「宇宙人ポール」
(2011/USA+UK/PAUL)
陽気な宇宙人とオタクの青年2人が繰り広げる珍道中を、『未知との遭遇』『E.T.』など過去の傑作SFへのオマージュをちりばめて描く。<ショーン・オブ・ザ・デッド> の サイモン・ペグ&ニック・フロスト コンビが帰ってキタ!
今度は ”ゾンビ” じゃなくて、”宇宙人” なのだった。
@渋谷シネクイント
7月に前売りを買った <タンタンの冒険> をやっと観に行こうと渋谷に出かけたら、吹き替え版だった・・・。
急遽これを観たのだった。
SF作家のクライヴとイラストレーターのグレアムはSFおタク。
サンディエゴで開催される 「コミコン」 に参加後レンタカーを借り、SFおタクの聖地巡礼の旅に。
聖地のひとつ、エリア51で宇宙人と遭遇する。
宇宙人ポールを ”故郷” に帰す為、二人は悪戦苦闘する――おもしろい!
サイコーにおもしろい!!
なんつーか 作品まるごとセンスがいい!
なにより脚本がいい!
ギャグのセンスが秀逸で、爆笑の連続!
→ <ショーン~> から引き続き、主演のサイモン&ニックが脚本も担当。
毒舌で皮肉屋 ポールのキャラクターが実に人間臭くいちいち笑える。(だってタバコなんか吸ってるんだぜ)
だけど後半、60年前にポールを助けてくれたタラとの再会のシーンにはほろっとさせられる。
と、うるうるしていると、次にガクッと来るようなギャグをかましてきたり。
終盤は、<未知との遭遇> や <ET> を初めて見た時の感動がよみがえる。
<宇宙人ポール> は、笑って泣ける秀作なのだ。

↓ さすがブリティッシュ

溢れるパロディ精神! <ET> のワンシーンが!

宇宙人ポールはアメリカ政府に囚われていたこの60年の間、人類に多大な貢献をした(本人談)
ポールの自慢話 : ある映画の製作にアドバイスしてやった。
―― 宇宙人の能力のひとつ、”ヒーリング” を使うといいよ、スピルバーグ君
電話相手のスピルバーグ君の声が、ホンモノそっくりで、
「やっぱりアメリカにはスピルバーグのそっくりさんとかいるのね」
と思っていたら、
どっひゃあ~~!実は ホンモノだった。
<タンタンの冒険> で双子の刑事 (原作ではデュボンさんとデュポンさん。なんせまだ観てないからくわしくはわからない) の声を担当していたサイモン・ペグとニック・フロストが撮影中に 「今、こういう作品を撮っているんだ」 とスピルバーグに話したら、出演を快諾してくれたという。
さすが、天下のスピルバーグだよ!
尚、字幕監修をアメリカ在住の映画評論家 町山智浩が担当している。
なので、エッジィなギャグやひねりの利いたセリフが生き生きと伝わってキタ。
グッジョブ!
TOKYO MX テレビ 「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」 でおなじみ。
(未公開ドキュメンタリー映画を紹介する番組なのだ)
マーヴィン・ゲイなど選曲のセンスもグ~☆ (なつかしソングいろいろ)
特にエンディングの 「ALL OVER THE WORLD」、ELOファンにはたまらなくうれしかった。
だってこれ、すっごくいい曲なんだも~ん。
ELOは、もう一曲 「DON'T BRING ME DOWN」 も使われてて、この曲は
<SUPER 8> の冒頭にも使われた。(なんか意味があるのかな?)
笑いあり涙ありラブあり、
何もかもが過不足なく、ケチのつけようなし。
後味さわやかな文句なしの一作。
今年のmyランキング、すでにランクイン決定!

宇宙船のセットをバックにポーズする二人。少年のよう。
この作品、実はけっこー金がかかってるんじゃね~か?
左のニック・フロスト、さらにデブ度が増しておタク度MAXってかんじだったけど、
ときどき目がきらっと知的に光るのよね。さすがブリティッシュ
ありがとうございます。
とっても楽しい作品だったので、是非観てみてくださいネ☆