映画 悪人

「悪 人」(2010)

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朝日新聞夕刊に連載され、毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した吉田修一の話題作を映画化した犯罪ドラマ。九州のとある峠で起きた殺人事件をきっかけに、偶然に出会う男女が繰り広げる逃避行と愛を息苦しくなるほどリアルに描く。


ずっと気になっていたまま未読の 吉田修一 <悪人>、映画が完成し、ちょっと観てみたいなと思っていたら試写が当たったとよ。
試写会2日前から駆け込みで読んだとです。→ 後日UP予定

東宝試写 @有楽町朝日ホール

小説を読む前、映画のキャスティングば見た時、なんだか・・・そそられなかね、食欲わかんとよ、と思ったと。
妻夫木聡・・・うーん・・・。
吉田修一ファンとしてはちょっとしっくりしないとよ(ゴニョゴニョ)
だけどこれが不思議、読み進める内、妻夫木聡でぴたりとはまってきよる。


あー、すいません、この3日間小説と映画、全編ほぼ九州弁漬けだったけんうつったと。これが福岡弁・佐賀弁・長崎弁で、チロには違いはわからんとよ。
九州の人、これを見てたらごめんちゃ! な~んちゃってってことでひとつ。

さて本編、始まったらア然・・・。
そこには土木作業員の ”清水祐一” がいたとよ。
今まで見て来た妻夫木聡はどこ? どこにおるね?
祐一がのりうつったとしか思えんばい。

特に祐一が時折見せる虚無的な表情、これがよかよ。
妻夫木聡の見方を変えんといけんやった。
あまりに ”清水祐一” だけん、妻夫木ファンはこの作品を見てどげん思いよっと?と気になったと。

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筋立ては原作から手を加えられ驚くほどシンプルになっとう。
原作の幾層にも重ねた人物造形、細部にこだわったエピソードなどは削ぎ落とされとるけん、ある意味テンポよく進む。
脚本は、原作者・吉田修一と李相日監督の共同執筆。
吉田修一ば参加しよっとやけん、納得出来る。


――俺、もっと早う光代に会っとればよかった。
もっと早う会っとれば、こげんことにはならんかった・・・


この時の妻夫木聡の表情がせつなかよ。


魂が引かれ合うように出会う光代に深津絵里 熱演。
彼女がしゃべる佐賀弁が(佐賀の人だからそうだよね)柔らかくてよかね。

性根ばくさっとるボンボンの大学生 増尾に 岡田将生クン。
ワル役 新境地! いいぞ!
やっぱりこの役は、超イケメンが演ってくれんといけんよ。

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事件の被害者に、満島ひかり。これまたぴったり!
柄本明、樹木希林は言うに及ばず、脇役まで豪華キャスト。
音楽 久石譲、美術 種田陽平(<不夜城><KILL BILL>)と、東宝社運を賭けての渾身の一作。

尚、映画のラストは小説とは若干違っとおよ。
だけん、小説の読後感と映画を見終わった時のそれとは違うものがあったと。
映画のラストシーンは、映画でしか表現できんとよ。
そげなエンディングやったと。

関連記事; 「悪 人」(小説)

小説 悪人PageTopジェニファーズ・ボディ

Comment

お上手!

これは九州の人間としては、観らんといかんね。
ぶっきーは福岡の人だから、博多弁は流暢やったろうねぇ。

>福岡弁・佐賀弁・長崎弁で、チロには違いはわからんとよ

こげなこと言うたら、福岡と長崎の人に怒られます。
佐賀は福岡の人からは特に、田舎もんとバカにされておりますからね(ちなみに私は福岡在住の佐賀んもんです)。

東京の人からしたら、どっちも一緒やんって感じでしょうけどね~(笑)

■りおこさん

おお、本家からのコメント、ありがとうございます。

>観らんといかんね。
これは大ワザ!「~らんと」つうのは、トーシロにはよう使えんとよ。

> ぶっきーは福岡の人だから、博多弁は流暢やったろうねぇ。
あ、そうなんだ。九州の人だったのか。
それで、原作を読んでこの役をやりたい!と熱望したのか。納得ッス。
ぶっきーは映画では長崎の漁村出身の役なんす。どう違うのかな。わからんと。

> こげなこと言うたら、福岡と長崎の人に怒られます。
> 佐賀は福岡の人からは特に、田舎もんとバカにされておりますからね
うーーん、これは全くわからん感覚やね。

> 東京の人からしたら、どっちも一緒やんって感じでしょうけどね~(笑)
はい、たしかに(笑)

吉田修一は、主要キャラクターはそれぞれの街からイメージしたと言いよっと。
九州の人だったら、感覚として理解できるでしょうね。
観らんといかんよ!

最近はもっぱらバカ犬相手に、
「チ○はかわいかねえ。かわいか、かわいか」
と、ひとり九州弁ごっこやってます。

拝読しました。

レビューを拝読しました。逃亡の話ですか。
ジャンルは違いますが、昨日の午前中、60席ほどの映画館で『東京島』を観ました。客は男性が多い満席と思いきや、
男女とも、4・5人でした。
主人公の女性を見て、ギャグ漫画『ジャングルの王者 ターちゃん』のジェーンを思い出しました。

■エキストラさん


> 『東京島』を観ました。
> 男女とも、4・5人でした。

そ、それはしょっぱいですね。
で、エキストラさんの感想はどうだったんでしょう?

エロスがない!! との辛辣映画評を読みましたけど。
原作では、ヒロインはおばちゃんなんですって?
そのおばちゃんが逆ハーレムになる、というところがミソなのに、
映画版では美し過ぎますね。
おばちゃんにした方が絶対エロス度は増したでありましょう。
おばちゃんは劣情をそそりますからね。

> 主人公の女性を見て、ギャグ漫画『ジャングルの王者 ターちゃん』のジェーンを思い出しました。
未読でありますが、表紙だけ見るとアメコミのパロデイでかっこいい。
これでギャグ漫画?

返信

ご返信、ありがとうございました。
映画館は、6分の1の客でした。
内容は、あらすじなどで濃いめでした。知らなかったですが実話がモデル。『冒険漫画』は、20数年前、掲載時にチラッと。脱線ありです。

■エキストラさん


> 内容は、あらすじなどで濃いめでした。知らなかったですが実話がモデル。
ええーーーっ!!! 実話!? まさに事実は小説より奇なり。
濃いのかあ・・・。

映画と本レビュー

チロちゃんの映画と本のコメント読んで、見たくなりました! 映画、そのうち中国サイトでUPされたら見ま~~~す♪

見たら・・・・

絶対に・・・・

わたしのことだから、斎藤君の佐賀弁バージョン、作るだろうな~~~~あは★

■ばるこ白みるくさん

> チロちゃんの映画と本のコメント読んで、見たくなりました! 
うん、絶対見て欲しいよ。

>映画、そのうち中国サイトでUPされたら見ま~~~す♪
ヤバい、ヤバい。

> 斎藤君の佐賀弁バージョン、作るだろうな~~~~あは★
みたいみたいみたいーーーー!!!!

映画観てきましたー。確かに原作よりシンプルになってたな。美保も出て来なかったし。

ほんと、妻夫木がどこにもいなかった。清水祐一でございました。
妻夫木を最初に観た時がテレビドラマで悪役だったので、彼の悪人役は楽しみだったんだけど、原作を読んだ時点で「これは私の期待している悪人ではないぞ」と覚悟して観ましたよ。
全然かっこよくないぶっきーだったけど、良かった。

ふかっちゃんの佐賀弁、可愛かったですね。
確かに柔らかい雰囲気だった。


祐一の実母が余貴美子で内心笑った。似合い過ぎ。
それから、松尾スズキもドンピシャなキャストだった。
でも一番似合ってたのは、チロさんも書いてるけど、
岡田くんね。あの美形であの悪さ。最高ですよ。


■tamikiさん

> 確かに原作よりシンプルになってたな。
あの密度の濃い長編を脚本にするのは大変な作業だよね。

> 全然かっこよくないぶっきーだったけど、良かった。
そうなんだよね! 全然かっこよくなかった。
こんなにかっこよくないぶっきー初めて見たもん。
(そんなことを、今日いいともでふかづちゃんも言ってた)
ファンはそれでもいいんだ。ま、作品が良く出来てればいいよね。

> ふかっちゃんの佐賀弁、可愛かったですね。
> 確かに柔らかい雰囲気だった。
この人って、大分の人だったのね。
やっぱ、本場もんは違うわ。

> でも一番似合ってたのは、
> 岡田くんね。あの美形であの悪さ。最高ですよ。
だよね、だよね~~ 岡田くんをキャスティングしたって、エラい!
岡田くんもよく出てくれました。

遅まきながら失礼いたします

無駄な所は無いはずだが、上手く脚本に納められていると思います
剪定をして更に魅力が増した盆栽のよう
面白かったです
チロルちゃんに怒られるであろうが、妻夫木聡もう一歩超えてほしかったと思ったのを覚えています
普通の祐一が悪人になってゆく姿が見たかったです

■けんちゃん


> 無駄な所は無いはずだが、上手く脚本に納められていると思います
> 剪定をして更に魅力が増した盆栽のよう
> 面白かったです

やっぱり吉田修一作品を映像化するにはそぎ落とすしかないっすね。

> チロルちゃんに怒られるであろうが、妻夫木聡もう一歩超えてほしかったと思ったのを覚えています
> 普通の祐一が悪人になってゆく姿が見たかったです

ほうほう
ブッキーは祐一でやり残した何かを、「怒り」の優馬にぶつけたのかも知れません。

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追記・その他

  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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