「ソーシャル・ネットワーク」
(2010/THE SOCIAL NETWORK)
世界最大のSNS、フェイスブック誕生の裏側を描いた伝記ドラマ。ハーバード大学在学中にフェイスブックを立ち上げた主人公たちが、一躍有名人となり巨万の富を築くものの、金や女、裏切りの渦に巻き込まれていくさまを映し出す。マーク・ザッカ―バーグという人にもさほど興味ないし、青臭い若者ばかり出るし、完全スルーしていたら、先日発表されたゴールデングローブ賞で、主要四部門を受賞したではないか!?
→ 作品・監督・脚本・作曲賞
とーぜん、オスカー最有力と思われ、急遽見にいってキタ。
@新宿ピカデリー
久しぶりの新宿ピカデリー、シアター1というのは初めて。
デカい! こんなにデカいキャパのとこも久しぶりだ。→ 580席
(常日頃マイナー映画ばかり見ているもんで)
おもしろい! スゲーおもしろい!!カノ女にフラれた腹いせから、ハッキングするオープニングからどんどん話に引き込まれて行く。
フェイスブック創設までのエピソードと、二つの裁判が時間軸を交錯して描かれる。
もともと 「ハーバードの学生名鑑サイト」 のアイデアを持っていた金持ちエリート ウィンクルボス兄弟(双子)。
マークに手伝ってくれと声をかけるが、生返事のまま。いつのまにかマークは自分で名鑑=フェイスブックを立ち上げてしまう。
ウィンクルボス兄弟はアイデアの盗用だと怒る。
一方、マークのルームメイト、エドゥアルドは、フェイスブックの共同創立者であるが、フェイスブックが巨大化して行く内、その主流からはじき出されてしまう。
二件の裁判の原告はこの二組、期せずして彼らは富裕層で金に困っているわけでない。
両者に共通するのは 「コケにされた」 という思いだろう。
フェイスブックがただの 「学生名鑑」 で終っていたら、こういった裁判は起こされなかったであろう、
一大ビジネスになった為に、人々の欲望、陰謀、裏切り渦巻くことになる。
(アイデアの盗用・・・ウィンクルボス兄弟からするとそう言えるかも知れないが、マークの中では ”全く別個のもの"、彼には独特の美意識があるのだ)
この作品の魅力の一つは、デビッド・フィンチャ―のスピード感溢れる演出にある。
とにかく疾走感があり、心地よいドライヴ感に興奮しっぱなし。
そして脚本、これがいいよ。緻密に構成されているんだわ。→ アーロン・ソーキン
主役のマークに代表されるマシンガントーク、溢れだす言葉の数々。
これもこの作品の売りのひとつ。
主演ジェシー・アイゼンバーグくんもよくがんばった! あっぱれ!
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「この世で一番幸せな人は、幸せのハードルが低い人」観終わった時この言葉が頭に浮かんだ。
今や世界で6億人のユーザー、企業価値4兆円。
巨万の富を得ながら、ザッカ―バーグ自身の孤独を描く。
多くを得る者は同時に何かを失うのだ。
彼は今何に幸せを感じるんだろう?
個人的には、主演のジェシー・アイゼンバーグ、
<ゾンビランド> で気弱なおタク青年を演じていたのに・・・。
たいした出世ぶりにおばちゃん、うれしいよ。
双子のウィンクルボス兄弟を演じた アーミー・ハマー。一人二役だったのね。
デカプリオがFBI初代長官エドガー・フーパーを演じるクリント・イーストウッド作品 <J.Edgar> にも出演している。(これはいつ全米公開?2012年?)
これから ”来る” かもね。
美丈夫!
”うさんくさい大人” 代表 を演じたジャスティン・ティンバーレイク。
彼も年とったってことか。
しかしさ、今が旬の実在の人物を映画化してしまうって早いよな。
映画ではどうしようもないヤツに描かれてるけど、ほんとのザッカ―バーグはそれほどヤなヤツじゃないらしいよ。
「彼らの様な若者の作り出すシステムで生活する将来は気が重いな。
私はもっと触れ合いや奥ゆかしさのある生活がしていたい」
たもたものご意見が実にごもっともなのだった。