愛する者よ、列車に乗れ

「愛する者よ、列車に乗れ」
(1998/FRANCE/Ceux Qui M'Aiment Prendront le Train/
THOSE WHO LOVE CAN TAKE THE TRAIN)


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亡き画家の遺言にしたがい葬儀へと向かう列車に乗り合わせた人々の二日間の旅を通し、ゲイやエイズ、ドラッグなどの世紀末的現実を優しい眼差しで描き出した一編。


<カオスの中で> の主演パスカル・グレゴリーつながりでおススメいただいた作品。

観てミタ。



画家ジャン・バチストが死んだ。
彼の遺言に従って、親しかった者は葬儀に参列する為彼の故郷リモージュに向かう列車に乗る。


登場人物が多いんだよね。
老若男女入り乱れ、彼らがどういう人で彼とどういう関係だったのか?
さっぱりわからない。
わからないゆえに、見入ってしまう。
(おいおいわかってくるのだが)

人物相関図でもあればいいのに。
曼荼羅図があったなら、その中心にいるのはもちろんジャン・バチストってわけだ。

フランソワ(パスカル・グレゴリー) はルイ(ブリューノ・トデスキーニ)に言う。

――あいつ、おまえが俺のフィアンセか? だって。ははは。

なんだか意味深なセリフ。
え、二人は今つき合っているんじゃないの?
二人の関係はどうなっているんだろう?

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一方、ルイとブリュノ(シルヴァン・ジャック)は魅かれ合う。
列車のトイレで欲情したりする。
が、ブリュノは、「そんな気にならない」 と言い出す。

なんなのだ??

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フランソワはジャン・バチストのかつての恋人、ブリュノは最後の恋人だった。
ブリュノはHIV+であり、かつてフランソワとつき合っていたことがわかる。
そして今ルイとブリュノは魅かれ合ってる・・・。
なんて複雑な!

ジャン・バチストの双子の弟リュシアンと息子ジャン・マリとの確執。
別居中のジャン・マリと妻クレール、ジャン・バチストの看護士だったティエリーなど
複雑な人間模様が絡み合う。
それぞれが何らかの問題を抱えている。


「フランス映画は字幕があるのに意味不明で迷子になることがある」
ばるこ白みるくさんの名言でっす。
言い得て妙、この作品もまさにそれだった。

だけどこの作品の場合、それがけしていやじゃないの。
しみじみと心地よいような。
最後にはそれぞれが自分の問題に折り合いを付けるのも心地いい。

リモージュというのは陶器で有名なところだが、靴の製造も盛んらしい。
そして、もうひとつ、ヨーロッパ最大の墓地でも知られる。
18万人の墓地があるのに、リモージュの人口は14万人。

この墓地をまるで空から鳥が眺めるようなシーンで終る。
みごとな空撮。流麗なカメラ。
バックに流れる音楽といい、せつないほど美しいラストシーンだった。
と、同時に一人車で駅へと向かうパスカル・グレゴリーの悲哀に満ちた顔が印象に残る。

「愛する者よ、列車に乗れ」 という邦題も素晴らしい。


===
この作品、パスカル・グレゴリーのクローズアップから始まる。
<カオスの中で> で、チロルはパスカルのことを、
え、これがハンサム? スゴい顔!
と言ったけど、ごめんね、パスカル!
このパスカルはほんとーにハンサムだった。ステキ☆
そして、風呂上がりのサービスショットあり。
パトリス・シェロー、パスカルの見せ方を知ってるな。

<A LOVE TO HIDE> でもゲイ役を演ったブリューノ・トデスキーニ、さすがに若い!!

ブリュノ役シルヴァン・ジャック、美少年なのか何なのか?? なんにせよ何ともいえない魅力がある。

トランスのフレデリック=ヴィヴィアンを演じたヴァンサン・ぺレーズ。
最初トランスとわからなかった。きれいだった。
入浴シーンではうっすらとおっぱいがあり、下は工事前。(みょーにリアルだよ)


train02.jpg 
となりは演出中のパトリス・シェロー


しか~し! 靴会社元社長のじーさんがジャン・ルイ・トランティニアンだったとわ!?
ジャン・バチストと二役だったとわ!?
最後のクレジットを見てはじめて気がついた!
言われてみれば確かに、「双子の兄弟」 と言っていたような。
でもそれがこの二人のことだったとはわからなかったとです (恥)
ね、字幕を見ながらも、”迷子” になっちゃう映画なわけよ。

トランティニアンあまりの変貌ぶり(正直なところ、かなりショック・・・)
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train06.jpg
↑ 若かりし頃


他に、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
この人このひと月で見たの3回目。
サルコジ夫人 カーラ・ブルーニの姉だって。似てにゃい。(ブス? あ、言っちゃった!

ジャン・バチストの棺を乗せたティエリーの車にヒッチハイクで乗って来る若者が、ギヨーム・カネだった。(チョイ役)


===
この作品、日本ではDVD化されておらずVHSのみ。
久しぶりに新宿TSUTAYAに行った。(このビデオは新宿と渋谷にしかないのだ)
ここは来る度に感心する品ぞろえ。
ここぐらいVHSが残っている店舗はないよね。(渋谷店でも同じことを言ったかも)
チロルが観たいと思っている作品はほとんどがVHSのような気がする。
ここはオリジナルの棚ぞろえ、実に捜しやすい。
ヨーロッパ映画 → フランス映画 → (監督別)パトリス・シェロー

明解で涙が出ちゃう。
ノーマークのシェロー作品も発見しそちらも借りてキタ。(後日UP予定)
新宿店は、「カルトムービー」のコーナーが涙もの・・・(ほとんどVHS) 


傷ついた男PageTopドライヴ

Comment

BETTER THINGS

この映画のレビュー、待ってました。

パスカルさん、この映画ではカッコよかったでしょう?

私も、トランティニアンはこれを観たとき、「おじいちゃんになったな~」と思いました。若いころ、素敵でしたよね。

この映画で使われていた「BETTER THINGS」(Massive Attack)という曲が印象的で、気に入ってしまってCD探しました。繰り返すリズムに女性のけだるい声がかぶさっていく曲です。

シルヴァン・ジャックは微妙な美少年というところでしょうか(笑)。確かに顔は端正な感じはしないけど、雰囲気がありますよね。シルヴァンさんは、シエロー監督の「ソン・フレール ~兄との約束~」という映画にもでているらしくて、そこでもゲイ役をやったようですよ。観てみたかったのですが、日本ではDVDにはなっていないようでした。(なんと、来日したこともあったようです!)

他のシエロー監督の映画レビュー待ってます!!

■まつじんさん

おススメ&コメントありがとうございます。

> パスカルさん、この映画ではカッコよかったでしょう?
もうチビりそうなくらいかっちょよかったよお~~~☆

> 私も、トランティニアンはこれを観たとき、「おじいちゃんになったな~」と思いました。若いころ、素敵でしたよね。
あ、やっぱり、そうだよね!
チラチラッと出るジャン・バチストの方(回想シーン)は
芸術家っぽい風貌だったので、あんまりわからなかったんだよね。(老いがさ)
ふたごの弟と同じトランティニアンって・・・ほんと脳内で合致しなかった。

> 「BETTER THINGS」(Massive Attack)という曲が印象的で、気に入ってしまってCD探しました。
あれ、どんなんだっけ??と、さっきようつべで聴いてキタ。
ああ、そうそう、思い出してきた。この曲とこの映画のシーンがマッチしてたよね。
たしかにくせになるリズム。ふむふむ。

> シルヴァン・ジャックは微妙な美少年というところでしょうか(笑)。
がはは!そうそう、うまい! それそれ。
「ソン・フレール ~兄との約束~」
見たいですね。
いつか機会があるような気がする・・・(根拠のない希望的観測

> 他のシエロー監督の映画レビュー待ってます!!
はい! 多謝

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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