愛の悪魔 ~フランシス・ベイコンの歪んだ肖像~

「愛の悪魔 ~フランシス・ベイコンの歪んだ肖像~」
(1998/英+仏+日本/Love Is the Devil: Study for a Portrait of Francis Bacon)

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20世紀を代表する画家フランシス・ベイコンと、モデルであり愛人ジョージ・ダイアーの物語。


冒頭コソ泥がベイコン宅の天井から降って来る。
不審者に気づいたベイコン、見知らぬ男を下から上までガン見した後、

――服を脱げ
ベッドに来たら欲しいものをやろう


どっひゃあ~!! 
こんなことを言うベイコンに どっひゃあ~!!  だが、
黙ってベッドについて行くコソ泥にも どっひゃあ~!! 

bacon21.jpg どっひゃあ~!


これがベイコンとジョージ・ダイアーの出会いなのであった。
ベイコンはジョージに服を仕立ててやり、こづかいを与え、仲間に紹介し、パーティに連れて行く。
ジョージの存在はベイコンにとって創作意欲をかき立てるものであった。
しかしやがて二人の心はすれ違い始め、ジョージはクスリと酒におぼれて行く・・・。


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この作品が製作されたのは1998年だが、それから数年後に再注目されることになった。
2006年、新ジェームズ・ボンドとなったダニエル・クレイグのあられもない入浴シーンがあるという下世話な部分が話題になった。


この作品のことを知ったのは 寛子ちゃんのブログ で、その後寛子ちゃんがDVDを貸してくれたのだが、なんせ字幕がないもので、わかったようなわかんないようなわかんないような・・・。
それから数年後の先日、ふと思い立って、修正があってもいい、チロルは字幕が欲しい! と、日本版DVDを借りて来たのだった。(ごめんね、ジロー、ごめんよ、寛子ちゃん)


”アートな”映画だなあ。
ベイコンの絵さながらに、時にゆがんだりデフォルメされたりと、不思議な映像処理がなされている。
音楽は坂本龍一、彼はベイコンのファンでノーギャラで引き受けたという話も。

昔はこういう ”アート系” 作品ってけっこあった。
公開はシネマライズ。うん、シネマライズっぽい作品だわよ。
昔のシネマライズってこういう特色ある作品をたくさんかけてた。よく通った。
最近は以前のきらめきがない気がするのは私だけ?

この作品を見て一番思ったのは、英国演劇界の重鎮、サー・デレク・ジャコビがこういう役をやってしまうということ。
ベイコンはM男で、ベッドにひざまずき年下の愛人に「ぶってぶって」と目で懇願するシーンもある。
さすがUKの俳優は違う・・・とうなっていたら、

どっひゃあ~!! 

デレク・ジャコビ、2006年に同性婚してた。
お相手は 俳優 リチャード・クリフォード。

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<ヘンリー5世>(’89)などでジャコビと共演。
もっとも二人は27年来のロングタイムコンパニオンというからそのずっと前からのつき合いなのね。

===
実際のベイコンとダイアー。いい写真です。ジョージ・ダイアーはハンサムね。
撮影は、ジョン・ディーキン。
そうか、劇中のベイコンの友人ディーキンはカメラマンだったのか。

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こちらは実際のベイコン。
さすがサー・デレク・ジャコビ、うまく似せてたわ。

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===
日本版DVDには、ジョン・メイブリー監督と主演の二人のインタビュー特典映像あり。
金髪に戻ったダニエルもステキだけど、

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一番キュートだったのはカントクさんです。
なにやら ”かぐわしいかほり” がぷんぷんとします。


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ジョン・メイブリー監督のコメント:

――11年前画家だった僕の恋人がドラッグ過剰摂取で亡くなった。
だからこの作品には特別な思い入れがあるんだ。


あら、今、「恋人」 というのを 「ボーイフレンド」 と言いませんでした?

→ あとで、「セクシュアリティに関しては僕はベイコンと同じ」 とコメントしてた。

ジョン・メイブリーはデレク・ジャーマン組で(それを聞いてますます納得)、<ラストオブイングランド> などで編集を担当。
また、多くのミュージックビデオを手掛け、シンニード・オコナー <NOTHING COMPARES 2 U> でMTV最優秀ビデオ受賞。→ 動画は こちら  (これプリンスが書いた楽曲だったんだ。
<リメンバランス>(’94) は、ベルリン映画祭テデイ賞審査員特別賞を受賞。
最近では、これ ↓ メイブリー作品だったのね。

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インタビューの最後にジョン・メイブリーは言う。

――ダニエルは将来絶対  ”ビッグスター”  になるよ。絶対。

8年後にその言葉が現実のものになるのだった。


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===
そうそう、日本版DVDは全くの無修正でした。
最近規制がゆるやかになったとはいえ、男性に関してはまだまだハードルが高いのにね。
この作品の ”アート性” が認められたのでしょうか。よきかな、よきかな。

デレク・ジャーマン組 テイルダ・スウイントンも出演してます。


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===
サー・デレク・ジャコビのImdbのページを見ていたら、Imdbにこんなリストがあるのを発見!

Gay Actors

トップページの ロック・ハドソン、モンゴメリー・クリフトあたりはいいとして、
どっひゃあ~! という人々が多々あった。もっともバイセクシュアルも含むということだけど。
チャールズ・ロートン、サー・ジョン・ギールグットというまたも英国演劇界の重鎮たち!
レイモンド・バー(<ペリー・メイソン>)やロデイ・マクドウオールまでも・・・。
ネイサン・レインってそうだったのか。<バードケイジ> の演技はそういうことか。
<アグリー・ベテイ> おネエのマーク(ウイルミナのアシスタント)も地だったのか。
同じく<アグリー・ベテイ> の出演者 アレック・マパの名前もリストにあった。今年の映画祭上映作品 <LAに恋して> にカメオ出演していた。 


フレディVSジェイソンPageTop三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

Comment

ベーコン

ケビンでもエッグでもねえw

この名前を聴くたびに思い出す
高校の社会の授業で、哲学者を
選んで発表せよ! 

ベーコンを割り当てられちまって
わけわからん発表したいやな記憶がよみがえる・・・

当時は腐っておらず”純粋”だったので
そちら関係ではなくあくまで哲学に焦点を当て、ほんとか(苦笑)

それよりジャコビ!!!

ほうほう、そうだったのか。知らなかったよ、
彼がそうだったなんて。

しっかし、英演劇界というのは、多いのね~。
重鎮クラスにわんさか。

いやあ、勉強になりました、哲学より(マジ)

■白みるくさん

封印された記憶を蘇らせてしまってごめんよ。ベーコン。

> それよりジャコビ!!!
> しっかし、英演劇界というのは、多いのね~。
> 重鎮クラスにわんさか。

ほんとだよ。いさぎいいのかなんなのか。
UKのカミングアウト率ってUSより高いよね。
ジョージ・マイケルのドキュメンタリでも言っていたけど、
やはりUSよりヨーロッパの方が多様性に対して寛容、
なので当時ジョージはUSからUKに里帰りしたりしてた。
そういえば、Imdbに、coming out star list つうのもあった。

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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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