ブルジョワジーの秘かな愉しみ

「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」
(1974/FRANCE/Le charme discret de la bourgeoisie)




ブルジョワジーの密かな愉しみ [DVD]ブルジョワジーの密かな愉しみ [DVD]
(2001/01/30)
フェルナンド・レイ、デルフィーヌ・セイリグ 他

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ウッディ・アレンの <ミッドナイト・イン・パリ> を見て、無性にブニュエルが見たくなった。


上流階級の男女四人が友人宅の会食に招かれる。
当日屋敷に着くと、食事の支度もされておらず、出て来た女主人は
「約束は明日のはず」 と言う・・・。

という映画。
マジっすか? マジっす!

この後、空腹な四人は女主人も誘って近くのレストランへ行く。
メニューを見ながらおいしそうな料理を注文するが、すぐ店を出る羽目になる。
結局一行は食にありつけない。
この後もなんだかんだと邪魔が入り、まともに食事が出来ない。

bou05.jpg


そして本筋と関係ないいくつかのエピソードが挿入される。
駐屯部隊の一人が見た、6年前に死んだ友人と再会する夢の話。
”善良な” (実は全く善良でない) 巡査部長の話。ピアノに降って来るゴキブリ。
主婦でもある美人女テロリスト。
庭師に志願する神父・・・。

わけのわからんブニュエル・ワールドにすっかり引き込まれた。
わっけがわからんけど、詩的で示唆に富みながら、愉快痛快!

チロルが好きなエピソードは、カフェのシーン:
女性三人でカフェに入る。紅茶を三つ頼む。
チェロの演奏を聴きながらしばらく待っていると、給仕がやって来て、紅茶は売り切れだと言う。
「今日はお茶を注文するお客様が多くて」
んなバカな!!

「それじゃ、コーヒーを三つね」
そこへハンサムな中尉がやって来て(初対面)、自分のこども時代の話を聞いて欲しいと語り出す。
中尉の奇妙で不幸な話が終わると再び給仕がやって来て、コーヒーも売り切れです、と言う。

そんなことあるわけねえだろ!? とツッコミながら忘れられないシーン。
結局ここでも何も口にできない。
このエピソードって、夢で見るようなことだよねえ。
何の脈絡もなくナンセンスな話。

bou03.jpg

===
このDVDのボーナストラックに、この作品を考察したドキュメンタリ作品がある。
これが非常に興味深く、これを見るだけでもこのDVDの価値がある。
特にこの作品の脚本をブニュエルと共同執筆したジャン・クロード・カリエールのインタビューがおもしろかった。
彼によるとこの作品は、「反復表現の映画」 だという。
繰り返しの行為をテーマにした。なるほど、そいうことか!?

この話の中ではもはやどんなことが起きても今さら驚かないが、え、まさか!? と思うと夢だった、という夢オチも何度も繰り返される。
この他にも繰り返されるシーンはいくつかある。

bou01.jpg


このシーンはこの作品を象徴すると言われている。
車にも乗らず汗だくになって歩くブルジョワたち。
彼らはどこに向かうのか?
→ 車に乗るばかりで自分で歩くこともせず、料理も作らない。
いつかブルジョワが向かうのは 「死」 ということらしい。

優雅で刺激的なタイトルが決まったいきさつも語られる。
この作品以降 「○○の秘かな愉しみ」 というフレーズがどれだけ使われたことか。

尚、このドキュメンタリに関する情報が不親切で、
LUC LAGIER監督による [UNE PROMENADE PARMI LES OMBRES](影の中の散歩)と思うのだが、Imdbの LUC LAGIER のページには記載がない。 

===
全く無意味、ナンセンスだと思っていたら、実は深い意味があり、予期せぬ展開が夢であり無になる。
全くもって油断ならない作品なのだった。

レデイたちの衣装は、ジャン・パトウ。ハイソな'70年代ファッションが楽しめる。

この作品はこの年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した。

===
個人的には若くて美しいビュル・オジェにびっくらこいた。
ビュル・オジェを知ったのは、<夜顔>(2004) ですでにおばあちゃんだった。
<カオスの中で> (2001)) にも出てた。
あまりのギャップにしばらくどれが彼女かわからなかった。

bou02.jpg
右端: ブロンドのお嬢さんです

ところで、
<ミッドナイト・イン・パリ> の中でギルが若きブニュエルに言う。
「あるパーティがあって人々が集まるが、なぜか部屋から誰も出られない。
あなたはいつかそんな映画を作る」
それって <ブルジョワジー~> だと思い込んでいたら、大いなるカン違い。
<皆殺しの天使> だった!
どちらも見ているはずなのに全然覚えていなかった。
おかげで新鮮な気持ちで見ることが出来ました。
恐るべし、わが老人力!
→ <皆殺しの天使> など、”メキシコ時代のブニュエル” はDVD化されてないみたい。残念!
→ 訂正(9/10) DVD化はされてました。が、Tにはない・・・。残念。

愛 LOVEPageTopミッドナイト・イン・パリ

Comment

観てみたい映画です★

ウッディ・アレンのミッドナイト・イン・パリ、私自身、とっても見たい映画で、これから見る予定なのですが、観終わったあとにきっと、「無性にブニュエルが見たくなった。」の意味がわかるかも知れません(笑)楽しみです★

■フランクリンプランナーに挑戦中 さん

コメントありがとうございます。

> ウッディ・アレンのミッドナイト・イン・パリ、
これから観る予定なのですね。
絶対楽しいと思いますよ♪

>「無性にブニュエルが見たくなった。」の意味がわかるかも知れません(笑)
その昔ブニュエルじいさんにはまっていたもんで、
今回思い出して、久しぶりに観たくなった次第です。
人によって、マンレイの写真集or映画が観たくなった、とか
フィッツジェラルドを読み返したくなった、とかあるかも。
フランクリンプランナーに挑戦中さんはどうでしょうか。

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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