日曜日たち

「日曜日たち」 吉田修一


日曜日たち日曜日たち
(2003/08/26)
吉田 修一

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<横道世之介>映画のプロモがらみで(おそらく)、吉田修一全作品著者コメント付き小冊子が出た(無料)。
(ばるこさんが教えてくれました。多謝)

早速書店でGETしてみると、初期作品はチロル、ほぼ制覇しているではないか。
なんだ・・・おほほ。
気をよくして、著者のコメントも参考に久々に吉田修一作品を読んでミタ。

sunday01.jpg

自然消滅したかつての恋人を思い出す、今は無職の30男・・・「日曜日のエレベーター」
流され型人生の早大卒、今はクラブのボーイの話・・・「日曜日の運勢」
など、都会に暮す五人の日曜を描いた連作短編集。

どれもおもしろいが、女性が主人公の「日曜日の被害者」が読みごたえあり。
吉田修一ってどうして女よりオンナゴコロがわかるのかしら。

かと思うと、恋人を事故で失ったトラウマを持つ男と上京してきた武骨な父親の話・・・「日曜日の新郎たち」は、父子のしみじみとした愛情が感じられほっこりする。
父親の九州弁がいい味を出してるんだよね。

これだけでも十分おもしろいのだが、吉田修一はちょっとしたギミックを仕掛ける。

彼らと交錯する家出して来たらしい幼い兄弟。

そうだ、これは回想小説なのだ。

無職の30男はかつての恋人圭子(今は医者になった)のことを思い返した時、当時住んでいた三軒茶屋のアパートの近くで幼い兄弟二人にたこ焼きをおごってやったことを思い出す。
この兄弟が次の話にもちらっと顔を出す。その次の話にも。
物語が進むにつれ、二人が九州から母を訪ねて東京にやって来たことがわかる。
あれから二人はどうなってしまったのか。

そして最後の、DV男から逃れて自立支援センターにやって来た女の話・・・「日曜日たち」で物語は収束する。

最後は涙がとまらなかった。
人生って捨てたもんじゃない。
明るい希望の光がほの見える、読後感さわやかな一作。

吉田修一、うまいっ!!

===
著者のコメントを記しておきます。

物語を語るということを自分なりに考えた結果、連作で、本来なら主人公になるはずの少年たちが脇役というか遠景になるものを考えたんですね。
これは『悪人』などの書き方と一緒で、周りの人物を固めて、ドーナツみたいに真ん中をぽこっとあけて描くということです。それをやってみたという感じですね。




女たちは二度遊ぶPageTop世界にひとつのプレイブック

Comment

そうだよ

チロりんはいっぱい読んでると踏んでた!

チロりん寄贈の「悪人」は、在ベトナムの日本人駐在員に回し読みされてるだろう。(ごめん、お世話になったおっさんにあげてきた)

あの小冊子は永久保存版だよね♪

私もチロチロと図書館で予約してみよう(こういう小冊子が出ると一気に図書館貸出予約数がアップするのだよな)そこんとこ困るw

■ばるこ白みるくさん


> あの小冊子は永久保存版だよね♪
おかげで、吉田修一フィーバー再び!
楽しいです。ありがと!!

> チロりん寄贈の「悪人」は、在ベトナムの日本人駐在員に回し読みされてるだろう。(ごめん、お世話になったおっさんにあげてきた)
吉田修一先生もきっとお喜びと思います。

> (こういう小冊子が出ると一気に図書館貸出予約数がアップするのだよな)そこんとこ困るwおよ
そうなんだよ!旧作なんて絶対借りられてないと思たら、
けっこ借りられてたよ!

ほんまあの小冊子企画はナイッス!だったべ。多謝。

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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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