木枯らし紋次郎

「木枯らし紋次郎」
(1972)



木枯し紋次郎(30) ~新・木枯し紋次郎編~ [DVD]木枯し紋次郎(30) ~新・木枯し紋次郎編~ [DVD]
(2003/09/25)
中村敦夫

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中村敦夫主演による、無宿渡世の旅をする天涯孤独な紋次郎の活躍を描くTV時代劇。第1~18話収録。


社長が DVD BOXセットを大人買い。
かつての人気シリーズを今あらためて見た。



木枯し紋次郎 DVD-BOX I木枯し紋次郎 DVD-BOX I
(2002/12/21)
中村敦夫、小川真由美 他

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――あっしには 関わりのねえことでござんす


テレビシリーズ <木枯らし紋次郎> は、1972年にフジテレビで放送された。
22:30という遅い時間帯ながら、最終回は32・5%をマーク。
紋次郎の生きざまを表す名セリフは、瞬く間に流行語となった。

奇しくも今年が放送から40年、40年前のテレビシリーズなのに少しも古臭くない。
むしろ紋次郎のキャラクターや斬新なカメラアングルなど、何もかもが新しい。
おもしろい、とにかくおもしろい。

従来の股旅物の明朗な人情味を排し、クールでニヒリスティックな紋次郎像は、
まさに、

時代劇のハードボイルドやあ!

と思って見ていたんだけど、見る内に、うん? ちと違うな、と気づく。

途中行き先を同じにする人々に頼まれると、一度は、
「あっしには関わりのねえこって」 と言うのだが、
「旅人さん、後生です」
と言われると、結局助けてしまうのだ。
時には、「ごめんなすって」 と一度は先を急ぐのだが、気になって来た道を引き返したりする。

紋次郎にクールな男のロマンを見ている社長は、
「ああ、なんでそこで引き返すかなあ!」 と叫んだりしている。

社長、誰にも関わらずただ一人ひたすら歩くだけでは、ドラマとして成立しねえですよ。

時には往生している女や病人を背負い、時には死にかけた男の銭を遠回りして家族に届けたりする。
世の中のしがらみを嫌い他者との関わりを避ける紋次郎でさえ、その ”他者との関わり” を全くなくして生きて行くというのは不可能ということでもあろう。

が、一度関わると紋次郎は、とことんやってしまう。
その人の為に自分には全く関係ない人を斬り、時に自分が死にそうな目にあってもけして見捨てたりしない。
紋次郎の優しさは、自身が天涯孤独ゆえなのか。

しかし強い! 紋次郎のケンカ殺法はめちゃくちゃ強い。

つまり、

―― 男は強くなければ 生きて行けない
   やさしくなければ 生きている資格がない

ということなのだ。
やっぱり紋次郎は、 時代劇のハードボイルドなのだった。

===
このシリーズは、「市川昆劇場」 と銘打ち、市川昆自身が監督・監修している。
マエストロの美意識と大映京都の職人技のみごとなコラボレーション。
この時代の渡世人が道中合羽の中にどんな装束を身に付けているか、小さな荷物の中に何が入っているか、なんてことも垣間見せてくれる。

しかし何といっても紋次郎を演じた中村敦夫でありましょう。
中村敦夫は1940年生まれ、当時32歳。東京外国語大インドネシア語科中退、俳優座入団。
彼自身のユニークな個性とアウトローな紋次郎がシンクロする。
ガタイの良さも買われたわけだが、この撮影はさぞ過酷であったろう。
女や時には男までおんぶして歩くシーンが多々あり、いつ見ても、きっついなあ、と思う。
中村敦夫の下半身はかなり鍛えられていると推察。
たま~にある入浴シーンでは、ムダのない筋肉のボデイが確認できる。
中村敦夫の紋次郎はとにかくかっこいい。社長ならずともそこに 「男のロマン」 を見る。

尚、シリーズ18話中、市川昆自身の監督作品は、#1~3、18。
#7はなんと、監督 森一生、カメラ 宮川一夫という日本映画界のゴールデンコンビ。
他は主に若手を起用したという市川昆のヴィジョンに、新しい勢いを感じる。


===
BOXセットには、中村敦夫や市川昆監督のインタビューを交えた解説が付いていて、これがまたおもしろい。
(セットの発売は、放送から30年経った2002年。この時は市川監督もお元気でありました。貴重なインタビューとなった)
紋次郎の三度笠と道中合羽は、市川昆のオリジナルデザインで、歴史的にはあり得ない代物 (とにかくデカい!)。
マカロニウエスタン フランコ・ネロのマントとソンブレロのイメージだとか。
紋次郎の三度笠はデカくて深いので、丸顔の人だと顔が出ない。だから顔が長くなくちゃ絶対だめだ!っていう条件があったらしい(笑)

↓ たしかに笠がデカい!!

木枯し紋次郎(31) ~新・木枯し紋次郎編~ [DVD]木枯し紋次郎(31) ~新・木枯し紋次郎編~ [DVD]
(2003/09/25)
中村敦夫

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このシリーズの魅力は毎回の豪華なゲスト。
レギュラーは紋次郎一人なので、週替わりにゲストを迎える。
40年前なのでみな若く、既に鬼籍に入った人、最近はご無沙汰の人、今だ活躍している人など見ていて楽しい。

#9  扇ひろ子がハンパなくいろっぽい。昭和の歌姫はキャラが立っていた。
#12 十朱幸代が蓮っ葉な宿場女郎を演じた。共演 荒木一郎、そしてその兄が戸浦六宏さんだ!
いいよなあ、戸浦六宏。
出演者がどれも芸達者で手堅いメンバーだな、と思っていたら、俳優座の人たち中心に出ていたのね。納得。

尚、主題歌を歌った上條恒彦が#18にカメオ出演している。
市川昆に、出たい、出たい、と言っていたらしい。
で、監督が彼の為に役を作ってくれたとのこと。

そして忘れちゃいけないのは、芥川隆行の名調子であります。

上州新田郡三日月村の貧しい農家に生まれたという
十歳の時に故郷を捨て、その後一家は離散したと伝えられる
天涯孤独な紋次郎が なぜ無宿渡世の世界に入ったかは定かでない


社長はこの後、シーズン2 BOXセットも購入したのだった。


ブラック・ブレッドPageTop初戀 Hatsu-Koi

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Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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