Ricky

「Ricky」
(2009/フランス+イタリア/Ricky)


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 「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督が、翼の生えた赤ちゃんの誕生に右往左往するある家族の姿を、ファンタジックな設定にリアルな心情描写を重ね合わせて描き出していく感動の家族ドラマ。

昨年末公開され、年末のあわただしさに見逃した作品。
どこかでやらないかとギロギロと狙っていたところ、ギンレイでやってくれた! BRAVO!
<8人の女たち>のようなビッグスターを使った華やかな作品を撮る一方で、こういうじみ~な作品も撮れるところがオゾンの強みだよな。

@飯田橋ギンレイホール

久々に行ったギンレイ、名画座も今や入場方法にルールがあった。
上映のラスト30分前は入場禁止(クライマックスに人の出入りがあると落ち着かないから)
入場者は並んで上映終了を待つ。
出場者が出終わってスタッフの指示により入場する。
たしかに昔は無秩序だったよな。最近はシニアも多いので混乱がなくていいね。


工場で働きながら娘リザを育てるシングルマザーのカティ。スペインからの出稼ぎパコと暮らし始めリッキーが生まれる。
が、ある日リッキーの背中にあざをみつける。カティはパコの虐待を疑い、彼は家を出るのだった・・・。


観終わった時、正直言って
 「オゾンは何を言いたいのだろう?」
なんだかピンと来なかった。

「母性」??

女性映画の名手 フランソワ・オゾン、今回オゾンの目はリッキーの姉、7歳リザの目と重なる。
7歳とはいえ 「女」 である。
パコの前、 「女」 になる母を、時に冷ややかにみつめるリザ。
羽根が生えたリッキーを母と可愛がる件り、リザとカティは 「秘密を共有する女たち」 だ。
秘密を共有した女たちの絆は強い。


この作品の特色のひとつ、リッキーの背中に翼が生える過程が異常にリアルなのだ。
最初それは小さなあざであるが、やがてそこから奇妙な突起が出て蠢いている。出血もする。
これがけっこグロくて、<遊星からの物体X> とかなにやら謎のクリーチャーみたい。

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手羽先みたいのがブミブミと動き、少しずつ羽が生え始める・・・。
その色も真っ白じゃなくて、純白とかそういうイメージともちと違う。
これがよく出来ているんだよ。
クリーチャー担当のスタッフ、ごくろーさん!
しかもこれが赤んぼの背中についているんだから、スタッフのご苦労いかばかりか。

なぜここまで翼のリアリテイにこだわったのか?
リッキーは何だったのだろうか?
本当に天使だったのだろうか?
オゾンのインタビューがある。

――(ローズ・トレメインの小説<MOTH>を基にしているが)
ファンタジーは観る人が信じることが出来、感情移入できるようなものでなければならない。
だから翼が突然生えて来て、過程の説明がほとんどない小説と違って僕の映画では、リッキーの翼の成長を事細かに描いたんです。
翼の生えた赤ちゃん=エンジェルという短絡的発想から離れ、観る者によっていろいろな解釈が出来るような作品に仕上げた。
僕にとっては、生えかけの時の形とか大きさも色も天使をイメージさせるものじゃないですね。


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パコ役 セルジ・ロペスって <ハリー、見知らぬ友人> ハリーだったのか。
すっかり熊系になってたからわかんなかった。

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パコに関することで印象に残ったオゾンのコメントがあった。

――”男が父親になれるチャンスはどのくらいあるんだろうか?”というのがこの映画が問いかけるテーマのひとつでもあるんです。
パコには父性を発揮できるような機会も時間も与えられなかったんです。
彼はリッキーが生まれてすぐにカテイに追い出されてしまったのですから。


このコメントを聞くと、フランソワ・オゾンってもしかして本気でこどもを持ちたいのかなあ・・・なあんて。


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父性でしょうか、母性でしょうか

短篇集A ~君がいるからPageTop京番茶

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映画と本のつれづれ日記。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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