ワイルド・サイド

「ワイルド・サイド」
(2004/フランス+ベルギー+UK/WILD SIDE)


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ロシアからの不法移民ミハイル(E・ミキティヌ)、性転換した街娼ステファニー(S・ミシュリニ)、マグレブ人のジャメル(Y・ベルマディ)――社会的弱者の三人が、固い絆を築いてゆく。
ベルリン国際映画祭で、最も優秀なゲイ映画に贈られるテディ賞を受賞。


【現代フランス映画の肖像/ユニフランス寄贈フィルム・コレクションより】 
 その2 @京橋フィルムセンター 


この特集上映のプログラム、ざっくりとチェックしたはずが、<愉快なフェリクス> 以外にもうひとつゲイ映画があったのだった。(アンソニーちんが教えてくれました)
しかもベルリン国際映画祭テディ賞受賞作だし(←権威に弱い人

海外版DVDでこの作品を既に観ていたアンソニーちんから 「暗いよ~」 と言われていたので、覚悟して見ることができました。(実際はそれほど暗くないですよ!)


トランスジェンダーの街娼ステファニー、ロシアからの不法移民ミハイル、マグレブ人(アルジェリア)ハスラーのジャメル、固い絆で結ばれた三人の物語。

この三人の関係って不思議だ。
いちおーはステファニーを中心とした ”三角関係” A-B-C なのだが (ステフがBね)、ABC包括しての関係というか(早い話が3○もありというか)。
精神的なつながりだけでなく、肉体をもつながる生身の関係といえばいいのだろうか。

それぞれに孤独な魂を抱えた三人の過去と現在が交錯して描かれる。
この監督は説明的ショットを嫌うようで、わかりづらいところが多々ある。

ミハイルは元兵士で、悪夢にうなされたりしている。
ロシアで何があったかは明らかにされないが、故郷を捨てるくらいつらいことがあったのだろう。
ジャメルは実家に寄りつかない。弟が会いに来て「かあさんが顔を見せろと言っている」と言う。
ジャメルは家に帰りたくない理由があるようだ。
ステファニーは幼い時に父と姉を亡くしている。
二人はなぜ死んだのか?わからない。

たしかにそれらを詳らかにする必要はないよな。
かつて淀川さんが言ったように、見る側が勝手に想像すればいいことで。
想像する余地を与えてくれているとも解釈できる。
この監督のこういうセンス、嫌いじゃない。

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ハスラー(主に♂相手だが、必要に応じて♀も可のもよう)でその日暮らしのジャメルに
「まっとうな仕事に就けよ」と言うミハイル。
ミハイル自身は中華レストランの皿洗い。毎日残飯を片づけつらい汚れ仕事。
ステファニーは時に変態の客を相手にしたり。
いわば社会の底辺で生きる三人。

ステファニーたちの仕事柄、この作品過激な描写も多い。
これは絶対修正ありにしたらダメだ。この作品の芸術性が損なわれるよ。
映倫の検閲外、映画祭の良さはそこにある。

ステファニーが立ちんぼしているエリアは、トランスジェンダーの仲間と一緒。
世の中にはTG専の人たちが少なからずいるってことなんだな。深い・・・。
ちなみにステファニーはどこから見てもきれいな女の人だけど下は ”工事”していない(→業界用語で言えば、”なし・あり”?)

ステファニー役 ステファニー・ミシュリニは、主役のトランスジェンダーを探していた監督から声をかけられたシロート。
いやいや堂々たる主役っぷり!

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オープニングの ♪あなたは男? それとも女? ~ という歌がせつなくて心に残る。
カフェのシャンソニエ(っていう設定だったのね)が、TGの人たちの中で歌うんだけど、周りで聴いている人たちがみな涙を流している。
あの涙はきっとほんものだったのだろう。魂をゆさぶる歌だった。
アンソニー・ヘガテイ UKのシンガーなのか。この人もTGなのかな?

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監督セバスチャン・リフシッツは、一貫してゲイをモチーフにした映画を撮っている。

テデイ賞はうれしいがゲイ映画を撮ったつもりじゃない。ゲイだとかストレートだとか、そんな境界線はなしに、僕は人間を描いたつもりだ。だから、この作品はジェンダーに関わりなく、いろんな人に観てもらいたいと思う。

監督のコメント通り、うん、そういう作品だったよ。
他の作品も観てみたい。要チェック!

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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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