ただ、ひとりの父親

「ただ、ひとりの父親」
(2008年/Solo un padre)


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皮膚科医で30歳のカルロには、生後10ヶ月になる娘のソフィアがいた。彼女の面倒を見ていた両親がヴァカンスに出かけたため、カルロが彼女の世話をするが、思うようにはいかない。同じ頃、脳機能の研究のためにトリノに来たフランス人のカミーユとジョギング中に出会う。時々、娘の面倒を見に来てくれるようになる彼女と親しくなるにつれて、カルロは失われた感情を取り戻していく。心に傷を負った人間が、生きることの大切さを知り、再生していく過程を穏やかなタッチでたどるハートフルなドラマ。

【2010年 イタリア映画祭 上映作品】


バンビーノ好きのチロ、ストライクゾーン ド真ん中! ということでチョイスした一作。

我的にこの作品が今年の myベストだったかな。


イタリア映画って全く予想外の展開になるものが多い。
昨年見た <ジョヴァンナのパパ> も、コメデイと思っていたら、どよ~んとヘビーなシリアス物だった。
今作も、シングルファザーが知り合った女性にこどもがなついたことでラブに発展するっていう、テッパンラブストーリーだわよね、と誰しも思う。
ところがそんな甘い予想は裏切られていくのだった――

クリニックを経営する皮膚科医のカルロには、生後10カ月の娘 ソフィアがいる。
ふだんはカルロの両親がソフィアの面倒を見ているのだが、二人がヴァカンスに出かける為、カルロが彼女の世話をすることに。


なぜ彼はシングルファザーなのか?
ソフィアのママはどうしたのか?
映画はなかなかそれを明らかにしない。
我々はどこかもやもやとしたまま見ることになる。
実はその見えない彼女の存在がこのストーリーのキモとなる。

カルロは心に傷を抱えていたが、それは誰も知らない。
今過去と向き合い、娘の為にも強く生きようとする――


先に 「イタリア映画祭にはいい男がいない!」 と書きましたが、このカルロ役 ルカ・アルジェンティーノは、例外と言えましょう。

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イタリア映画祭2008上映作品 <対角に土星> で、ゲイのカップルの片割れを演じた。
その時はスーツをビシッとキメたやり手のビジネスマンだったけど、今回はまた違った顔を見せる。

ゲイと言えば、カルロのクリニック、ドクターの一人がゲイという設定。
彼とルームシェアをしているヘテロのドクターが朝来るなり、
「カルロ、聞いてくれよ、こいつ昨日また男を連れ込んでさ・・・」
なんてセリフに笑ってしまった。

カルロを含めた彼ら三人は仲が良く、仕事帰りにしばしばカルロの家に集まったりする。
男三人 うちメシ!!
日本なら、お惣菜やら弁当を買って来そうなもんだけど、さすが イタリア!
ゲイのドクターが料理してました。
毎回フジッリをトマトソースで和えるだけというワンパターンだったけど(笑)
そんなシーンもイタリア映画の楽しみであります。

===
映画祭前半は、監督や俳優の舞台あいさつがあるというので、その辺りで日程を組んだのに、チロの取ったチケットは全てその予定がなくがっかり・・・。
と思っていたら、急遽この映画の監督 ルカ・ルチーニが登場!!

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ルカ・ルチーニはそこいらの俳優よりずっと男前☆


Q&Aはまたしょーもない質問が多かったけど、監督の話からこの作品の本質が見えて来て、有意義なことこの上なし。
ほほ~そういうことだったのか!? 映画を見ているだけでは気づかなかった!

この作品のテーマは、「現代人の脆弱性」とでも言えばいいのか。
カルロはリッチで家族・友人・仕事にも恵まれた人間、しかしそれゆえに実は脆弱な一面を持っている。
日本では 「草食系男子」 が増えているというが、傷つきやすい、傷つくことを怖れる若者の急増というのは世界的な傾向なのだ。
ラブにばかり気がいっちゃって、本質的な問題を見過ごすとこだった。

作品を掘り下げる、監督やキャストからその意図を知ることが出来るというのは映画祭ならでは。
その点でもこの作品が強く印象に残ったのでした。

===

カミーユを演じた Diane Fleri、チャーミングで見ている人は皆 「うまくいけばいいのにな」 と思うはず。

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ソフィアがとってもプリチー☆ だし、カルロのパパぶりにも はあはあします!
バンビーノ好きには超おススメ! たまらん、たまらん。
(こどもを相手にした時、役者はいい表情をするよね)

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Comment

お豆ちゃん

この作品、良かったですよね。
案外テーマが深くていい意味で裏切られたというか。
ルカ・アルジェンティーノって、扱い方によっては嫌みなルックスになっちゃいそうなんだけど、こういう役柄はとても良くマッチしてた気がします。
カミーユを演じていた、ディアーヌ・フレーリは
『マイ・ブラザー(Mio fratello è figlio unico)』で、
ヒロインを演じていた女優さんで、私は彼女のルックス好きなんですよね。何か健康的な美人って感じで。
イタリア映画にはいい男がいないと嘆いているチロさん、
この『マイ・ブラザー(Mio fratello è figlio unico)』は、
おすすめです(笑)

監督のルカ・ルチーニは、優しそうな目元が印象的で、
本当に実物も男前でした。
私も舞台挨拶とQ&Aがあるとは思ってなかったから、
嬉しいサプライズでしたね。

■たみきさん


> いい意味で裏切られたというか。
そうそう、それだ!

> ルカ・アルジェンティーノって、扱い方によっては嫌みなルックスになっちゃいそうなんだけど、
そうなんだよ~!! けっこエグい顔だよね。
<対角に土星>の時はちょっと苦手なタイプだった。
今作はいいかんじの役作りだった。

>ディアーヌ・フレーリは 何か健康的な美人って感じで。
そうそう!! この人の形容詞は ヘルシー だよね!
私もファンになったよ。

> イタリア映画にはいい男がいないと嘆いているチロさん、
> この『マイ・ブラザー(Mio fratello è figlio unico)』は、
> おすすめです(笑)

え、ほんと!?(ヨダレ)
チェック入れときます。メモメモ

> 監督のルカ・ルチーニは、優しそうな目元が印象的で、
> 本当に実物も男前でした。
優しそうで、知的で、ヘンな俳優が来るより監督が来てくれた方がずっといいッス。

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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