インサイド・ディープ・スロート

[インサイド・ディープスロート]
(2005/INSIDE DEEP THROAT)



インサイド・ディープ・スロート [DVD]インサイド・ディープ・スロート [DVD]
(2006/05/26)
ジェラルド・ダミアーノ、ハリー・リームズ 他

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[ラブレース]を見て、以前より気になっていたこのドキュメンタリを見てミタ。

少し前まで地元のTSUTAYAにあったはずなのに、いつの間にかなくなってた。
仕方なく在庫のある他の店舗へ。
店頭でプリントアウトした検索結果をしばし見ていたら、イケメンの店員が「いっしょに探しましょうか?!」
ちょっと恥ずかしかったです。ひとりで探しました。R-18です。

70年代に全米にセンセーションを巻き起こした伝説のポルノムービー『ディープ・スロート』の内幕やその後の波紋を、100人以上に及ぶ関係者のインタビューから追ったドキュメンタリー。


伝説となったポルノ映画「ディープ・スロート」、この映画は一体何だったのか?というのがわかるドキュメンタリ。
おもしろかったです。

この時代まで、「性」はタブーで、みんな無知だったのよね。
人々にとってポルノ映画は、一種特別な存在だった。

この映画の前から既に政府とポルノの衝突があったわけ。
ポルノは有害で社会に悪影響を与える。
もちろん時の大統領は ニ クソ! ン

そんな中、1972年6月、ニューヨーク、タイムズスクエアで「ディープ・スロート」は封切られた。
そして”委員会”の格好の標的に。ワイセツ映画として摘発される。
映画製作者側はこれを不当として裁判を起こした。
それが話題となり、人々は劇場に殺到。

NYタイムズも「PORNO CHIC」=おしゃれポルノ と書き、映画を擁護。
有名スターやセレブも見に行った。
ジャック・ニコルソン、ウオーレン・ベイティ、フランク・シナトラ、シャーリー・マクレーン・・・。
ジャッキー・ケネデイが見に行くとさらに観客は倍増!(笑)

「私たちだって、dirty な映画を見たかったの」
女性が大挙して見に行った。スーツを着たビジネスマンも。

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”本編”を見ていないので何とも言えないんだけど、[ディープ・スロート]はコメディ仕立てってのがユニークだよね。
ポルノを見に来て場内爆笑って一体・・・。

それと、女性が「性の歓び」を知るというところも画期的だった。
そこも”委員会”が気に入らなかった点らしい。

裁判の判決が出て、NY州では上映禁止に。FBIが拡大上映を阻止しようと動く。
しかし、他の州で次々に封切られた。

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「金のなる木」にはマフィアが群がる。
監督のダミアーノは、マフィアに脅され作品の権利を譲渡した。(もともと出資者がマフィア)
国中の劇場にもマフィアが絡み、フィルムを調達する見返りに劇場収入の50%を要求。断ると劇場に火が点けられた。
おお、コワい~~
→ 製作費25千ドル、興行収入6億ドル(推定)、映画史上最大の高収益を上げた作品と言われる。

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次には、[ディープ・スロート]が合法か違法か(ニクソンが作ったワイセツ法)の裁判に。
なぜかダミアーノ監督もリンダも免れ、男優ハリー・リームズ一人が対象になった。
出演料250ドル、何の権限もない俳優一人が、「道徳の聖戦」のスケープゴートにされた。
リームズは5年の刑が下った。米国史上初めて、男優が映画に出て有罪にww

撮影時リームズは製作スタッフとして参加してたのよね。でもカメラが回ったらいつでもすぐ勃○出来るという特技が買われて急遽出演が決まったという(笑)
それがこんなことになっちゃった。

「俺はほんとに5年も刑務所に行かなくちゃいけないのか?」
リームズが訊ねたところ、返って来た答えは、

――次の選挙で共和党が勝ったら、yes
  民主党が勝ったら、助かるかもな

と言っていたら、1974年8月ウォーターゲート事件でニクソンが辞職。
その後ハリー・リームズには無罪という新しい判決が下った。

この辺りは、デキすぎたドラマを見ているようで笑っちゃった。

しかしハリーには”汚名”がつき、仕事を干された。酒とクスリに溺れ、自慢のジュニアも役に立たなくなった。
ハリーはキャリアも家も失った。

カーター時代、自由な社会になったかと思われたのもつかの間、レーガン政権は再びニクソン時代の遺産を引き継いだ。
「ポルノは社会の悪」

しかしそれも無意味に。
ビデオデッキの普及でハードコアポルノは一般家庭に。
ビデオカメラで誰でも撮影でき、誰でも販売できる。
もはや政府が取り締まることは不可能だった。ポルノ劇場の数も激減した。

――昔のポルノには、発見と好奇心、変革があった

「バラエティ」主幹のコメント。
今のポルノ産業はグロと金だけ。

[ディープ・スロート]の訴追に適用されたワイセツ取締法は今現在もそのまま残っている。
その擁護派の政治家も少なくないと言う。怖ろしい。

===
始まってすぐ、いきなりジョン・ウオーターズが登場して狂喜乱舞!

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ことほどさように、
インタビューに登場した面々がハンパない豪華メンバー!


ラリー・フリント(【ハスラー】誌)、ノーマン・メイラー、ゴア・ヴィダル、
ヒュー・ヘフナー(この人は「ラブレース」にも出て来たけど、一貫してこの映画の擁護派だ)
ウェス・クレイヴンまで出て来たのには、コーフンしちゃった☆

↓ エリカ・ジョング女史 [飛ぶのが怖い] さすが貫録あり!
deept05.jpg

そしてナレーションは、デニス・ホッパー。

監督は 『パーティ★モンスター』 のF・ベイリーとR・バルバート。
彼らはもともとドキュメンタリ畑の人だったのね。

===
作品の中で、もちろんリンダ・ラブレースのこともフォーカスされている。
高校時代の親友パッツィ(映画ではジュノ・テンプルが演じた)も登場する。

――リンダは家が居づらかったの。チャックが逃げ道だったのね


パッツィはとてもかんじが良くて、ジュノはぴったりのキャスティングだった。

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映画の最後に、「ラブレース」では描かれなかったリンダの晩年が描かれる。
こどもも生まれ幸せな家庭を築いたと思ってた。
現実はそうではなかったのね。
まじめな職に就いたものの、過去がわかると職場を追われ、経済的に窮したリンダは開き直って「昔の名前で出ています」な映画に出演。
インタビューのリンダはとても疲れた顔をしていた。

この作品、リンダに対する扱いが残酷なところが気になった。そういう言い方はないんじゃない?!ってことが多々あった。デリカシーに欠けるというか。それもドキュメンタリ=真実の一部ってことなんだろうか。
なので、この作品のリンダ像と[ラブレース]のそれはずいぶん違う。

事実を基にしたドラマは、その数だけストーリーがある、ということなのかな。
なんにせよおもしろかった。[ラブレース]を観た人は是非こちらもおススメします。

deept08.jpg
リンダの飼い猫 アドルフ・ヒトラー


ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春PageTopラブレース

Comment

面白そうですね

おもしろそう!。こういう映画大好きです。「ディープ・スロート」は名前は知ってますが、コメディだったとは。ふぇ〇がすごいっつー事だけ有名だったし。

 >インタビューに登場した面々がハンパない豪華メンバー!

読んでいて私もコーフンしました。エリカ・ジョングの名前聞いたの何年ぶりかしら。

■アラスカさん

> おもしろそう!。こういう映画大好きです。
ドキュメンタリはやっぱりおもしろい!という作品でした。
あの伝説のポルノ映画に、政治やら金やらいろんなものが
からんでいたことにオドロキの連続。

>「ディープ・スロート」は名前は知ってますが、コメディだったとは。
断片的には映画のショットが見られますよ。ボカシだらけだけど。

> 読んでいて私もコーフンしました。エリカ・ジョングの名前聞いたの何年ぶりかしら。
そうそう。「飛ぶのが怖い」ってそういえばあったよなあぁ・・遠い目
ってかんじでした。今では全て”死語”レベルだよね。

ポルノ業界にも いろいろ事情があるんですね~

 まだボクは「ラブレース」は見ておりませんが、
>ポルノは有害で社会に悪影響を与える。
それは 人権無視で女性をただの欲求のはけ口にするだけと侮辱してるヤツらだけだろ! そう思いましたね。 
じゃあ FBIの初代長官J・E・フーバーなんか もっとひどいぜ。 赤の疑惑だの ホモセクシャル疑惑のある職員の私生活に盗聴器をしかけたり マフィアは存在しないとかいっておきながら のちにマフィアからの収賄が明らかになってる、とか・・・
 リンク先→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC

 >ハリーには”汚名”がつき、仕事を干された。酒とクスリに溺れ、自慢のジュニアも役に立たなくなった。
ハリーはキャリアも家も失った。

>カーター時代、自由な社会になったかと思われたのもつかの間、レーガン政権は再びニクソン時代の遺産を引き継いだ。
「ポルノは社会の悪」
じつにハリーは気の毒ですね。自分にも生活があるのに 干されてつるし上げはひどいです。それだけでなく自慢の息子が・・・健全な男性機能が働かなくなるのは ショックですよ。人間の欲は法で完全には制御できません、きつくしすぎるとかえって性犯罪が増えますから。
 かつての悪名高い法律、「禁酒法」と同じです。「ポルノは社会の悪」と考えてるのは なにも現実わかっちゃいないと思います。

◆zebraさん

コメントありがとうございます。

> それは 人権無視で女性をただの欲求のはけ口にするだけと侮辱してるヤツらだけだろ! そう思いましたね。
この作品の主張もその通りで、作り手の体制に対する批判意識のようなのが見ていて心地よかったです。
 
> じゃあ FBIの初代長官J・E・フーバーなんか もっとひどいぜ。
映画「J・エドガー」でも彼の悪辣な所業が描かれてましたね。

> じつにハリーは気の毒ですね。
ほんとにかわいそうだったです。その後リハビリで立ち直って、今は不動産業で成功しているようです。
よかった、よかった。

>かつての悪名高い法律、「禁酒法」と同じです。「ポルノは社会の悪」と考えてるのは なにも現実わかっちゃいないと思います。
そうですよね。それでも保守的な共和党議員にはそういう考えの人が相変わらず多いです。

機会があったら、「ラブレース」も是非見てみてくださいね~

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マイナー路線でごめんなさい。
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  (2015/8/24) 「怒り」に追記あり。

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