[バスケットケース]
(1982/BASKET CASE)
2012年に見たハーシェル・ゴードン・ルイスのドキュメンタリ
[ゴッドファーザー・オブ・ゴア](2010) を監督したフランク・ヘネンロッターの代表作。
ハーシェルファンだったヘネンロッターが、彼に捧げた作品。
あまりに昔に見たので、リピート鑑賞してミタ。
結合性双生児のべリアルとドゥエインは3人の医師の手術により彼らは強引に切り離された.。ドゥエインはバスケットケースにべリアルを入れ、彼らを切り離した医師たちに血みどろの復讐をしていくが、ドゥエインが若い女性と恋に落ちたことから兄弟の間には溝が生まれ、恐ろしい悲劇を迎える。
異様な兄弟の絆と悲劇を描くカルト・ホラーの傑作。アメリカではミッドナイト・ムービーとしてロング・ランを記録した。この作品のミソは、切り離された「兄」が性欲を持つところ。
隣室の女の赤いレースのパンティを盗んだり、”健康な” 弟がカノ女とコトに及ぼうとすると、やっかんで邪魔したりする。
あげく、そのカノ女の家に忍び込んで襲ってしまう。
健康な肉体を持たないことの悲しみを肉欲を通して自覚する「兄」。
通じ合っていた兄と弟だが、もはや兄は制御不能に。
運命共同体の二人の行く末はひとつなのだった・・・。

今あらためて見ると、なぜこれが一世を風靡したのか・・・(笑)
と今は思うけれど、当時は衝撃作だった。
エロとグロとホラーとギャグとペーソスがミックスされた今までにない映画だった。
時代の波というのもあったろうが、やっぱりカルトムービーというのは劇場のうす暗闇で見てなんぼと思うのよ。

↑ 主役の彼も当時はレイフ・ギャレット風アイドル顔だった。
このDVDはHD版で、発売を記念してフランク・ヘネンロッターのインタビューがある。
――HD版ということだけど、[バスケットケース] に高画質を
求めている人なんていないよねつうのに笑った! いいぞ、フランク!
今作は金がなくて16ミリで撮影したものだという。
あのなんともいえないチープさはそれか!?
この作品のキモはそこにある。”チープ” バンザイ!
女優たちがみなカツラなのもチープ度数高い。

DVD特典映像として、短編ドキュメンタリ "In Search of the Hotel Broslin" あり。
撮影から20年経ち、ヘネンロッターがかつてのロケ地を巡る。
これがなかなかおもしろかった。
ヘネンロッター、どんな変人かと思ったら、まともな人だった(笑) そんなものだよね。
舞台となったホテル・ブロスリンの受付は、実際はビルのエレベーターで、扉を開けっ放しにして撮影した。

兄弟が父親を殺害するシーンを撮ったところは、今やアヤしいSMクラブになっていた!
この後バスケットケース2&3まで製作された。