同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか

「同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか」 竹内久美子

同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか (文春新書)同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか (文春新書)
(2012/01)
竹内 久美子

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三島由紀夫、オスカー・ワイルドからフレディ・マーキュリーまで。古今東西の事例や本邦初公開を含む学説から「子を残しにくいはずなのに常に一定の割合を保ち続ける」同性愛者のパラドックスに挑む。

久しぶりの竹内本です。

おもしろかったーーっ!!

同性愛者は子を残さないか、あるいはバイセクシュアルとして子を残すケースがあるとしても、とにかくあまり子を残さない。
この点においては異性愛者と比べ、自分の遺伝子のコピーを残す上でかなり不利なはずだ。
それなのにいつの時代にも必ず存在し、決して消え去ることはない。
それはなぜか・・・。


誰しもが疑問に思う (え、誰しも?!) 命題に竹内久美子が答える。

本書では、こうした同性愛のパラドックス解明の歴史だけでなく、体や脳の構造や反応の仕方についても紹介する。

◆ 第一章 : 『男性同性愛者は超男性か、超女性か』

第一章のしょっぱなで、
【まずはペニスサイズを測定する】
というのが竹内久美子らしい。

「男性同性愛者と男性異性愛者のペニスサイズを比較したら、
どういう結果が出るだろうか?
差はあるのか、ないのか?
あるとしたら、どちらが大きいのか?」

これは胎児期の性ホルモンの環境に大いに関係する。
結果も気になるが、何にしてもつかみはOK!だ。いいゾ!

【「今夜いっしょに過ごしませんか?」― スラッシュ小説とボーイズラブ】
【汗の ”匂い” は性フェロモン? 三島由紀夫と聖セバスチャン】

など、ぐへぐへしながら読んだ。

◆ 第二章 : 『遺伝子』

【同性愛遺伝子はどこにある?】

ここを読んでいて、あるコミックス作品を思い出した。

今市子 <大人の問題>

主人公 直人は大学生。父親がカミングアウトし、5歳の時に両親が離婚した。
父は最近23歳年下の悟郎とゲイ婚した。
ある事情で父の出張中、直人はその ”新居” に泊まることに。
父の ”結婚” に実は人知れず葛藤していた直人。

悟郎に恐る恐る聞く。

―― ・・・ゲイって
   遺伝するの?
―― ・・・
   するよ
―― うそっ (どーん!)


―― ・・・うそだよ


(ゴローちゃんはいぢわるおネエなのだ)

これを10年前に読んだ時、
「遺伝するだろ、ゴローちゃん!?」
とツッコんだけど、今回その辺りの詳細がよくわかった。

同性愛遺伝子というのは確かに存在するのだが、それは母方の遺伝子による。
母から息子へ、つまり男性同性愛者の母方に同性愛者が多いことが確かめられている。
したがって、直人の父 原嶋裕治さんがゲイであっても、直人に影響を受けることはないと言ってよい。
ほえ~~だよ。スッキリ!

大人の問題 (花音コミックスミニ)大人の問題 (花音コミックスミニ)
(2005/10/28)
今 市子

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◆ 第三章 : 『脳』

脳には男脳と女脳があり、それぞれ得意分野がある。
男性同性愛者の脳は 「超女型」 で、男でありながら男が得意とする分野は苦手だが、女が得意とする分野が得意。
それも並みの女をはるかに凌ぐほど得意。
メイクアップアーチストやスタイリスト、美容師、華道家、ダンサーなどにずば抜けた才能を持つ同性愛者が多く存在するのはこうした背景があるという。

「女性の得意分野(おしゃべりとか)~」 というくだりに爆笑!
なるほど、おネエさんたちがトーク上手なのはそういうことかと大いに納得してしまった。

そして、
◆ 第四章 : 『謎が解けてきた!』

で、結論に達する。

終章で導き出された答えにカタルシスさえおぼえた。

この章では、世界の同性婚の現状などがわかり勉強になりました!
また、エルトン・ジョンの同性婚と息子の誕生の謎と真実など野次馬的好奇心も満たされる。

竹内久美子がフレデイ・マーキュリーの大ファンであることもわかった。
フレディと最後の恋人ジム・ハットンの話が出て来る。
ジム・ハットンが書いた <フレディ・マーキュリーと私> から引いてある。

・・・
・・・
何を隠そう、これ、買ったまま押入れに入ってることを思い出した・・・。
これを機会に 必ず読む! とこの場を借りて宣言したいチロルなのであった。

フレディ・マーキュリーと私フレディ・マーキュリーと私
(2004/05)
ジム ハットン

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遺伝子と言うのは本当に不思議なものだ、とつくづく思った。

尚、キンゼイリポートによると、生涯にわたり同性とのみ関係を持つ同性愛者は4% (バイセクシュアルは13%) という。
クラス (40人くらい) に一人はいるということで、このサブタイトルになっている。

===
久しぶりに、今市子 <大人の問題> を再読。
やっぱり傑作だな、これは。
今市子得意の家族物なのだが、これのいいところは 「うまくまとまっている」 こと。
着地まで完璧に決まった!
最近チロルを悩ませる今市子作品の ”混乱”  は、この時はまだなかったのだった。
(いや、あるっちゃーあるけど、今に比べたらまだかわいいものよ。
だってとりあえず1巻でおさまってるんだから)

ヒューゴの不思議な発明PageTopカオスの中で

Comment

こんにちは。おもしろそうな本ですね。早速さがして読んでみます。

■たらちゃん

> こんにちは。おもしろそうな本ですね。早速さがして読んでみます。
単純に、読み物としてもおもしろかったですよ~~
おもしろくて読み終わるのがもったいなかったです。

2月に『マイウェイ』と3月に『シャーロックホームズ2』を見た。

■ I さん

> 2月に『マイウェイ』と3月に『シャーロックホームズ2』を見た。

2作、いかがでしたか?
骨太作品と娯楽作品。
『ホームズ』は、見たいと思いながら見そびれてます。
早く見ないと。

楽しげな本

面白そうな考察だわ
>同性愛遺伝子は母方の遺伝子による
まじかぁ〜
様々な考察のもとエピジェネティクスなる作用によるとか
しかし、決定的な論文は見当たりませんわね
まっ、わいにはどうでもいい事ですわ ふふっ
今市子先生懐かしおすなぁ


■けんちゃん

竹内久美子は一時期はまってよく読んでいたんです。
一通り読んで、もういっかと思っていたんですが、
これは新鮮な考察本でした。

> >同性愛遺伝子は母方の遺伝子による
> まっ、わいにはどうでもいい事ですわ ふふっ
むむむw

> 今市子先生懐かしおすなぁ
この時は楽しかったなあ。
今は何でもシリーズ化しちゃって、チロル辛抱できんのじゃ。リタイア~

ところで・・・

わたくし、チロルは、
この時(2012年)読むと宣言した<フレディ・マーキュリーと私>を読んでいないことを懺悔しにやってまいりました。有吉反省会
来年の課題図書のひとつとさせていただきます(汗)

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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