イ=ソン・ヒイル監督トリロジー

[イ=ソン・ヒイル監督トリロジー ONE NIGHT AND TWO DAYS ]

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【第4回 アジアン・クイア映画祭(2013)上映作品】


<後悔なんてしない>(2008年東京国際レズビアン&ゲイ映画祭上映作品)のイ=ソン・ヒイル監督の最新作三部作が今年のクロージング作品です。

監督がゲストに来るということもあり、立ち見まで出る盛況でした。


イ=ソン・ヒイル トリロジー : [ONE NIGHT AND TWO DAYS]
中編2作、長編1作の三部作。

1) 「あの夏、突然に」 SUDDENLY LAST SUMMER/37分

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高校生(18)と担任教師(35)の物語。
自分につきまとう生徒に困惑する教師。
突き放しても帰らない。

――おまえみたいなガキは面倒なだけなんだよ
―― ・・・ 
でも先生は授業中、僕のことを見ていた・・・


最初はストーカーじみた生徒と思わせるが、彼の言うことが真実だったのだ。
「大人の良識」に苦悩する担任と、まっすぐな思いをぶつける生徒。
せつない昼下がりを描く。

やっぱ教え子に手をつけちゃあ人生おしまいって頭がセンセーにはあるよね。
前半知人に転職先をみつけてもらう電話をする先生。
その時は何て事のない電話だったが、後から考えれば、先生はぼくちゃんに魅かれている自分に気づいていて、そこから逃れようとしたんだね。

ぼくちゃんがみずみずしくてかわいかった!
ところが! 上映後のQ&Aで監督から、ぼくちゃん(18)を演じた俳優は31歳だったという衝撃の事実が!
どっひゃあ~!


2) 「南へ」 GOING SOUTH/45分

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兵役中の青年と元指揮官の物語。
兵役中関係を持っていた二人だが、元指揮官(=元カレ)は除隊後”世俗”に戻り、青年との関係を断とうとする。
青年は変わらず純粋にカレを思い続ける。
その思いはまっすぐでせつないんだけど、すごくなまなましく、イ=ソン・ヒイル監督ならでは。
愛ってきれいごとでなく泥だらけ傷だらけになることっていう一作。

兵士の男のコが青臭い若さいっぱいでナイッスキャスティング。
監督によると、彼は演技経験もなく、おまけに車の運転も出来ず、手取り足取り指導したという苦労話を語ってくれました。
元カレの方も今ドキの青年でかっこえがったどお。

兵役時代に関係を持つというのは珍しくないケースらしい。
<GF*BF> もジョセフ・チャンの不倫相手は兵役時代に知り合ったという設定。
こちらは除隊後も関係が続いていたけれど、今回の作品のように除隊と共に関係が消滅するカップルも多いんだろう。

3) 「白夜」 WHITE NIGHT/75分

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2011年にチョンノで起きたホモフォビア暴行事件を元に作られた。

ヘイトクライムか、やだな、と腰が引けていたが、そのこと自体は映画の中で直接描かれない。(そこがうまい)
かつての被害者の青年は傷つき、祖国を後にして今はドイツに住む。
パイロットである彼は久しぶりにソウルに降り立つ。
で、何をやるかというと、出会い系で相手をみつけ公衆便所でハッテンしようとし、そしてかつての加害者に復讐を企てる。
その出会い系の相手=バイク便のにーちゃんがいいヤツで、投げやりなパイロットを放っておけず行動を共にする。
全ては一夜の出来事。

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これもイ=ソン・ヒイルらしい一作。
先の展開が全く読めなかった。

パイロットは虚無的で、彼の心の闇は深く、見ていて胸がひりひりした。
全てが終わり、別れ際バイク便は連絡先を渡す。
パイロットは早朝のフライトの為空港に向かう。
途中公衆電話でタクシーを止める。
パイロットは電話をしたのだろうか?

バイク便はバイクを走らせる。
彼は空港へ向かうタクシーを追うのだろうか?

そういえば終盤、<後悔なんてしない>と同様の、思わずのけぞる ”ゲイならではのシーン”があって、笑ってしまった。監督はこのモチーフが好きなのね。

===
このトリロジーのタイトル通り、昼あるいは夜の数時間を切り取った作品。
<後悔なんてしない>が鮮烈な印象だっただけに観る側は期待値を上げてしまうが、期待を裏切らない満足な三部作だった。
キャスト=6人の俳優がどれも魅力的だったのも良かったわ。
やっぱりキャストは大事☆

===
上映終了後、イ=ソン・ヒイル監督が登壇。
ほえ~ とってもステキ☆じゃないのおぉぉ
低音の語り口も魅力だし(監督が話すとまた韓国語ってすてきだなあと思っちゃった)、椅子から転げ落ちそうなすっ飛んだジョークもグ~!
監督をナマで見られただけで満足であります。

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今回のタイトルは、過去の映画から取ったとのこと。
(2)に関しては、あるアーチストの曲名から)


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↑ ご存じテネシー・ウイリアムズの戯曲が原作

3)バイク便のにーちゃんが着ていた赤いジャケットは、「理由なき反抗」のジェームス・ディーンのイメージだったとか。

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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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