時計じかけのオレンジ

[時計じかけのオレンジ]
(1971/USA+UK/A CLOCKWORK ORANGE)



時計じかけのオレンジ [DVD]時計じかけのオレンジ [DVD]
(2010/04/21)
マルコム・マクドウェル、パトリック・マギー 他

商品詳細を見る


あけましておめでとうございます。

本年もよろしく。

今年の一発目は昨年末に観たこの作品です。

あまりに有名な作品ながら未見の一作。
キューブリックはあんまり得意分野ではないのよね。
思うところあり観てミタ。

舞台はロンドン、「暴力、セックスとベートーベン」に生きがいを求めるアレックス(15)は、学校にも行かず仲間と暴れ回っていた。
ホームレスの老人を半殺しにし、リッチな作家の家に押し入り妻をレイプし夫に暴行、次に押し入った猫好きのマダムを殺した後、仲間に裏切られ逮捕される。
刑務所で2年間過ごしたアレックスは、凶悪犯罪者矯正プログラムの実験に志願するが・・・。



うーーん、刺激的な映画。
原作は1962年に発表されたアンソニー・バージェスの同名小説。
原作自体がかなり”やっかいな”作品と思われ。よく映画化したよなあ。
キューブリックも若かったんだろうな。パワーを感じる。

前半の暴力描写の印象が強く、バイオレンス映画と思っていたがさにあらず。
逮捕されてからの後半にキモがある。

政府は飽和状態の刑務所を改善しようと矯正プログラムに取り組む。
これにより暴力やセックスに拒絶反応を起こすようになる。
すっかり別人格になったアレックスは、従順で腑抜けた人間となる。

↓ このシーン、コワい~~~
orange04.jpg

このシーンの撮影でマルコムの角膜に傷がついたと言われているが、本人曰く、すぐ回復して後遺症はなかったと。


実験台になったおかげで即出所出来たはいいが、家に帰ると自分の部屋には下宿人がいて、彼はアレックスの両親に息子のように可愛がられている。
自分の居場所を奪われ家を追い出されたアレックスは、街でかつて半殺しにしたホームレスと遭遇、報復され、たまたま逃げ込んだ先はこれまたかつての作家の家だった。
事件の後、妻は死に作家は半身不随になっていた。復讐に燃える作家は――

という悪夢のような恐ろしい展開は、日本人なら「因果応報」という四字熟語が頭に浮かぶ。
しかし”モンスター”のアレックスは今はなく、一人の無力な青年に観客は同情し始める。
そして二転三転、唖然とした後思わずにやりとさせられるエンディング。


例によってDVD特典、コメンタリは主演のマルコム・マクドウエル。おもしろい。

――この作品はブラックコメデイだと思っていたのに、
観客は誰も笑っていないのに驚いた


というマルコムのコメントこそ最大のブラックジョークじゃね? 笑える~~
あまりの衝撃に、観客は笑っていいのか何なのかわからなかったんだよね。


この作品、ワンシーン、ワンシーンがどれもスチール写真になりそうなくらい美しい。
ディテイルにもこだわりが見られる。

アレックスたちが入りびたる「コロバ・ミルクバー」のオブジェはリズ・ムーアの作品。
[2001宇宙の旅] のデザインを担当した。

orange02.jpg

おねーちゃんたちをナンパするレコードショップもステキ
orange07.jpg


↓ チロル的には、アレックスの部屋のオブジェ「踊るキリスト」が気に入った。
orange08.jpg


音楽の使い方も斬新。
クラシックをバックに描かれる暴力シーンもインパクトがある。
ウオルター・カーロスによるアレンジもいい。

有名なシーンのひとつ、「雨に歌えば」を歌いながら暴行するアレックス。
健全でハッピーなこの曲が、これ以降全く違う曲に感じられるようになった。

コメンタリで、「ジーン・ケリーには会ったことがあるかい?」という問いにマルコム、
――うーーん・・・あるパーティで一緒になったんだ。だけど僕の顔を見るなり彼は目を逸らしてどこかに行ってしまった。彼はあの曲がこんな使われ方をしたのが許せなかったんだ

ジーン・ケリーの気持ちもわかるがな。

マルコムによるとこの作品のテーマは「自由な選択」だという。
――善良で正しい人生を選ぶか、不道徳な人生を選ぶかは僕たちの自由だ。
もし選択の自由が奪われたら?これが作品の問いかけだ。


前半のアレックスは救いようのないワルガキ、クソガキで全く共感できないのだが、後半の別人格に矯正された姿を見てしまうと、かつてのワル、それさえもが「生の歓び」のように思える。

撮影中マルコムもアイデアを出しながら、主体的に作品に関わった。
アレックスたちのトレードマークの衣装はクリケットのユニフォームで、本来服の下に着ける股間のプロテクターを上に着けてみたそうな。
尚、衣装担当は、ミレーナ・カノネロ([炎のランナー]) へぇ~へぇ~

orange09.jpg


作家のボデイガード・ジュリアン役デヴィッド・プロウスは、チロル的マッチョなイケメン枠。ぐふぐふと喜んでいたら、彼は後の [スターウオーズ] ダースベーダー(中身)だって。
[スーパーマン] クリストファー・リーブのパーソナルトレーナーも務めたそうな。へぇ~へぇ~

orange06.jpg

ことほどさようにこの作品ってエピソードに事欠かない。

タイトル:「時計じかけのオレンジ」とはコックニーのスラングで「奇妙な人・様子」とのこと。

このDVDはニューバージョンらしく、全くの無修正であった。よかった、よかった。
当時はさぞぼかしだらけであったでしょうね。やだわ~~

orange03.jpg

この後、この箱はのけられしまう・・・(笑)


しかし、1971年当時、こんな作品が公開されたら賞賛と非難、さぞ一大センセイションだったろうな。映画史に残る衝撃作でありました。キューブリックに完敗。

orange01.jpg


ブランカニエベスPageTop私的 映画今年の10本 2013

Comment

Commentの投稿

 管理人だけに表示する

プロフィール

ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
過去記事へのコメントも歓迎です。
尚、宣伝目的や記事に関連のないリンク・コメント・トラックバックなどはこちらで削除させて頂きますので、ご了承下さい。

追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

リンク
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ(タブ)

最近のトラックバック
カテゴリ
カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブログ内検索

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
QRコード

QRコード

RSSフィード