エル・トポ

「エル・トポ」
(1969/メキシコ/EL TOPO/123 min)


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鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が手掛けた伝説のカルト映画。息子と旅を続けるガンマンの、劇的で不条理なさすらいの人生を映し出す。アレハンドロは監督、脚本などを務め、自ら主演も担当。
ジョン・レノンや寺山修司らが絶賛した、強烈な印象を残す衝撃作に目がくぎ付けになる。


”キング・オブ・カルトムーヴィー” と呼ばれるこの作品を、よもや劇場で観られる日が来るとは・・・。

@新宿 K’s cinema レイトショウ

ここの前にヒューマントラストシネマ渋谷でもレイトショウやってたし、そんなに来る人はなかろうと思っていたら、予想以上の入りで驚いた。


全てのカルト映画の頂点に君臨する ”KING OF CULT MOVIE”
40年の歳月を経て、デジタルリマスター版による奇蹟の復活
すべての常識を超える、映画の神秘体験


チロの学生時代がカルトムーヴィーの隆盛期ではなかったか、と今思う。
その時すでに <エル・トポ> は、”レジェンド”=伝説 だった。
リバイバル上映されていたが、当時の自分のキャパを超えるものを感じ未見のまま今日に至った。

2005年 <ミッドナイト・ムービー> : これは <イレイザー・ヘッド> <ピンク・フラミンゴ> <ロッキー・ホラー・ショー> など6本のカルトムーヴィーを取り上げ、”カルト・ムーヴィー” を検証する優れたドキュメンタリであったが、ここでも <エルトポ> は別格であった。
なんせ、他の監督がこぞって絶賛してんすから。
アンデイ・ウオーホール、ミック・ジャガー、デニス・ホッパーらを魅了し、ジョン・レノンはその配給権を買い取った。
まさに ”レジェンド”!
この時、<エルトポ>を観なければカルト映画は語れんなあと思ったのだった。

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アレハンドロ・ホドロフスキー、ジョージ・A・ロメロ 他

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さて、やっとその機会がやって来て・・・

・・・
怪作・・・

観終わった時、この映画を語る言葉がなかった・・・

ストーリーは、大きく二つに分かれる。
息子を連れ砂漠を行くエルトポ、銃の名手。
旅の途中、虐殺された村に遭遇。村を襲撃した悪党のボス=大佐を倒したエルトポは、息子を置き去りにし、大佐の女を馬に乗せ旅立って行く。
その後、最強のガンマンになる為、砂漠の銃のマスター4人と対決する。
卑劣な手段を使い4人のマスターを倒したが、最強であることの無意味さを知る。
そして女に裏切られ、瀕死の重傷を負う。 と、ここまでが前半。

「私は一番強い男が好き。だから4人を倒して。
どんな手段を使ってもいいのよ」


一番じゃないとだめなんですか? 二番じゃいけないんですか?
とツッコミたいところだが、女にそう囁かれその気になってしまったエルトポであった。
息子と二人の時は孤高のヒーローであったエルトポだが、女と二人になってからはすっかり世俗の人となる。

チロにはこの女が、エデンの園でアダムとイヴを誘惑するヘビ に見えた。
女の甘言に乗せられ、4人のマスターと対決するのだが、このマスターたちが、仙人か修行僧のような人たちで、哲学的なことや禅問答めいたことばかり言う。
実力的にもステージが違うと悟ったエルトポは姑息な手段で次々と倒して行く。
4人目のマスターはほんとによぼよぼのじーさんで、

「私を殺して何の意味があるのか。この命に何の意味があるのか」


と、自ら銃の引き金を引いて死んで行く。
エルトポは虚無を知る。

前半のウエスタン部分は、非常に面白い。
どう転ぶかわからないストーリー展開、砂漠の風景も美しく、どのショットも絵はがきになるような素晴らしい映像美である。→TOP画像ご参照


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そして後半 :
エルトポは瀕死のところをフリークスたちに助けられ、20年後に目を覚ます。
地下の洞くつで暮らすフリークスたちを自由にすることに新しい人生の意義を見出したエルトポは、資金作りの為町に出てみると、そこは腐敗した世界であった。
教会もむろん腐敗しており、そこに若い修道士がやって来る。
これが成長したエルトポの息子で、棄てられた恨みから父を殺そうとするが・・・。
この後エルトポによって自由になり地上に出て来たフリークスたちは、町の人々に受け入れられるはずもなく皆殺しされる。
エルトポは焼身自殺する。
息子はエルトポの若妻(小人)とその赤んぼを馬に乗せ旅立って行く。
こうしてエルトポの血脈は続くことになる。

この後半部分は、わっけわっから~ん
目覚めた男がエルトポなのかも、20年の歳月が経過したのもよくわからんかった。
こんなにたくさんのフリークスを見たのは、トッド・ブラウニング <フリークス>(’32) 以来であります。
PCコードが厳しくなった現代では、こういう作品は二度と作れないでしょう。
寺山修司が絶賛したのは、この辺のフリークスがらみが気に入ったんだろう。
そういえば、この<フリークス>こそ、元祖カルト・ムーヴイーだわな。


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町の腐敗っぷりは見るもおぞましく、さながらソドムかゴモラか。
この町は現代社会の縮図なのだろうか。
とにかく後半部分は見ていてけっこキツかった。長いし。
唯一、成長した息子がイケメンで、うっほうほしてしまった。

===

オープニングタイトルに 「製作40周年デジタルリマスター版」 とあったので、ああ、それならおかしな修正はないのね、と安心していたら、冒頭エルトポの息子(7) はだかんぼ の股間にいきなりボカシが・・・。
えええええええーーーーーっ!!!!
はだかんぼの7歳がダメって何!? どゆことぉ!?
それとも7歳だからダメなのか? 対ペドフィリアコードとか?
→ このはだかんぼのコがすっごくかわいいのだ。
ブロンティス・ホドロフスキー (ホドロフスキーの実子)TOP画像 パパの後ろにひっついてるコ

このボカシじゃあ先が思いやられる・・・とクラくなったのだが、終ってみたらボカシが必要なシーンは全くと言っていいほどなかった。
ことほどさようにこの作品は、すごいエロいわけでも、すごいグロいわけでもないのである。
本編ではおびただしい血がたえず流れるが (ホドロフスキーは「生命の源泉」と呼び、こだわりを持っている)、露出と言う意味においてのエロスはなかったのだった。

それでもとにかく観終わって疲労コンパイ。翌日まで引きずった。
「すべての常識を超える」 というのは真実かも。
”衝撃作” であることは間違いなし

え、これが R-15+? 甘いよ、衝撃強すぎ! 
(すっごいエロくも、すっごいグロくもないのにね。なぜそう思うんだろうね)

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20年後に目覚めたエルトポ 銃の名手のクールガイが・・・
(同じ人にみえるぅ~!?)

 

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映画と本のつれづれ日記。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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