サイコ(1998)

「サイコ」
(1998/PSYCHO)



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毒を食らわば皿までも

このリメイク版にて、ヒッチコック祭りの〆めとさせていただきます。

監督は、<ミルク> のガス・ヴァン・サント。

ソウル・バスによるオープニングのタイトルデザイン、バーナード・ハーマンの音楽、ジョセフ・ステファノの脚本、リメイクといえど本家そのまま使用。

お、カメラはクリストファー・ドイル!!
やった! 急に楽しみになってキタ!

先ほど「本家そのまま」と申し上げましたが、この作品の特筆すべき点は、セリフはもちろん、カット割り、カメラアングルと、本家をそっくり踏襲していること。
YouTube には、二作品の同時進行比較映像までUPされている。
→ YouTube : Psycho '60 vs Psycho '98 Part II

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これじゃ、クリストファー・ドイルを起用した意味なくね?!

とはいえ、本家との決定的な違いがある。
今作は「カラー作品」であること。
「カラー」にしたからには、ここぞとばかりに溢れるような色を画面に使うガス・ヴァン・サント。
まるでアルモドヴァル作品でも見ているような。

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ドキュメンタリ <アルフレッド・ヒッチコック~天才監督の横顔> で ハーブ・スタインバーグが語った「サイコ」成功の理由のひとつ「モノクロであること」が思い出された。
ガスは、本家との違いをここで出したかったのだろうが、スタインバーグの言うことももっともだなあと思う。
モノクロの映像は色がない分、想像力をかきたてられ、緊張感や得体の知れない怖さをあおる。
一方、色があると、気が散る上に平板な印象を受けた。→ 単純に演出の違い?

うーん、それにしても、うーーん・・・な作品。

一番ひとこと言いたい点は、キャスティングだな。
なんでこの二人??
なんでアン・ヘッシュなんだろう?
この物語の発端は、結婚したいがままならず、煮詰まった女=マリオンが、大金があれば借金を返せて結婚できるという思いつめた短絡的発想にある。
でもアン・ヘッシュは現代風の「お嬢さん」で、結婚願望もあると思えず、一人で生きて行きます感いっぱい。
マリオンの焦燥感が感じられない。
なので、冒頭から観客は彼女に共感できない為物語にのっていけないのだ。

そしてなにより残念なのは、色気なし。
見えるのか?見えないのか?
シャワーシーンはある種エロティックな気分をかき立てられるが、やせすぎだよね。
元レズビアン(?)のどことないパサつき感。
アン・ヘッシュのシャワーシーンに期待する人っているのけ?

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彼女って、エレン・デジェネレスと別れた後、さっさと結婚してこどもまで産んでたよね。
子育て専念かと思っていたらいちおー仕事してたのね。あ、離婚してた。

片やノーマン・ベイツ=ヴィンス・ボーン。
なぜヴィンス??
ノーマンの二面性=意外性がミソだったのに、出て来た時から思い切り「変質者」だわよ。キモ!
ジョセフ・ステファノは、原作と違って、ノーマンを観客が共感するキャラにしたが、ガスは全く共感できないキャラクターに変更。
まあ、パーキンス=ノーマンのイメージがキョーレツすぎるからむずかしいところではあるな。

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主役二人以外のキャラクターも本家から変更してある。
マリオンの妹ライラも「現代風お嬢さん」になっていて、良く言えば行動力のある女性、はっきり言っちゃえば攻撃的でやな女なのよね。
ジュリアン・ムーアが演じた。ジュリアン・ムーアだったからやな女に見えたのかも。

マリオンの恋人サムも、良く言えばワイルドだけど、なんだかヤクザなかんじ。
これがなんと、ヴィゴ・モーテンセンなんだよねえ。
若くてワイルドなヴィゴをお楽しみいただけます。半ケツサービスショットもあり。
この作品は、冒頭のセクスィ~  なヴィゴのシーンが一番の見どころだった!

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探偵アーボガスト=ウィリアム・H・メイシー
保安官 = フィリップ・ベイカー・ホール
マリオンの同僚(本家ではパット・ヒッチコックが演じた)=リタ・ウイルソン(ご存じトム・ハンクス夫人)
ドクター=ロバート・フォスター

見ていてもやもやするのは、ガス・ヴァン・サントはこの作品で何をしたいのか?が見えてこなかったこと。
もっとも大前提として、なぜ? 今? 「サイコ」のリメイクを作るのか?という命題がある。なぜ?

===
本家とは違う演出のシーンもいくつかあった。
それをみつけるのも楽しいかも。

尚、撮影に使われたキッチンナイフはなぜかジョン・ウーの物で、エンドクレジットの最後、special thanks にウーの名前が見える。

この作品はこの年のラジー賞最低リメイク賞・最低監督賞を受賞している。やっぱり。
(アン・ヘッシュは最低主演女優賞ノミネート。ちなみに受賞したのはスパイスガールズ[スパイス・ザ・ムービー](笑))


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Comment

このリメイクは あっちこっちで 酷評まみれなんです

 チロルさん このリメイク作品・・・酷評まみれですね。

>ドキュメンタリ <アルフレッド・ヒッチコック~天才監督の横顔> で ハーブ・スタインバーグが語った「サイコ」成功の理由のひとつ「モノクロであること」が思い出された。
ガスは、本家との違いをここで出したかったのだろうが、スタインバーグの言うことももっともだなあと思う。
モノクロの映像は色がない分、想像力をかきたてられ、緊張感や得体の知れない怖さをあおる。
一方、色があると、気が散る上に平板な印象を受けた。→ 単純に演出の違い?
 そうか・・・そのモノクロの映像こそ恐怖感を引き出す"命"だった。オリジナルのマリオンが ザクザク 切り裂かれて襲われるときの血のりも"黒"でしたから怖さをかきたてれたとも聞いたことがありましたが そういうコトですよね。いくつか 酷評されてるサイトのアドレスを貼り付けておきますね。

http://www1.kcn.ne.jp/~pop/spcpm/razzie/psycho.html

http://www5b.biglobe.ne.jp/madison/worst/sequel/psycho3.html

ガスさん、前年に監督した「グッドウィルハンティング」のキレをわざわざブチ壊すマネをするなんて 愚の骨頂ですよ(涙)


ガスさん、前年に監督した「グッドウィルハンティング」のキレをわざわざブチ壊すマネをするなんて 愚の骨頂ですよ(涙)

■zebraさん

>  チロルさん このリメイク作品・・・酷評まみれですね。
いいところを探そうにもそれはムリ!な作品ですもの(笑)

>  そうか・・・そのモノクロの映像こそ恐怖感を引き出す"命"だった。
漠然と見ていたことが、目からウロコでしたよ。
あ、そうか、このリメイク版は、オリジナルがいかに傑作であるか、
ということを再認識させるという意味では、大いに意義があったかも(笑)

教えていただいたポンコツ映画愛護協会さんのレビューは、
全くまるっと同意!!でした!!
やっぱり敗因の一番はミスキャスト!思うことはきっとみんな同じ!

■zebraさん

あのサイトって、ラジー賞のサイトなんですね。
ユニーク~~!!

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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