悪童日記

【悪童日記】
(2013/ドイツ+ハンガリー/A NAGY FUZET/THE NOTEBOOK/LE GRAND CAHIER)


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劇場公開を前に、久しぶりに映画原作を読んでからミタ。
原作が予想を超えておもしろかったのだ。
さて、いかにして映像化したのか?

@TOHOシネマズシャンテ スクリーン3

スクリーン3はB1.。ここ初めてかも。


第2次世界大戦末期。双子の兄弟が、祖母が暮らす農園へ疎開してくる。彼らは村人たちから魔女と呼ばれる意地悪な祖母に重労働を強いられながらも、あらゆる方法で肉体的・精神的鍛錬を積み重ねる。大人たちの残虐性を目の当たりにした2人は、独自の信念に従って過酷な毎日をたくましく生きぬいていくが……。

都会から田舎に疎開した双子の少年たちの壮絶なサバイバル。

都会で家族四人幸福に暮らしていたが、粗野でいぢわるでケチな祖母と暮す内、二人は強くなろうと決意する。
二人で考えた「鍛錬」がユニークなんだよね。
「四日間絶食してみる」 「痛さに馴れる為互いに殴りあう」とか「ののしり合って悪口に平気になる」などなど・・・。
肉体的鍛錬はいいけれど、母の優しい言葉、母を恋しいと思う心も捨ててしまうところがつらい。
やがて二人は”暴力的行為” を繰り返すようになる。
戦争という凶気の中、二人は”超人”になって行く。
少年たちの田舎で過ごす日常に、戦争の深い闇が見える。

双子がイメージ通りの美少年で、シロートっぽいところもいい。
ヤーノシュ・サース監督はハンガリーの全ての学校に手紙を書いて、ぴったりの双子を探したという。
双子=アンドラー&ラースロー・ジェーマントくんたちは、貧しい地区に住む複雑な家庭(父に捨てられたらしい)のこどもで、監督が 「とてもハードな話だ」 と説明したら、「ハードな人生なら僕らはよく知ってるよ」 (泣かせる・・・

監督は原作者アゴタ・クリストフと会い、何度も連絡を取りながら映画製作を進めた。
彼女は映画完成の前に亡くなった。

この小説を映画化するなら、同じハンガリーの監督で、双子のキャスティングもハンガリーの人にやってもらいたいと思った。その土地の空気感のようなものは同郷の人でないと出せない
その点では、この映画化は幸福であったと思う。

しかし、しかし、原作を読んだ者には不満が残った。
原作は双子の少年の日記という形式をとっているので、シンプルな文章で淡々と書かれているのだが、その内容はかなりエグい。
読みながら、「え、これってこんな話だったの・・・」 と何度も思った。
「ここまで書くか?!」 っていうのもあった。
変態の将校さん(ゲイ)とか、司祭様のとこの女中のエロい誘惑とか。
おばあちゃんの不潔ぶり、非道、双子の暴力性など、映画では全てが物足りなかった。
監督はあえて抑えた演出をしたそうで、たしかに文章の世界をそのまま映像化するとインパクトがありすぎることもありましょう。
特にチロルは原作の双子の超人っぷりが好きだったので、そこがスルーされていたのが残念だった。
もっともその物足りなさは、原作を読んだから感じることであって、読んでない人は素直に映画を受け止められたかも知れない。

↓チロルのイメージの将校さんはもっとエリートっぽいスマートなかんじだった
 (でもSSだったね。たしかに権力持ってるエリートだわな)
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↓ばーちゃんはやせこけた魔女のようなイメージだったがな

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クリスティアン・ベルガーのカメラが美しい。
ハンガリーの田舎の荒涼とした風景は、映像ならではのインパクトがあった。

===
双子のアンドラー&ラースローくんは、映画撮影後はブダペストに住んでいるという。
今は良い環境で勉強に励んでいることを願うばかりです。

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追記・その他

  (2017/07/15) 「FATHERS」に追記あり。 プーン役のAsda Panichkulは元MTVアジアの人気VJで東南アジアでは有名人。 ユク役のNat Sakdatornはタイのタレント発掘番組で優勝した実力派シンガーソングライター。

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