マルチプル・マニアックス

[マルチプル・マニアックス]
(1970/MULTIPLE MANIACS)


multi04.jpg



今年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で、[永遠のディヴァイン] を観たもんで、やっと未見のジョン・ウォーターズ作品を観る気になった。
映画祭では、巨大なロブスターの化け物にディヴァインが犯されるシーンに場内爆笑! の、あの作品です。

この辺りの古いジョン・ウォーターズ作品は日本ではDVD化されていないのが困るのことよ。
今回も新宿でVHSをレンタルしました。状態は良かったです。

ジョン・ウォーターズ(以下JW)自身が「プロットはたいへん複雑」と言う通り、ストーリーは相変わらず一筋縄ではいかない。

レディ・ディヴァインとそのボーイフレンド デヴィッド(デヴィッド・ロカリー)は見世物小屋を経営している。
見世物はあらゆる変態。
客たちはおぞましい恐怖を感じながら怖いもの見たさで楽しんでいたが、最後は金品を奪われ殺されてしまう。
デヴィッドは若いおねーちゃん、ボニー(メアリー・ミルドレッド・ピアース)とつきあい始め、レディ・ディヴァインと別れようとする。
一方、レディ・ディヴァインは教会で知り合ったミンク(ミンク・ストール)とレズビアン関係になる。
レディ・ディヴァインは、デヴィッドとその愛人を殺してしまう。
正気を失い、デヴィッドの内臓を食らうレディ・ディヴァイン。
そこに巨大なロブスターの化け物が登場。レディ・ディヴァインをレイプ。
発狂したレディ・ディヴァインは、外に出たところを州兵に射殺される。

――レディ・ディヴァインの低俗変態ショウ
これぞ究極の見世物
見ればあなたは絶対気分が悪くなる

この作品には見せ場がいくつかある。
第一が見世物小屋の変態ショウ。
ヤクが切れて禁断症状にのたうち回るジャンキー、モデルの股間ばかり撮るポルノ写真家、そして「ゲロ食い」→ 自分の吐いたゲロを食うつうわけだが、これはいかにもコーンスープで、おぞましさはない。
おかしいのが、「ねちっこいディープキスをするホモのカップル」
これが「変態の見世物」って・・・。
ひげもじゃ男二人は、本当のゲイのカップルが演じた。
客は「イヤだ~」「医者に診せなきゃ」とか言ってる(笑)

もひとつ、自転車のサドルフェチの変態あり。
サドルの匂いを嗅ぎ、なめ回してる。
これを見た数日後、日本でほんとにサドルフェチが捕まってびっくりした。
革のサドルばかり200ケも盗んでたヤツ。
フェチ界で、このジャンルは一定数いて、「seat sniffer」と言うらしい。
人が座っていた椅子のぬくもりや匂いに執着する。
サドル限定は 「bike seat sniffer」だそうな。

multi05.jpg

第二が、教会での「ロザリオプレイ」。
ミンクはロザリオをレディ・ディヴァインの「秘密の場所」(by JW)に突っ込んで×××(以下略)
撮影に協力してくれる教会を探すのに苦労したが、破壊的グループの集会にも場所を提供をしているところがあると聞き、なんとか撮影にこぎつけた。
教会関係者はその後、完成した作品を観たのだろうか??
ミンクがなりきりマダムメイクで別人のよう。

multi03.png


JWは自著 [悪趣味的映画作法] の中で、この作品についてこう語っている。

――ぼくはいつも[マルチプル・マニアックス]のことを「セルロイドの残虐行為」と呼んでいる。
技術的にはつたないし、役者はときどきセリフを忘れたりしているが、それでもこれはいまなお僕の愛すべき作品だ。
卑劣さとドキュメンタリー風の荒々しさがいい。


この作品から、美術のヴィンセント・ペラーニョ([伝説のディヴァイン]にも登場した)が参加。
以降JW作品には欠かせないスタッフとなった。
ロブスターの化け物ロブストラを製作したのも彼。
ロブストラ、愛すべきバカらしさ!

multi02.jpg

レディ・ディヴァインを教会へと導く天使=「プラハの幼児」役 マイケル・レイナー・ジュニアくんは、重い衣装に辟易していたが、ディヴァインとは仲良くなった。
「大きくなったら女装マニアになって、シェリー・ロンドンと名乗るんだ」
ジュニアくん、その後どうなったのかしら?

multi01.jpg


尚、このタイトル「マルチプル・マニアックス」は、JWが敬愛するハーシェル・ゴードン・ルイスの[2000人の狂人](two thousand maniacs)にオマージュを捧げたもの。


2000人の狂人 [DVD]2000人の狂人 [DVD]
(2013/02/06)
コニー・メイソン、トーマス・ウッド 他

商品詳細を見る


シリアル・ママPageTopブラック・ダリア キラー

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

プロフィール

ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
尚、宣伝目的や記事に関連のないリンク・コメント・トラックバックなどはこちらで削除させて頂きますので、ご了承下さい。

追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

リンク
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ(タブ)

最近のトラックバック
カテゴリ
カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

ブログ内検索

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
QRコード

QRコード

RSSフィード