湖の見知らぬ男

[湖の見知らぬ男]
(2013/France/L’inconnu du lac/Stranger by the lake)


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【第23回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2014)上映作品】

2013年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞受賞。
「カイエ・デュ・シネマ」2013年映画ベスト10で1位に輝いた超話題作。

この作品を最初に知ったのは、たしか昨年10月「ニッポン・ダンディ」(現「バラいろダンディ」)@MX。
東京国際映画祭プログラミングディレクター矢田部吉彦さんがゲストで登場。カンヌ情報でこの作品を紹介してくれた。
ハッテン場が舞台の為、全編にわたりヌードやら”なにやら”の連続で、日本ではまず公開はムリだろうと。
見たい!!!! 見られないとなると余計に見たい!

映画祭でやってくれないかなあ・・・チロルのお願い・・・。
神様、ありがと! 願いは叶った!

・・・
・・・
・・・

これは前代未聞の作品だわ。
こんな映画見たことない。

ヌードやら”なにやら”というなまやさしいものではなかった・・・。

そしてあのエンディング。

場内 「えっ・・・」 という声の後、笑いが・・・。

こんなエンディングあるとですかあ?!

おかしくないのに、笑っちゃうしかないでしょ。

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===
とにかく、最初の浜辺のシーンからア然・・・。
全裸でくつろぐ男たち、カメラは海の方から彼らを捉える。
なので男たちは観客に向かって大股開き。
ケ○の穴までさらしている格好。
このショットでもう、ヤラれちまいました!ってかんじ。

ひとことでいえば 「ハッテン場殺人事件」。
多くの者は知り得ない、男たちの特異な生態をなまなましく描く。
ここまで見せるんかい? 俳優さん方、体張ってんな。

「名前も住所も連絡先も知らないんですか?そんな相手と・・・」
事件の捜査の為ビーチにやって来た刑事が言う。

欲望のままに相手を探す男たち。
見る者はそこに大きな孤独を感じるのだ。

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ハッテンしながらも、フランクは誰かとごはんを食べたり、一緒に夜を過ごしたいと思う。
ミシェルはそんなことをしていたら、すぐに飽きてしまうと言う。
けして交わらない二人の想い。

そして何より、ミシェルが殺人犯だとわかっているのに、彼を求めずにはいられない「業」、「欲望」。

「人が一人ここで死んだというのに、よくもまあ平気でここにやって来られますね」

刑事の疑問はしごくまっとうで、見ている側も同様に感じている。
普通だったら、人が殺された海に入るのも薄気味悪いし、ましてやそこでハッテンする気になれないと思うのに、男たちの欲望のベクトルは別次元である。

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この作品のミソは、アンリというキャラクター。
ハッテンビーチに来ていながら、服は着たまま、相手も探さない。ただ一日海を眺めているだけ。
フランクと親しくなり、他愛ないおしゃべりを楽しむ。
アンリは春に妻と離婚している。ビーチには男を探しに来ているわけじゃないというが、過去に関係した男がいて彼との思い出をフランクに話すのだった。
アンリもまた大きな孤独を抱えているのだ。
この孤独がエンディングへとつながって行く。

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男たちの欲望渦巻く場所ではあるが、ビーチの光景はどこかのどか。
なつかしいような空気が漂う。
監督は時代設定をあえて少し昔にしていると感じた。
それは、ミッシェルのセクシーガイっぷりにうかがえる。’60~’70年代のそれだ。
ヘアスタイルやヒゲが現代のそれとはちと違う。
バート・レイノルズとかトム・セレックのかんじ。
(セーファーセックスに対する認識も徹底してないので’80年代より前かなと)
でも、ある特定の年代を限定しているわけではなくぼやかしていることで、この作品に普遍性が生まれる。

↓ イメージです(トム・セレック) ミシェル、フレディにも似ていた
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===
さて、衝撃のエンディングには別のバージョンがある。
DVD blu-ray版 には特典映像としてその別バージョンが収められている。
一体どんなエンディングなのか??

映画を観終わって話し合った時、あれ以外どんなエンディングが?全く思いつかない、という結論でありました。
DVDを観た人、オシエテ!
サイトを見ていたら、別バージョンの方が気に入った!と言っている人が。なに?なんなの?もやもや

アラン・ギロディ監督は、ジョルジュ・バタイユに多大な影響を受けたと知り、この映画の不条理さがなんだかわかったようなわからないような。

↓ アラン・ギロディ監督(右端) openly gay (そうじゃなかったら、こんな作品よう作れんよ)
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Comment

前代未聞・・・

>これは前代未聞の作品だわ。
>こんな映画見たことない。

あーあ。
毎年見に行っているのに、なんで今年に限って邪魔が入ったかな。
スクランブルが1週間ずれていれば・・・。

わざわざスパイラルに買いに出掛けたチケットが無駄にならなかったことだけが救いです。

DVDって、輸入できると思うコレ?




■ゆっきー

> スクランブルが1週間ずれていれば・・・。
ほんとに残念だったッス。ちょっこし間が悪かった。

> わざわざスパイラルに買いに出掛けたチケットが無駄にならなかったことだけが救いです。
うまくチケット渡せて良かったね。

> DVDって、輸入できると思うコレ?
全然オッケーだと思うよ。amazon US で、25ドルくらいじゃなかったかな。
田亀先生もお取り寄せしていたことだし(笑)

しかし、あらためて、これは日本では絶対公開されることがない!
とわかりましたよ。ムリムリ!
そういえば今年の春、芸大主催の映画祭でも上映されていたようです。
映画祭ならまだ上映される機会はあるけろ・・・。
アラン・ギロディの過去作品、2・3年前京橋フィルムセンターの企画で数本かかってた。
彼の作品自体もしかして日本で見ることが困難なのかも。
ここはいっぱつ、ぽちっとやって是非見てください。

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ナンシー☆チロ

Author:ナンシー☆チロ
映画と本のつれづれ日記。
マイナー路線でごめんなさい。
サッカーも好き☆
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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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