Water

「Water」(吉田修一)

最後の息子 最後の息子
吉田 修一 (2002/08)
文藝春秋
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短編作「Water」は、ここに収録されてます

週末、前から気になっていた 映画「Water」 を観に行った。
9:50からのモーニングショウ。
ちょっと遅刻してしまった。(10~15分くらいかな?)
とーぜん、映画は既に始まっており、話がよくわからないまま、しばしみていると、いきなりエンドクレジットが・・・。

がーーーーーーん!!!!!

これ、30分の短編映画だったのでした。

切符売り場のねーちゃんも、
「もう映画は始まってますので、入口すぐのお席にしますね」
なんて言ってくれたのはいいけど、
「あと15分くらいしかないですよ」
くらい教えてくれりゃあいいじゃん。 気が利かねーぜ。

ということで、話も何もさっぱりわからず、もやもやしっぱなしなので、即日原作を読んでみた。


吉田修一は、1997年、このデビュー作『最後の息子』で文學界新人賞受賞。
2002年、『パレード』で第15回“山本周五郎賞”、『パーク・ライフ』で第127回“芥川賞”を受賞している。


"芥川賞作家" 
ですよ、あなた!
(権力・権威にヨワい性質です・・)


原作は映画のテーマとは趣を異にしている。

― 長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた爽快感200%、
とってもキュートな青春小説!

という惹句そのまま。
高校生活最後の夏休みを水泳に明け暮れる青少年たち。 長崎ののどかな風景と共に、なんともうらやましい光景が展開される。
しかし、ただノー天気というわけでなく、それぞれに悩みや不安を抱えている。
進学のこと、家族の問題、そして一人は自分の ”性指向” についての戸惑い。

その辺りの ”ノー天気” と ”灰色の雲” の加減が絶妙だ。
そういう日々が、読んでいて微笑ましいと同時に無性にせつない。
どうということのない文章のひとつひとつにグッと来たりする。

女のコを家まで送ったら、終バスが出てしまった。
バスの運転手のおじさんの言葉

――「坊主、今から十年後におまえが戻りたくなる場所は、
きっとこのバスの中ぞ。    
ようく見回して覚えておけ。 坊主たちは今、将来戻りたくなる場所におるぞ」    
と訳の分からぬことを言っていた。


18歳の青少年にはわからんだろうが、今の私にはよ~くわかるよ。
だから、せつなくて、思わず目頭してしまう。


― なあ、凌? お前、ジャン・コクトーって知っとるや? フランスの詩人で
― 名前だけなら
― じゃ、それの「白書」って小説なんて読んだこともないやろ?
― ああ、もちろんない。


い、いきなり、 コクトー!!!
しかし、ここで コクトーが出てくる事で、この悩める青少年・圭一郎の心象がよくわかる。
コクトーを知って、自分の性指向自覚し始め、コクトーに魅かれる、豊かな感性を持つ彼。
そして、それを理解してくれるものは周りにはいない孤独。
彼は大学進学で街を出る予定なのだが、それは彼にとって幸いであろう。
この感性豊かな圭一郎は、作家本人の投影なのだろうか。

高校生活最後の水泳記録会で話は終わる。 そこで不覚にも大泣きしてしまった。
あたしも歳を取ったということなのかしら。



コクトーの「白書」って読んだことなかった。
早速取り寄せてしまいました。

関連記事 : 
映画 <WATER>
<白 書> ジャン・コクトオ     

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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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