穏やかな暮らし

「穏やかな暮らし」
(2010/Italy/Una vita tranquilla)


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ドイツ・フランクフルトの近くで、ホテルとレストランを順調に経営する50歳のロザリオは、妻と息子と穏やかに暮らしていた。しかしある日、若くていかつい2人のイタリア人が彼の元を訪れてから、平穏な日常にさざなみが立ち始める。過去から必死に逃れようとする男を、静と動を見事に使い分けて演じたセルヴィッロが、10年ローマ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。


【2011年 イタリア映画祭 上映作品】

一作目の <アルデンテな男たち> から一転、重く骨太な作品。


イタリアにはさまざまな組織がある。
シチリアには 「コーサ・ノストラ」、ナポリには 「カモッラ」 ・・・。

今はフランクフルトで妻と息子と三人、”穏やかな暮らし” をしているロザリオは、かつて ”組織” の人間で、今はそこから逃れ息を潜めて生きている。
そこにイタリアから若者二人がやって来る。
その内の一人、デイエゴは、かつてロザリオがイタリアに置き去りにした実の息子だった。

組織から身を隠す男のドラマだが、やはり 「ファミリアの絆」 を描いた作品。
といってもいささか変則的な 「絆」 だが。
切ったと思っていたのに切れない 「絆」 とでも言えばいいのか。


冒頭、ホテルの一室に若い男二人がいる。
一人はベッドに寝そべり、一人は洗面所に。
テレビに映るニュース映像、ある会社の若き社長の顔がクローズアップになる。
それを見て一人が、「ハンサムだな」

えっ、これってそういう映画だったのおおおおお???

とヨロコビも束の間、全然 ”そういう”映画ではありまっしぇん。
二人は組織の人間で、ハンサムな若社長は、次のシノギのターゲットだった(がっくし)


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イマドキの若者 左がデイエゴ

そのターゲットの会社の近くにロザリオが経営するホテルがあった。
若者二人はしばらくここに滞在するのだが、ロザリオは心穏やかでいられない。
若い二人のミッションは成功するのか?
ロザリオの ”穏やかな暮らし” は?

イタリアには、けしてドラマの中だけでなく、こういった組織がらみの事件が日常にあるのだろう。コワイ・・・。
そしてこのドラマのもう一つのテーマである父子の関係。

かつて組織から逃れる為、妻と息子を置いて消息を絶ったロザリオ、大人になった今もデイエゴは、父に棄てられたという思いを抱いている。
久しぶりに再会した父は、妻と子の為にはああするしかなかった、という。
正論かも知れないが、息子は納得できない。
目の前のミッションを前に、デイエゴの心は、父に捨てられたこどもの頃をさまよう。

(以下ネタバレあり)

保身のため、若者一人を殺したロザリオは再び組織に追われる。
巻き込まれたデイエゴは事故死する。
ホテルも妻も子も捨て逃げるロザリオ。
男は同じ道をたどることしか出来ないのか。

デイエゴはただ父の愛が欲しかっただけなのだ。
今フランクフルトに残された幼い息子も、かつてのデイエゴと同じ想いを抱くのだろうか。

主役は、トニ・セルヴィッロ。
<湖のほとりで> (2009年イタリア映画祭上映作品)の飄々とした刑事から一転、苦悩する男を演じた。
さすが演技派!

ずーーーんと重い一作。



ぼくたちの生活PageTopアルデンテな男たち/あしたのパスタはアルデンテ

Comment

毎年1作には出演しているトニ

イタリア映画祭で、彼を観ない年はないというくらい、
どこかに出演している、トニ・セルヴィッロ。
今年やっと日本で公開される「ゴモラ」にも出てますね。

彼が出て来ると画面が引き締まります。

今年のイタリア映画祭って、家族愛がテーマになってるものが多くて、割と重厚なものがあんまりなかった気がするんだけど、
これは家族愛も扱いつつ重みがあって面白かったでです。

冒頭の爆発シーンは地震が起きたかとビビったけどw

■たみきさん

> 今年やっと日本で公開される「ゴモラ」にも出てますね。
予告で見ただけだけど、この作品とモチーフ的にかぶるとこが多くない?
マフィアと産業廃棄物処理の会社とのあれこれとか。
マフィアがこんな分野にもからんでくるなんて、世の中変わった・・・と思ったよ。

> これは家族愛も扱いつつ重みがあって面白かったでです。
ええーっ、さすがたみきさん、イタリア映画祭のつわもの!
私にはちょっとヘビーだった・・・。
でもここの組織は、残された妻子には手を出さないみたいね。それは救い。

> 冒頭の爆発シーンは地震が起きたかとビビったけどw
あはは! 椅子から飛び上がりそうになったよ(笑)

そうそう、下半身がだらしない方の若者、画像検索したら、
素の顔はちょっとマジメで知的なかんじだったよ。意外~~!
なので、これからの活躍を楽しみにしちゃう☆

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映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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