スプリング フィーバー

「スプリング フィーバー」
(2009/中国+仏/春風沈酔的晩上)


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教師のリンは、夫・ワンの浮気を疑い探偵に調査を依頼する。その結果、相手がジャンという青年であることが判明。夫婦関係は破綻し、ワンとジャンの関係も冷え込んでしまう。その一方で、ジャンは恋人のいる探偵と惹かれ合い、やがて彼らは旅に出るが……。

【第19回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2010)上映作品】

今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭上映作品。
映画祭では主演の二人が来日、ゲストとして登場した。
11月6日劇場公開、やっと観ることが出来ました。
緊急 東京マダム映画鑑賞の夕べ (映画終了後は「龍の髭」にてミーティング)


@渋谷シネマライズ



「魔性のゲイ」 の物語(ほんとか?)
不倫相手の男は妻に浮気がバレて自殺しちゃうし、彼女持ちのノンケ男をおとすし。
浮気を知った妻は職場に乗り込んで来て大暴れ、ノンケ男の彼女は二人の仲を知り傷つき姿を消す。
<アンティーク> 小野の向こうを張る魔性っぷり。


冒頭、男二人、街から離れたところでおデート。
二人はラブラブ、いちゃこらこいている。いきなりのメイクラブシーンもある。
それを手持ちのカメラが揺れながら追い、こちらはなにやらのぞき見でもしている気になる。

この作品の特色はそのカメラにある。粗い質感、暗い画面。
ロウ・イエ監督は、前作 <天安門、恋人たち>(’06)で、タブー(天安門、性的描写)を描き当局より5年間の映画製作・上映禁止処分を受けた。
で、これはその処分を無視し、家庭用デジタルカメラでゲリラ的に撮影したらしい。なるほど~~!

自殺してしまうワン・ピンがあまりにふつーのオヤジで、ヨゴレ趣味の 小日向(漫画家) が好きそうなエラはり・ぽってり唇のナマズ顔。
最初から商業ベースに乗せる作品ではないので美麗なスターなどおらず、それがみょーにリアル感を生む。

奥さんが魔性のジャン・チェンの職場に怒鳴りこんで来るシーンは、まっことおそろしかった・・・。
修羅場!!
ジャン・チェンは旅行代理店に勤めているのだが、彼は職場や友人にカミングアウトしているのだろうか?
そうでなければゲイであるとバレた時、風当たりはいかばかりのものなのか?

ジャン・チェンは、ワーゲンに乗っていたり、いいアパートに住んでなかなかいい暮らしぶり。
中国では、今、旅行業界なんかけっこーアゲアゲなのかもなあ。
などと中国の今を垣間見るのも興味深かった。


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===

「愛を描こうとしたら ”同性愛” が出て来た。
現代の中国では珍しくない。」


反骨の映画人 ロウ・イエ監督は語る。
妻のあるワン・ピンも、彼女持ちの探偵も、ほんとのところの性指向はどうなんだかはわからない。
しかし、人と人が惹かれ合う時、性別の壁というのは意外に簡単に越えられるものかも知れない、と観ながら思った。

ゲイバーのシーンがある。
ショーの司会をしているイカホモなメンズとか、今の中国のゲイ事情ってこんなかんじ?とも。

思えば、<東宮西宮>(’97)は、ハッテン場(紫禁城の公衆便所)で一斉摘発を受けて逮捕されたゲイと警官の物語だった。
この時、中国では同性愛は法的に禁じられているということだった。
今その辺の法律問題はどうなっているのか? 法的にはどうあれ、ある程度オープンになってるのかな。


自殺してしまったワンピン、浮気が発覚しひとまず家には戻ったものの、頭の中はジャン・チェンのことでいっぱい。
だけどジャン・チェンは電話に出てくれない。
アパートの前で彼の帰りを待つが帰って来ない。
浮気の発覚、妻との関係、そんなことは彼にとってどうでもいいのだ。
ジャン・チェンに会えないことだけがつらい・・・というのが伝わって来てせつなかった。
小日向好みのナマズ顔ゆえに、いっそうせつなさが募るのだった。

探偵とのシャワーシーンは、見ごたえあり。
いつも韓国映画で言っているけど、中国の役者さんもエラい!!
ええ~~、けっこハード・・・。

「シャワー室でのラブシーンではすごく大きな壁を越えなければならなかった」

主演男優二人のインタビュー でそうコメントしてました。
これを演出した監督さんも、それに応えた二人もエラい!!
主演のチン・ハオの「両親に対してどういう風に申し開きをしたらいいか」というコメントがリアルでいいですねえ。

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マチェーテPageTopビラル

Comment

貴重なインタビュー記事をありがとうございます。
同性愛シーンも含めて非常にナチュラルに描かれていたことに感銘を受けましたが、2人の俳優にとってはかなり大変な決断だったんですね。
それを全く感じさせないところが監督の力でしょうか。

それと素で見ると、2人ともなかなかイケメン・・・役に入っているほうが「普通の人」っぽい。
それって、すごいことかも。

中国映画、おそるべしです。

■ゆっきー


> 同性愛シーンも含めて非常にナチュラルに描かれていたことに感銘を受けましたが、
そうだよねえ、ほんとに何処にもいそうな人たちで。
なので余計に、あの女装のシーンはやっぱりしっくり来ないと思うのです。
なんでもあのシーンは後から追加したものだとか。
監督さん、どういう意図があったのか、聞いてみたかぁ。

>2人の俳優にとってはかなり大変な決断だったんですね。

どこの国でも役者はそれなりのリスクと覚悟がいるというのは変わらないんだね。
日本映画界よ、立ち上がれ!

こんにちは

>探偵とのシャワーシーンは、見ごたえあり。

ふたりともすっごく研究したんだろうね。
あっぱれ!!

TBよろしく。

■アンソニーちん

アンソニーちん宅の
>ふつうのお腹……
無理に見せなくてもよかったのでは……
そのへんも、彼のようなタイプは自信がなくちゃ、みせないよね。

爆笑!!
アンソニーねーさん、チェック チビしい!
いや、そこまでチロは気がつかなかったッス。

歳月がたってのあのシーンは、髪も短くなって
すっかり男ぶりが上がってたので、そちらに気が行ってた。
前半とずいぶん面変わりしていて、すごい演出だなと思った。

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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