「英国王のスピーチ」
(2010/THE KING'S SPEECH)
1936 年の英国。国王ジョージ5世の後継として長男のエドワード8世が即位するが、離婚歴のある米国女性と結婚するために1年もしないうちに王座を捨ててしまう。ジョージ6世として王位に就くことになった弟のヨーク公は内気な性格に加え幼い頃から吃音症に悩み、公務でのスピーチは常に苦痛の種だった。そんな夫を優しく励ます妻のエリザベスは、オーストラリア人のスピーチ矯正専門家ローグを見つけ出すのだった。アカデミー賞前の時点で、全ての映画賞を受賞したコリン・ファース。
テッパンと言われたアカデミー賞は!?
もちろん受賞しましたね。
さて、その演技やいかに??
アカデミー賞授賞式直前に観た。
→ 結局、アカデミー賞は4部門受賞しました。(作品・監督・脚本・主演男優賞)
@新宿武蔵野館
ここの一番大きい 「スクリーン1」 は傾斜がなく横に長いので、前に座高の高い人が座ると悲劇!
「前に小柄な女の人が座っている席を狙って座らないとだめだよ」と知らないおじさんが教えてくれました。
(その点、 「スクリーン2・3」 はとても見やすい)
これはやっぱり役者冥利に尽きる役だよね。
実在の人物でしかも国王、キングスイングリッシュでしかも吃音。
さらに治療が進む内、幼少時のトラウマも明らかになるという内面の演技が求められ。
全編コリンの見せ場満載。
<シングルマン> では、うっと~~り するくらいコリンの英語はステキだったのに、ここでは別人でっす。
こんなにどうしようもないしゃべり方になるのかね、っていうくらい別人。
コリンは吃音の練習に3週間かけたという。
――自分は吃音をやりすぎてないか。
重苦しくなりすぎていないか、に気を使った。脚本のデビット・サイドラー自身が吃音で悩んだ経験があったし、コリンの妹はボイス・セラピストだという。
前半、ジョージ6世のひどいスピーチの後に父王のスピーチが流れるんだけど、これが低音の美声ですんごいうまいんだわ。
父王:マイケル・ガンボン、<ハリポタ> の校長先生。さすが英国演劇界の重鎮。
その辺の対比を見せる演出も良かったな。
映画を観て印象に残ったのは、スピーチ・セラピスト ライオネル・ローグが治療するにあたり、ジョージ6世に ”対等の関係” を要求すること。
こんなこと日本じゃ考えられないよ~
それなくして治療の成功はなかったでありましょう。
ローグがオーストラリア人、ということも関係しているのかな。
既成の概念に囚われないという点で。
そしてなにより、国王の物語を映画にしてしまうなんて。
日本じゃ考えられないよ~
だって、乳母に虐待されていたり、父や兄にイジメられてたりなんて暴露だよ。
そういう英国王室と国民の関係が、うらやましくあったりする。
(現エリザベス女王役の子役の子が美少女☆)
ヘレナ・ボナム=カーターが演じた、故エリザベス皇太后が国民に人気があったというのが、これを見てよくわかった。
率直な人だよね。
ヘレナ・ボナムも、夫・ティム・バートン作品じゃないとイヤ汁が出ていなくて好演だった。

「王冠を賭けた恋」の兄王エドワード、ロマンチックなラブストーリの主役として語られるけど、今回はなんだか利己的でイヤなヤツに描かれていた。
エドワードってエレガントでチャーミングな人だったらしいけど。
ガイ・ピアースはナイッスキャスティングだったと思うよ。
シンプソン夫人が、ド腐れア○みたいな描き方で、イギリス国民の悪意を感じた(笑)
ところでガイピーがコリンの兄って無理がある気がするのは私だけ?
ガイピーって、<プリシラ> のイメージのせいかどうか、なんか弟キャラなんだよね。
(実際はコリンが7歳年長)
神経質なサル顔 (by ばるちゃん
最後にコリンのコメント :
――この映画は王室物ではない。
これはひとりの男が別の男に手を差し伸べる物語なんだ。
つまり誰にも通じることさ。
僕の妻を演じたヘレナ・ボナム=カーターが、
「これはあなたたちの恋愛映画だったのね」
なんて言ったくらい。
彼女は僕らに少し嫉妬を感じていたようだね(笑)あ、そういう映画だったのね。全然萌えないけどね。
>あ、そういう映画だったのね。全然萌えないけどね。
そうだったの!?。私も萌えないけど。(笑)
>シンプソン夫人が、ド腐れア○みたいな描き方で、イギリス国民の悪意を感じた(笑)
「おいおい、訴えられないの」って思っちゃったもんね。