ビッグ エデン

[ビッグ エデン]
(2000/BIG EDEN)


Big Eden [Import]Big Eden [Import]
()
Arye Gross、Eric Schweig 他

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ニューヨークでアーティストとして活躍するヘンリーに、祖父が倒れたと言う連絡が入る。
急いで故郷 ”ビッグエデン” に帰ると、そこにはかつてヘンリーの好きだった同級生・ディーンがいた。
再び彼への気持ちを抑えられなくなるヘンリー。そんなヘンリーに恋する雑貨屋の店主パイク。そして、パイクとヘンリーをくっつけようともくろむ地元のカウボーイたち。
理想の町 ”ビッグエデン” を舞台に繰り広げられる、大人のおとぎ話。



【第14回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2005)上映作品】

例年ですと7月は東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の月なのですが、今年は猛暑を避けての節電対策もあり、10月開催となりました。
10月には観られるんだけど、なんかさみしい・・・。
ということで、ひとりレズビアン&ゲイ映画祭をやってみた。
過去の映画祭で未見のものを発掘.。




思えば2005年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭は、名作揃いの年だった。
<ワイルド・サマー> <タッチ・オブ・ピンク>、そして映画祭初の熊系映画 <ベアパパ> などなど充実のラインナップの年として印象深かった。
しかしただ一点、<ビッグ・エデン> を見逃したということがわが生涯の汚点であった (んな、オーゲサな)
気になるけど、ま、いっかとスルーしたのだったが、その後、この作品の評判がいいことといったら。
ああ、痛恨の大チョンボ!

映画祭では、
「”大人の恋愛” 応援キャッシュバック」
40歳以上の人にもれなく500円キャッシュバック!


なるキャンペーンをやっていた。
こんなのをやっていたんだから、見逃しちゃいけなかった!
バカバカ、リンダのバカ!

あれから6年、DVDでやっと見ることが出来ました。


ワクワクと見始めたら・・・



ガーーーーン!!!

字幕がない・・・。

え、マジ・・・??(オロオロ)

ま、字幕を見ないで見られるってことはいいかも、と開き直ってみる。
あとは己のカンに頼ろう☆


ニューヨークで成功したアーチスト ヘンリーは祖父が倒れたとの報せに、故郷 ビッグ・エデンに帰る。
すると、高校時代の親友でずっと好きだったディーンが、離婚して二人の子どもを連れ戻って来ていた。
なんとなく気まずい思いのヘンリーなのに、ディーンはヘンリーとの距離を詰めて来る。


都会で成功したゲイが高校の親友と故郷で再会というシチュエーションは、ちょっと <誓いのkiss?> を思い出した。
クイア映画ではよくあるパターンなのかも。

一方、食料品店の店主 パイクは、ずっと前からヘンリーに想いを寄せていた。
しかし、シャイで寡黙なパイクは、ヘンリーとうまくしゃべることすら出来ない。


主人公ヘンリーのイケてないっぷりに、最初はモチベ ダダ下がりッス! だったのだが、やがて冴えないおっさんのヘンリーが可愛く思えて来るフシギ。
あらすじを見ると展開は読めるのだが、意外に一筋縄ではいかないのだ。

子連れのディーン、どうせストレートだろ、と思っていると・・・。

自宅療養のおじいちゃんの為、家にスロープを付けてくれるディーン(ホームセンターみたいな建材屋のオーナー一家らしい)。
ヘンリーの目の前でいきなりシャツを脱ぎ出した!
えー、なにそれ!?
おまけに汗まみれのシャツをポンっとヘンリーに投げたりして。誘ってんのか、おい!
(意外にいいマッスルをしてた)

bigeden034.jpg
ヘンリーがチラチラッと見るとこがおかしいのだ。



独立記念日の祭りの夜、ヘンリーを送って来たディーンは、車を降りたヘンリーを追いかけ、いきなりアツいハグ!
マジっすか!?

予想外の展開にコーフンしっぱなし。

それをおじいちゃんと留守番していたパイクが見てショックを受けるというお約束。
リンダ、大喜び!

一方、パイクは・・・。
料理が出来ないヘンリーの為、二人の食事をセイヤー夫人が作り、それをパイクが毎夜届けることになった。
しかしセイヤーさんの料理はカロリーオーバー気味。そこでパイクがヘルシーでおいしい料理を作り始める。
パイクも一緒に食べてって、としばしばヘンリーが誘うが、パイクはいつも固辞する。
一事が万事、見ていてじらじらしちゃう。
パイク、動かざること山の如し。これでは何も始まらんよ。

いつもパイクの店には、むさ苦しい7人のカウボーイが入り浸っていた。
彼らは、パイクがヘンリーを好きなことに気づく。
(いっつも入り浸っているんだから、見てたらわかるって話)
ヘンリーの為料理本を取り寄せ研究し、日夜料理作りに励むパイクにカウボーイたちも応援する。
(パイクが健気☆ なのだ)

パイクって、熊系というよりグリズリーみたい。
「気はやさしくて力持ち」 の典型。彼のあまりに不器用な男の純情が愛しい。
パイクはネイティヴ・アメリカン。こういうラブストーリーでは珍しい気がする。
声がまたいいのだ。重低音のウーファーってかんじ。腹にズンと響く。
こういう声は、日本人にはまずお目にかかれない。
ヘンリーの前だと固まっちゃうが、おじいちゃんにはなにくれとなく目を配り、いい人なのだ。
でも、ヘンリーとの距離は少しも縮まらない。

bigeden04.jpg



そんなある日おじいちゃんが二度目の発作を起こし病院に運ばれる。
大事に至らず家に戻って来たヘンリーは、送ってくれたディーンと熱いキス。


beden12.jpg


ホットなキスの後、ディーンは・・・

I can't / It's OK
I can't / I know
I'm so sorry / It's OK
I want to ... / It's OK


(「/」の後ろは、ディーンをなだめているヘンリーのセリフです)

なんだよ、ディーン、この情けなさ! 
ヘンリーにこんなこと言わせるなんてサイテー!


季節は秋になり、感謝祭のディナー、ヘンリーを追いかけて 「もう一度やり直したい」と迫るディーン。
言い合いになる二人。
またまたそれを見てしまったパイクは、傷ついて帰ってしまう。


とうとうおじいちゃんに天国からお迎えが来る。
おじいちゃんは死ぬ少し前に、ヘンリーに
「私に何か言う事はないかい? 自分に正直に生きるように」 みたいなことを言う。


葬式を終えたヘンリーは、ニューヨークに帰る決心をする。
店にやって来て、パイクに星の絵をプレゼントする。
そこにディーンがやって来る。
仲よさそうに話をする二人を見て、デイーンは車に逃げ帰り涙を流す。
ディーンは本当にヘンリーを愛していたことがわかる。
→ ここはせつなくて、ついほろっとしてしまった。

ニューヨークに帰るヘンリーにすねてじゃけんな態度を取ってしまったパイク。
しかし、いてもたってもいられず空港に車を飛ばす。(やっと動いたグリズリー)
駆け付けたパイクだが、飛行機は既に飛び立っていた・・・。

いいですねえ、こういうタイムリミット! すれ違い!


さて、ラブの行方はどうなるのか・・・。


これはファンタジー、おとぎ話である。
カウボーイや田舎のおせっかいでおしゃべりなおばさん、もっともホモフォビックそうな人々が暮らしているのに、ゲイフレンドリーなユートピア。
誰も偏見の目で見ないし、むしろヘンリーたちのラブを応援する。
町には、レズビアンのカップルが一組いて、すっかり受け入れられている。

もしかして、地球のどこかにこんな町があるかも知れない。
映画を見ている2時間だけでもそう信じてはいけませんか。
これがファンタジーであることは、作り手はもちろん、見ているゲイの方々が一番よくわかっているはず。
その心地よさが多くのクイア映画ファンに、この作品が支持されている理由だと思う。

何よりモンタナの美しい風景が見ていて心癒される。
ノスタルジックな音楽の使い方もいい。
ああ、こりゃ、レズビアン&ゲイ映画祭にぴったりの作品だな、と思った。
(パイクの飼い犬 フランセスがおりこうちゃんで、また癒されます)

bigeden06.jpg   癒しの風景



ヘンリーがパイクに惹かれて行く過程が描き足りない、ディーンのヘンリーに対する想いもわかりづらい。
ツッコミどころはありますが、とにかく心地よい作品。
セクシュアルなシーンがない、というのもかえって良い。



bigeden05.jpg


bigeden01.jpg

===

ヘンリーの親しい友人グレイス役で、ルイーズ・フレッチャーが出ている。
久しぶりに見た。
アカデミー賞を受賞した <カッコーの巣の上で> のキャラクターがあまりにキョーレツで、以降あまり見る機会がなかった気がする。
この作品では歌も歌って、芸達者ぶりを発揮している。


カッコーの巣の上で [DVD]カッコーの巣の上で [DVD]
(2010/04/21)
ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー 他

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===
監督 Thomas Bezucha は、この後 <幸せのポートレート>(’05) を撮りました。
尚、日本での表記は、「トーマス・ベズーチャ」 ですが、DVDの監督コメンタリで、自分では 「ベズーカ」 と言ってました。

幸せのポートレート [DVD]幸せのポートレート [DVD]
(2007/01/26)
サラ・ジェシカ・パーカー、ダイアン・キートン 他

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【 追 記 】 2013年4月21日

ディーン役 ティム・ディケイは、今やテレビシリーズ「ホワイト・カラー」で大活躍!
クイア映画に出演してもキャリアの妨げになってない成功例。

bigeden014.jpg

もっともこのシリーズの製作者がゲイという話も。
共演の マット・ボマー もカムアウト済み。

↓ パートナー サイモン・ホールと三人のこどもたち。
 (三人はサイモンと代理母の間のこどもで、マットとは血縁なし)
bigeden013.jpeg

こんなショットもあった!(笑)

bigeden015.jpg



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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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