中原先生への介護は献身的だったようだし、芯が通った人なんだと思います。それだけに、もう一度脚光を浴びさせてあげたかったな。

■アラスカさん

自伝というのは、その人の生きた軌跡の記録であり、同時に第三者に読ませる作品になっていなければならない。むずかしいジャンルだったのだ、ということを今さら痛感しました。

この本を読んで、高英男という人に非常に好感を持ちました。
アラスカさんのおっしゃる通り、「芯が通った人」ですよね。

> 褒め言葉だけで終わらせて他の事情は全部胸の中に納めたところです。
かといって、きれいごとで終わらせている、という印象は受けませんでした。
中原淳一の最期を「物心ともに支えた」というのも、これを読んで納得しました。
でもそんなことは、ひとことも言ってなかったよね。
そんな人柄が、中原の子や孫に慕われていたのでしょう。
これを読まなければ、彼に対して何か・・・誤解をしたままでした。
中原淳一を巡る旅の最後として良いしめくくりになりました。ありがとう。

ところで、精力的に仕事をした高英男、ライアン・オニール主演の映画に出ていたなんて!?
驚いた!!(出番はカットされちゃったけど)
あと、パリでの三島由紀夫のエピソード、おもしろかった!

またまた守備範囲の広いチロさん!
私も興味がわいたので図書館で借りて読んでみました。
「父、中原淳一」「夫、中原淳一」奥さんは、名前は知らなかったけど、こどものころ見た再放送のドラマなどで
よくお母さん役してた人だとちょっと驚きました。
あのお母さん役の人がこういうプライベートをもっていたとは、さすが役者さんという感じです。
「高英男ワンマンショウ・・・」も探して読んでみたいです。

■たらちゃん


> 私も興味がわいたので図書館で借りて読んでみました。

おお、それは奇特な!(笑) ありがたいです。

> 「父、中原淳一」「夫、中原淳一」
この二つを読むと、この高英男自伝も読んでみたいと思っちゃうよね。

> あのお母さん役の人がこういうプライベートをもっていたとは、さすが役者さんという感じです。

そうそう、後年の葦原邦子は気のいいおばあちゃん役が多かったですよね。
おっしゃる通り、それだけに、プライベートとのギャップに想いをいたすと複雑な気持であります。

内藤ルネ先生も自伝で、「中原先生とのことは(いろいろあったけど)、ご家族がご存命なので何もいいません」と言っていたけど、高英男さんも同じスタンスでした。
黙して語らず。これぞ古き良き日本の美徳ではないかと思います。
あれやこれを知りたいという野次馬根性もあるけれど、語られないことで満足することもあるってことです。

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Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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