第十七捕虜収容所

「第十七捕虜収容所」
(1953/STALAG 17)


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(1999/12/14)
William HoldenDon Taylor

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名匠、ビリー・ワイルダー監督による異色戦争ドラマ。
ドイツの悪名高き“第17捕虜収容所”を舞台に、スパイの嫌疑を掛けられたアメリカ人軍曹の孤独な戦いを描く。



この作品は、昔ずっぽりビリー・ワイルダーにハマっていた時観たとです。
ずいぶん前なので例によってすっかり忘れてしまっているのですが、犯人(スパイ)が誰だったか、というのと、観終わった時の爽快感だけははっきり覚えてる。

かねがねもう一度観たいと思っていたところ、るりちゃんが 「戦争映画を観て感想文を書け」という宿題が出たというので、これを推薦した次第。


収容所の、ある棟を舞台に話は進む。
この棟から二人が脱走するが、みつかって銃殺される。
後にどうやら計画が漏れていたことがわかる。
以降この棟の情報は全て所長側に筒抜けになっている。
この中にスパイがいる。誰がスパイなのか? 
みな、疑心暗鬼になって行く。
真っ先に疑われたのが、セフトンだった――

このセフトンというキャラクターが興味深い。
商才に長けているというか、悪知恵が働くというか、何でも商売に結び付け儲けている。
ドイツ兵と密かに取引し、豊富な物資を貯め込んでいる。
とーぜん、一人勝ちされちゃあ周りはおもしろくないわな。
一匹狼の彼に反感を持つ者も多い。

セフトン演じる ウイリアム・ホールデン、主役なのだがみょーに影が薄い。
観客は彼に共感しない。いや、ワイルダーが観客に共感させないのだ。
いわば、セフトンはアンチヒーローなのだ。

そしてみんなの怒りのマグマは頂点に達し、セフトンはリンチに。
観ているこちら側もスパイが誰かわからない。
本当にセフトンかどうなのか?

(以下ネタバレ含む)





リンチ後、セフトンは言う。

――この中で誰がスパイが知っている者が二人いる。
俺と、そのスパイ本人だ


このひとことで観客は、ああ、犯人は別にいると確信する。
ここから展開が一転する。
リンチを受けたことをきっかけに観客はセフトンに共感し、一緒に犯人捜しを始めるのだ。
セフトン=ウィリアム・ホールデンはここから存在感のある主役に変貌を遂げる。

実はこの後スパイが誰かはあっさりわかるのだが、命題が出来る。

このスパイをどうするか?
移送されてきたアメリカ軍のヒーローである中尉をどうやって脱走させるか?

観客はセフトンに寄り添い、一緒に考え行動を共にする。
この後半に畳みかける脚本が素晴らしい。

二つの命題はどうなるのか?

観終わった後、なんとも清々しい、爽快な気持ちになるのだった。

尚、このセフトンというキャラクターの勝利か、ホールデンはこれでアカデミー賞主演男優賞を受賞した。

===
ともすると殺伐とした展開になるところ、二人の「道化」が和ませる。
ワイルダーのユーモアセンスが発揮されるところ。
この「道化」は ”古典的”で、古臭いと感じる向きもあるかも知れないが、古典的ということは ”普遍的”でもある。
洋の東西を問わず、いつの時代にも通じる笑いがある。

二人の内、巨漢 アニマル役 ロバート・ストラウスは、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。


===

今回観て おもしろいなあ、と思ったのは 収容所の様子が <大脱走> とそっくりだったこと。
同じような施設がいくつもあったんだろうな。
そしてストーブの下にトンネル用の穴を掘り脱出するという作戦も同じ。
これはおそらくアメリカ諜報組織のマニュアルだったのでは?
あと、じゃがいもを蒸留して酒を作るという同じモチーフも出て来た。

キャスティングで目を引くのは、ピーター・グレイヴス。 <スパイ大作戦>!
歳を取ってからのフェルプスくんしか知らなかったが、若い時はハンサムでびっくり! なのだった。
若い時(この作品当時 27歳)の画像はいいのがみつからなかったの。
↓ フェルプスくんの時は40すぎ。

stalag01.jpg フェルプスくん

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↑ 映画版は、トム・クルーズ主演


===
観終わった後るりちゃんが、
「すご~くおもしろかったけど、これで感想文書けないよ」

さいですな。ごもっともです。



チロ、国技館に行く!PageTopアンティーク~西洋骨董洋菓子店~

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Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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