「トロイ」
(2004/TROY)
紀元前12世紀に起こったとされるギリシャ神話の悲劇を題材に、恋の情熱によって引き起こされたトロイ戦争を壮大なスケールで描いた歴史スペクタル大作。この作品、my三大食わず嫌い王 (by白みるくさん) の一人、ブラピ出演作の為、チロルの中では完全スルーだったのだが、「神話萌え」 としては見なくちゃいかんぜよ、と観たのだった。
すいません、まだしつこく続いてます 「神話萌え」 祭り。
観るまで、何にも考えず、トロイという役でブラピが主演と思っていた。恥ずかしい~~
トロイ戦争を描いた超大作。
トロイ戦争ってはるか昔世界史の授業でやったけどすっかり忘れていた。
冒頭から物語が唐突に始まりちょっとわかりにくい。
欧米では説明の必要がない物語ということなのかちら?
これってかなりツッコミたいストーリーであります。
時は紀元前、和平協定の為スパルタにやって来たトロイの王子二人、ヘクトルとパリス。
が、末王子パリスはスパルタ王妃ヘレンとデキてしまう。
ヘレンは出奔、パリスとトロイへ。
ちょっとちょっと、和平に来て王妃と××なんて、なに考えとんじゃ、ボケ!
そりゃスパルタ王の怒りもごもっとも。
トロイの王子たちは美しいのだ
さらに信じられないことに、トロイに着いたヘレンをトロイの父王は温かく迎える。
この女の為にこれから戦争が始まるというのに。じーさん、なに考えとんじゃ!?
この一家は甘ったれなバカ王子にとことん甘いのであった。
「ヘレンという女一人の為に戦争が始まった」 とざっくり語られているが、実は富裕なトロイを狙っていたアガメムノン(スパルタ王メネラオスの兄)が、これを口実に戦争を仕掛けたのだった。
アガメムノンは自ら総大将となりギリシャ軍を集結、トロイに攻め入る。しかし堅牢を誇るトロイの城壁びくともせず。→ カテナチオですな
攻め手がないギリシャ軍、知将オデュッセウスが 「トロイの木馬の計」 を考えた・・・
という皆さんご存じの流れ。
アガメムノンとアキレスの反目、アキレスとパトロクロスの友情、アキレスとヘクトルの死闘などトロイ戦争のエピソードを押さえたテッパンのストーリー展開。
CGを駆使した大迫力のシーン、カメラも美しく見応えあり。
これぞ21世紀の「トロイ戦争物」!
この作品で印象的なのはパリスの描き方。
恋に狂った愚かな男、文武両道、人望もある兄ヘクトルとは対極。早い話がダメ男。
ヘレンをめぐってメネラオスとサシの勝負をするが、追い詰められて兄に泣きつく。
衆人環視の中、兄の足にすがりつくパリス(恥)
賢明なヘクトル、だけど兄パカ、パリスに代わってメネラオスを倒してしまう。サシの勝負なのに。
という情けな~い、しかし人間くさいパリスをオーランド・ブルームが演じる。
これぐらいチャーミングなら甘やかされてもしゃーないかってことで、ナイッスキャスティンぐ~!
兄ヘクトル エリック・バナ、この人ってなんか重くって苦手なんだけど、ブレないヘクトルに合ってた。凛々しかった。

父王ピーター・オトゥール、史劇やファンタジーになぜUK系俳優が重用されるのか? と常々思っていたが、このオトゥールを見て腑に落ちた。
しゃべらずともいるだけで、威厳や矜持が表現される。
アメリカ人俳優では軽くなってしまう。UK系俳優の存在感の重さよ。
(オトゥールはアイルランドだけど)

世紀の不倫妻ヘレン ダイアン・クルーガー
戦争まで起こした罪なる美貌という点で納得かも。

ナイジェル・テリー(<カラバジオ>)を発見! トロイ王の忠臣の一人。
美しいカラバッジョももう66歳か・・・。画像は
こちらのページ で見られます。
あれ、<カラバジョ> ってショーン・豆様が出ていたのか。
おっと忘れるとこだった!
知将オデュッセウス ショーン・豆! ショーン・ビーン様です! ヤター!

さて、ブラピはアキレス役だった。
やり過ぎだろっつうくらいムキムキのマッスル。類人猿に近い。はあ~、チロル、ダメ・・・。

アキレスは実は半神=デミゴッド、女神テテイスが母。
今回 「神」 は、このテテイスしか登場しない。
誰かと思ったら、ジュリー・クリスティ。
この人もUK系、さすがの貫禄。

半神ゆえ不死身のアキレスだが、パリスの矢が急所に当り息絶えるのだった。
なぜ 「かかと」 が急所となったのか?
かつてテテイスはわが子を不死身にしようと冥界のスティクス川に浸したが、息子のかかとをしっかりとつかんでいた為、その部分だけは”不死” にできなかったのだった。
→ これが「アキレス腱」の由来となり、長じて「強い者の唯一の弱点」の比喩に使われる
'70~80年代に、STYXつうバンドがいましたね。
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つい先日この本を買いました。
これを読んでから映画を見るとわかりやすくて楽しいのです。
目下のチロルのバイブル。
本によると、トロイ戦争は10年続き、ギリシャ軍は勝利したがこの後不幸が待っていた。
帰国したアガメムノンは妻に殺され、オデュッセウスはポセイドンの怒りを買い故郷に帰るまで10年にわたる航海を続けることになる。
ギリシャ神話っておもしろい・・・。
その辺りのオデュッセウスの苦難の大航海を描いたのがこの作品。
(残念ながら地元TSUTAYAにはありまっしえん)
>アメリカ人俳優では軽くなってしまう。UK系俳優の存在感の重さよ。
ぶらぴは、存在の耐えられない軽さを表現するにはいいキャスティングだね。いや全員重くちゃ映画にならないもんね(と、フォロー)
映画より、チロルちゃんのバイブルが気になった。読んでみよっと♪