「プールサイド」
(2011/アルゼンチン/AUSENTE)高校教師のセバスティアンは、目を怪我したと言う生徒マルティンを病院に連れていく。治療後、車で自宅へ送ろうとするが、マルティンは「家のカギを失くし、親と連絡もとれない」と巧みに嘘をつき、セバスティアンの家へ上がり込む。人目もはばからず、裸で部屋を歩き回るマルティンにセバスティアンは戸惑いを覚えるが…。[ ラテンビート映画祭 2011] @新宿バルト9 その2今年 「ラテンビート映画祭」 に突然 行こう! としたのは、実はこの作品目当てだったのだ。
2011年ベルリン国際映画祭テデイ賞 (LGBT映画対象) 受賞。
テデイ賞作品って、なかなか観る機会がないもんね。
高校教師セバスティアンは、目をケガしたという生徒マルティンを病院へ連れて行く。
車で自宅へ送ろうとするがマルティンは、「家の鍵を失くし、親と連絡も取れない」 と巧みにうそをつき、セバスティアンの家へ上がり込む。
マルティンの言動に戸惑いをおぼえるセバスティアンだったが・・・。半裸の若い男の胸、腹、足などの細部をねっとりと映すフェティシズム溢れるオープニングから、うーむとうならされる。
プールから海パン一丁で医務室に来た男子学生が、先生に診てもらっている図とわかり、なあ~んだ、と息を吐いた。
家に入れないというので、生徒を自分の家に連れて来たセバスティアンだったが、こういうことは規則で禁止されているし、気分は落ち着かない。
そんな先生を尻目に、「先生、シャワー使ってもいい?」 などと言い、裸のまま部屋をうろつくマルティン。
そこにちょうどアパートの隣人(おばちゃん) が訪ねて来て、裸で部屋を横切るマルティンに、「あら、まあ」 という顔をする。
スクリーンを覆う不穏な空気に、観ている側は胸がざわざわとする。
何とも言えない緊張感に知らず息を詰めて観てしまった。
ひと昔前だったら、困っている生徒を家に泊めたら 「親切な先生」 ということなのに、今ややっかいな時代になった。
ここから大問題に発展するかも。
生徒を家に泊めたことが学校にバレる。→ 魔性の男マルティンは、 「先生にいたずらされた」 とウソを言う。→ アパートのおばちゃんは近所にあらぬ噂をばらまく
悪い方向に観客の妄想は向かう。
後日マルティンは、鍵を失くしたのはうそで、どうしても先生の家に泊まりたかった、と言う。
マルティンの想いに困惑するセバスティアンだったが・・・。
これアルゼンチン映画だったのね。アルゼンチン映画って初めて観たかも。
スペイン映画とは明らかに空気が違う。
全然 「ラテンビート」 なノリはなく、静かな映画なのだ。
特に後半、セバスティアンの心のゆらぎがせつないくらいていねいに描かれていた。
マルコ・ベルへ―ル監督は、ゲイなのかどうか知らないけれど、セバスティアンの、ブスで性格の悪いカノ女の描き方にミソジニーの匂いが感じられた。
さて、キャスティング :
セバスティアン役 カルロス・エチェバリアのサエないおっさんぶりが目につく。
まだそんな年でもないのに、頭髪もかなりヤバい。
だけど若い時はかなりのイケメンだったのかも?
一方、マルティン役 ハビエル・デ・ピエトロ、女子的目線だと、おそらく
えええーーっ、ちょっとヤダ ってとこだが、ゲイ的目線だと ”どストライク” なのだろう (と勝手に推測)。
このコを見ていて、ボストン・レッドソックス エイドリアン・ゴンザレスの顔がシンクロしたリンダなのだった。
なんか似ているんだよね。今はヒゲをそってもっと似てるかんじなんだけど。
Aゴン、今季は大活躍だった(後半失速したけど)。来季も頼む!
===
さて、この作品が今年のベルリン映画祭テデイ賞受賞作品というのは前述したが、ついでに過去のテデイ賞受賞作についてさくっとチェック入れてみた。
今年のベルリン、テデイ賞 ”審査員賞” 受賞作品が、今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭上映予定の <トム・ボーイ>。
テデイ賞っていってもいろんな部門があるのね。 →
Imdb ベルリン映画祭 ご参照。
過去の主な受賞作品は、
<TATOO -刺青-> (’07)、
この年にヘルムート・バーガーが特別賞を受賞。
特別賞といえば、2009年には、ジョー・ダレッサンドロが、「アンダーグラウンド映画、ゲイアイコン、俳優としての彼の功績」に対して特別賞を受賞しているのに驚いた! ほえ~、評価されてるのね、ジョー。
<WILD SIDE>(’04) も受賞作。
お、近いところでは、
<キッズ・オールライト>(’10) があった。
この年のコンペ作品は、
<無声風鈴>(’09)。 なんだ、けっこ見てるのもあるな。
ってことでひとつ。
好きなタイプではないはずだけど、
ジャックブラックに通じる何かを感じた
うわずみばるこです♪
なんだソレ